2018年6月23日(土)「空飛ぶタイヤ」

2018・「空飛ぶダイヤ」製作委員会(松竹/木下グループ/日活/講談社/実業之日本社/ジェイストーム/IKEIDO/GYAO/Yahoo! JAPAN?)・2時間00分

シネスコ・サイズ(デジタル?)/音響表記なし(ドルビー・デジタル?)

(一部日本語字幕付き上映もあり、『UDCast』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド付き)

監督:本木克英
原作:池井戸潤「空飛ぶタイヤ」
    講談社文庫/実業之日本社文庫刊
脚本:林 民夫
撮影:藤澤順一
出演:長瀬智也、
   ディーン・フジオカ、
   ムロツヨシ、
   笹野高史、ほか

公式サイト
http://soratobu-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

ある日、赤松運送のトラックのタイヤが外れ、近くを歩いていた主婦に直撃、即死する。神奈川県警は整備不良を疑い家宅捜索が行われる。取引先が次々と手を引く中、赤松運送の車両整備部からは点検で問題がなかった記録が見つかる。ところがトラックを製造・販売したホープ・グループのホープ自動車は事故車を回収し調査、整備不良という結論を国土交通省に提出する。赤松運送の社長、赤松(長瀬智也)は、再調査を依頼するが、ホープ自動車販売部の沢田課長(ディーン・フジオカ)は電話に出ようともしない。そんな時、つい最近、ホープ自動車のトラックで同じような事故が起こっていたことが判明する。


74点

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 池井戸作品らしい感動作。徹底的に窮地に追い込まれて、万事休すというところからの一発大逆転劇。感動的。ただ連続TVドラマのように時間的な余裕がないので、2時間使ってもやはり駆け足になって、段取り的に進んでしまうのが残念。

 特に池井戸作品を知っている人にはパターン的で、水戸黄門のように展開するだろうことはわっかっているのに、それでも観客を感動させる作品のパワー。それがすごい。

 あまり表に出ない人たち。大企業対中小企業。重要なキーを握る銀行。上層部の極悪人。今流行りの忖度にパワハラ。その下で翻弄され、正義と保身の間で揺れる人々。自分ならできるのか。1人でも最後まで戦う気概はあるか。たぶん働いていれば、ここまで大きな話ではなくても、こういうことは多々あるのではないだろうか。身につまされるような話。そこが辛い。当事者になったような気分を味わう。

 もちろん長瀬智也もディーン・フジオカもうまい。しかし、ものすごくイヤらしくて怖いほどの迫力だったのは、ホープ自動車の常務取締役、狩野を演じた岸部一徳。すごいなあ。そして、ちょっとしか出ないが、こういう役ならピッタリという矢島健一。見事なイヤらしさ。

 公開9日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は15分くらい前に開場。ほぼ中高年で、特に中年層が多い感じ。男女比は半々くらい。最終的に301席に60人くらいの入り。朝一とは言え、1週目でこの少なさはちょっと気になるところ。話題作なのに。でも興収では1位とか。不思議。

 スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、映写機のマスクが左右に広がって、本編へ。


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