日本語字幕:丸ゴシック体下、金関いな/シネスコ・サイズ(デジタル、2.35、with Panavision)/表記なし(IMDbではドルビー・デジタル)
(英15指定、仏12指定、日PG12指定)
監督:リン・ラムジー 原作:ジョナサン・エイムズ 『ビューティフル・デイ』(早川書房刊) 脚本:リン・ラムジー 撮影:トム・タウネンド 出演:ホアキン・フェニックス、 ジュディス・ロバーツ、 エカテリーナ・サムソノフ、ほか |
裏社会で人捜しを請け負う元軍人のジョー(ホアキン・フェニックス)は、ある日、州の上院議員アルバート・ヴォット(アレックス・マネット)から、警察沙汰にしたくないという依頼を受ける。それは家出して売春組織に捕らえられたらしい娘のニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)の救出と、関わった者への処罰。ジョーはすぐにアジトを突き止めると、ハンマーを武器に単身乗り込む。
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うーむ、これは…… カンヌで脚本賞と男優賞を受賞したらしい。カンヌは一般ウケしない作品が多いからなあ…… 思わせぶりで、奥深そうな印象を与える演出はまさにカンヌ向きなのだろう。しかしそれらはいかにも狙いっぽく、逆に薄っぺらい印象。無駄というか不必要な感じのシーン、カットが多く、ハリウッド的に描いたら60分も掛からないかもしれない。それなのに説明不足。だからあまり伝わってこない。脚本に問題があるのではないだろうか。IMDbでは6.9点。 しかし、怖い。それは演出の妙とかいうことより、大きくて暴力的で不協和音的な不安にさせる音楽と、どす黒くてリアルな血、そして殴り殺すのに使うハンマーによるところが大きい。確かに、正常じゃないかもしれない主人公の怖さもあるけれど……。それに、ハンマーは「オールド・ボーイ」(Oldboy・2003・韓)でしょ。ハリウッドでリメイクまでされてるし。 まあ不快。ちっとも楽しい映画じゃないし、感動的でもない。全体の印象としては、ムビチケカードにフランス語(?)で書かれているように、「21世紀の『タクシードライバー』」だ。政治家が出てきて、少女を売春組織的なところから男が救出し、血まみれで暴走する。深さや出来はかなり異なるが、気持ち悪い雰囲気がよく似ている。人によってはパクリというかも、と言うレベル。換骨奪胎と言えば良いか。「タクシードライバー」(Taxi Driver・1976・米)もカンヌでグランプリを取ってるけど……。 基本、ジョーの武器はハンマー。後半でS&WのM19らしい2.5インチも使う。で、警察官はサプレッサー付きのたぶんP229、州知事の警護官(?)もP229。 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は12〜13分前に開場。観客はほぼ中高年で、最初20人くらいいて女性は3人ほど。最終的には80席の4割ほどが埋まった。まあカンヌ作品だし、こんなものだろう。 スクリーンはビスタで開いており、CM・予告の後、スクリーンのマスクが左右に広がってシネスコ・サイズになり、マナーがあって暗くなって本編へ。 この作品もアマゾンか。 |