2018年6月17日(日)「ワンダー 君は太陽」

WONDER・2017・米/香・1時間53分

日本語字幕:丸ゴシック体下、稲田嵯裕里/シネスコ・サイズ(デジタル、2.39、Red、with Panavision)/ドルビー・デジタル(IMDbではドルビーATMOSも)

(米PG指定)

監督:スティーヴン・チョボスキー
原作:R・J・パラシオ「ワンダー」ほるぷ出版刊
脚本:スティーヴン・チョボスキー、
   スティーヴ・コンラッド、
   ジャック・ソーン
撮影:ドン・バージェス
出演:ジェイコブ・トレンブレイ、
   ジュリア・ロバーツ、
   オーウェン・ウィルソン、
   マンディ・パティンキン、ほか

公式サイト
http://wonder-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

ネイト・プルマン(オーウェン・ウィルソン)とイザベル・プルマン(ジュリア・ロバーツ)の2番目の子、10歳のオギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は遺伝子上の問題があって、普通とは違う顔を持って生まれてきた。それから27回も手術を重ねたが学校へ通わず、母親のイザベルが教師となってずっと自宅学習を続けていた。しかし5年生になるのを機に、イザベルはネイトの反対を押し切って、オギーを学校へ通わせる決心をする。


87点

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 感動の物語。予告ではちょっと迷ったが、見て、良かった。お涙ちょうだいの作品かと思ったのだが、もっと前向きで、良くできたお話だった。しかも予告から連想される1人の男の子のお話ではなくて、いろんな子供たちの、そして大人の、ストーリー。含蓄のあるセリフの数々。心に染みた。

 基本的に、本当に悪い人間は出てこない。悪い子じゃないのに、ちょっと誤解される行動を取ってしまう。それがそのままストレートに伝わったり、コミュニケーション不足でうまく伝わらなかったり。正面から話ができず、ネット・ゲームのキャラクターになって思いを伝えるという、現代的なコミュニケーションがあったり。ゲームがあって良かったねと。

 ラストの、優しい校長先生のスピーチにそれが要約されていた気がする。「人は誰もがみんな戦っている。それがわからないこともある。だから大事なのはよく見ること」。決して人と違う顔を持った子だけの不幸な物語ではない。そういう弟を持ってしまった姉の戦い、母の戦い、父の戦い。貧しい家庭の生まれた子の戦い。裕福な家庭に生まれた子の戦い。離婚した父が再婚し、同居する母がうつ病になった娘の戦い…… みんなそれぞれに戦っている。

 ただのいじわるな子とか、ただの威張ってる子とか、ただ言われたからやってる子じゃなかったという、違う面が見えてくる。思い込みや先入観は行けないなあと。そして、ラストには家族って良いなあ、親友って良いなあと思わせてくれる。見事な物語。「オギー」の物語、姉「ヴィア」の物語、友人「ジャック・ウィル」の物語、姉の親友「ミランダ」の物語……。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は20分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かった。8席あるプラス1,000円のプレミアム席(P席)にも若い人が数人座った。すごいなあ。男女比は10分前くらいから女性が増えてきて、3.5対6.5くらいで女性が倍近く多くなった。最終的に200席の8割くらいが埋まり、8席のP席も7人が座り、うち女性は2人ほど。

 マナーのあと暗くなって、映画泥棒があって本編へ。


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