2018年6月30日(土)「アメリカン・アサシン」

AMERICAN ASSASSIN・2017・米・1時間52分

日本語字幕:丸ゴシック体下、松崎広幸/シネスコ・サイズ(表記なし、IMDbではデジタル、2.35、Arri ALEXA、ドルビー・ビジョン)/音響表記無し(IMDbではドルビーATMOS)

(米R指定、日R15+指定)

監督:マイケル・クエスタ
原作:ヴィンス・フリン「ミッチ・ラップ」シリーズ
   『アメリカン・アサシン』
   (マグノリアブックス)オークラ出版
脚本:スティーヴン・シフ、
   マイケル・フィンチ、
   エドワード・ズウィック、
   マーシャル・ハースコヴィッツ
撮影:エンリケ・シャディアック
出演:ディラン・オブライエン、
   マイケル・キートン、
   シーヴァ・ネガー、
   テイラー・キッチュ、ほか

公式サイト
http://american-assassin.jp
(全国の劇場リストもあり)

アメリカ人のミッチ・ラップ(ディラン・オブライエン)は、スペインのイビサ島のビーチで恋人カトリーナ(シャーロット・ヴェガ)にプロポーズする。しかしそのときテロリスト集団が現れ銃を乱射。恋人を含む多くの人々が犠牲になり、自分も重傷を負う。18カ月後、復讐に燃えるミッチはアラビア語をマスターし、格闘技、射撃などを極め、密かにテロ実行犯のアル・マンスール(シャヒード・アーメッド)の一味と連絡をとり、テロリスト希望者を装い接近しようとする。一方、CIAのテロ対策部はミッチの動きを把握、監視を続けていた。そしてミッチがリビアのトリポリへ呼び出され、ついにアル・マンスールとの対面を果たしたときCIAの特殊部隊が突入、一味を殺害するとミッチを救出する。CIAテロ対策部の女性幹部アイリーン・ケネディ(サナ・レイサン)は彼の素質を見抜き、精鋭部隊オライオンのメンバーに育成すべく、元ネイビー・シールズのスタン・ハーリー(マイケル・キートン)が指導するバージニア州の施設へ送り込む。


76点

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 面白かった。B級の扱いなので、あまり期待していなかったが、世界を股にかけた本格的スパイ・アクション。007的ではなく、リアル系の怖いヤツ。銃声も大きくかなり恐ろしい。なかなかの説得力で、リアリティがありながらも、物語として面白く目が離せなくなる。IMDbでは6.2点だが、ボクはこのレベルで作れるのならシリーズ化しても良いと思う。

 テロとの戦いが本作のテーマであり、「ミッチ・ラップ」シリーズの主人公CIAのミッチ・ラップ誕生の物語。テロが許せないという気持ちが良く伝わってくる。そして、そのために命を捧げる人たちがいる。しかも女性まで。ただ、いくらアメリカでも他国内で銃撃戦まで行ってはまずいんじゃないかなあ。主権とか内政干渉とか、外交問題に発展するのでは。すでに国同士で話が付いていたという設定?

 そして、イランにもテロに反対で平和を求める人もいて、強硬派と戦っているというのがリアル。一方で、CIAの鬼教官がまたネイビー・シールズというのはいかがなものかと。確かに世界最強の特殊部隊というレッテルになっていて、ウサマ・ビン・ラーディン殺害などの実績からわかりやすいのだが、表に出ない作戦などでデルタの方が上という話もあるので、たまには他の設定があっても良いかなと。

 主演のディラン・オブライエンはとてもいい。体も良く動き、プロらしい所作を見せてくれる。予告編にあった銃のマルファンクション・クリアの「タップ、ラック、バン!」は本編ではなくなっていたようだが……。とても「メイズ・ランナー」(The Maze Runner・2014・米/英)(特に2以降)の人と思えないくらい良い。良い(合う?)監督と組めば光るということか。

 銃は、ビーチのテロリストがAK。CIAになる前にレンジでミッチ・ラップが撃つのがMASADA(ACR)とUMPサブマシンガン、1911オート。CIAの元ネイビー・シールズの鬼教官がM92。ゴーストが使うのはシルバーのS&Wオート(imdbfではM5906としている)。ほかにもセイリエント・アームズのグロック・カスタム、M4カービン、Cz75、CzスコーピオンEVO 3 A1、ジェリコ941、ミニUZI、SCARなども登場。スナイパーが使っていたスコープ付きのライフルは一瞬でわからなかった。

 メイン・ユニットのスーパーヴァイジング・アーマラーは、ダン・オズボーン、ニック・ジェフリーズがクレジットされている。

 主要キャストは数カ月のブート・キャンプに参加し、格闘技や車の高速運転、射撃などを学んだらしい。公式サイトではファイト・トレーナーでアクション・コーディネーターのロジャー・ユアン、戦術や武器訓練のジュースト・ヤンセン、元空手チャンピオンのスタント・コーディネーター、バスター・レーヴスらの名前が挙げられている。凄いアクションは、監督はもちろんだが、これらの人たちのおかげらしい。IMDbではミリタリー・アクション・アドバイザーでジェレミー・J・J・ウェッブの名前があった。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は着いた時点で「完売」の表示。15分前くらいに開場。観客層はほぼ中高年。女性は1/3いたかなあという感じ。若い人は数人ほど。最終的に88席は、表示どおりほぼすべて埋まった。キャパは小さいがスクリーンは大きめなので嬉しい。

 マナーのあと、暗くなって映写機のマスクが左右に広がって、フル・サイズになり、映画泥棒があって本編へ。


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