2018年6月10日(日)「30年後の同窓会」

LAST FLAG FLYING/2018・米・2時間05分

日本語字幕:丸ゴシック体下、稲田嵯裕里/ビスタ・サイズ(1.85、Panasonic、by Panavision、映写機の左右マスクで上映)/ドルビー・デジタル

(米R指定)

監督・製作:リチャード・リンクレイター
原作:ダリル・ポニックサン「Last Flag Flying」 脚本:リチャード・リンクレイター、
   ダリル・ポニックサン
撮影:シェーン・ケリー
出演:スティーヴ・カレル、
   ブライアン・クランストン、
   ローレンス・フィッシュバーン、
   J・クィントン・ジョンソン、ほか

公式サイト
http://30years-dousoukai.jp/
(全国の劇場リストもあり)

2003年12月、クリスマスも近いある土曜の夜、「サルのバー&グリル」にベトナム戦争当時の戦友、海兵隊の衛生兵だったラリー“ドク”シェパード(スティーヴ・カレル)が訪れる。そしてサル(ブライアン・クランストン)に見せたいものがあるから車を出してくれという。車が着いたのはある教会で、そこの牧師ミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)もまたベトナム戦争当時の戦友だった。そしてドクは1月に妻を乳がんでなくしたことを語り、2日前に1人息子がバグダッドで戦死し、遺体がアーリントン基地へ移送されてくるので、一緒に来てくれないかと言う。


73点

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 感動的な物語。そして戦場の絆で結ばれた男たちの友情が良い感じ。さらに、アメリカではより身近であるだろう、軍隊と、軍人になること=いざという時、国に命を捧げること、がグサリと胸に突き刺さる。軍人は上官の命令に従わなければならず、上官はさらに上の命令を受け、最終的には政府の命令を受けている。アホな政治家が命令を出すと、軍人は無意味なことに命を懸けなければいけなくなると。

 全体的には非常に暗い。コメディの部分もあって、結構笑えるのだが、コメディアン出身のスティーヴ・カレルが「フォックスキャッチャー」(Foxcatcher・2014・米)なみに暗いキャラクターで、存在感を無くし、口数も少なく、ほとんど笑わないキャラクターで、不気味で怖い。この雰囲気が全体を支配している。しかも大きな事件などはなく、普通の出来事がつづられ、かつ長い。でも、心を許せる友がいるって、良いなあと。命を懸ける戦場に行った者たちの絆は、肉親より強いことがあるらしい。

 良いのはバーのオーナーで、自らバーテンをやっているサル役のブライアン・クランストン。愉快で、まじめで、思いやりがあって、長いものに巻かれず、常に前向きな感じが、実に良く出ていた。魅力的。友達になりたい。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、1日1回だけの上映。しかも小さなスクリーンでのみ。日によっては朝晩2回のことも。1回だとお昼スタート。なんだかなあ。当日は10分前くらいに開場。観客層は意外と若い人もいて、中高年まで幅広かったが、もちろんメインは中高年。男女比は6対4くらいで男性が多かった。それにしても、ケータイ消せよ。使っているヤツが多い。もう年齢は完成ない。まぶしくで邪魔。劇場に着いた時点で「完売」の表示だったが、最終的には2番目に小さい86席に95%ほどの入り。来なかった人がいたということか。もったいない。

 この作品、6/14で終わりのところも。そんなに酷いとは思わなかったけどなあ。まあ最新の劇場でやってくれただけでもありがたかった。古い小さなところだったら行かなかったもんなあ。


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