2018年7月1日(日)「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷」

WINCHESTER・2018・豪/米・1時間39分

日本語字幕:丸ゴシック体下、栗原とみ子/シネスコ・サイズ(Panavision、IMDbではデジタル、2.35)/音響表記なし(ドルビー・デジタル?)

(米PG-13指定)

監督:ピーター・スピエリッグ、
   マイケル・スピエリッグ
   (ザ・スピエリッグ・ブラザーズ)
脚本:トム・ヴォーン、
   ピーター・スピエリッグ、
   マイケル・スピエリッグ
撮影:ベン・ノット
出演:ヘレン・ミレン、
   ジェイソン・クラーク、
   セーラ・スヌーク、
   エイモン・ファーレン、ほか

公式サイト
http://winchesterhouse.jp
(全国の劇場リストもあり)

1906年、アメリカ、サンフランシスコの精神科医のエリック・プライス医師(ジェイソン・クラーク)のもとに、銃器会社ウィンチェスター社の重役会から、霊媒師の言葉を信じ20年以上にわたって自宅の増改築を24時間限りなく続けている前社長の未亡人サラ・ウィンチェスター(ヘレン・ミレン)が会社の経営に関わることに疑問の声が上がり、精神鑑定をやって欲しいという依頼が舞い込む。サラが受け入れたことで、すぐにエリック医師は馬車でお屋敷へと向かうが、彼は過去に問題を抱えており、そのため軽いアヘン中毒だった。そしてお屋敷では不思議な出来事が起こる。


71点

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 残念! やっぱり音で脅かす映画だった。怖がらせる技術がないと音に頼ってしまう。シーンとさせて怖い雰囲気を作り、いきなり大きな音を出す。それって、怖いんじゃなくてビックリじゃん。期待したのになあ。振り向いただけでドカンと音するか?!

 設定は良かった。実際にアメリカに存在する迷路のようなウィンチェスターのお屋敷。しかも本当に幽霊屋敷としての噂が絶えないところ。この謎に挑み、史実に従って一度崩壊したエピソードをうまく取り込み、地震だったのか霊の仕業だったのかと疑問を抱かせるというのが良い。そして、ウィンチェスター社の重役会が、夫亡き後も会社の経営に関わる婦人の精神鑑定を依頼して、精神科医がお屋敷に派遣されるというのも面白い。「超常現象」対「科学」という構図。いいぞ、いいぞ!

 なのに、展開はどうにも納得いかないものに。だいたい銃器メーカーが、その会社の銃で撃たれた人の怨念によって呪われるというのなら、世界中のものすごい数のメーカーで同じことが起こってしまう。恨むなら引き金を引いた人の方だろう。こんなことを言ったら、ダイナマイトを発明したノーベルはどうなるんだ。ノーベル賞も呪われるのか。

 仮に、メーカーを恨むとしても、なぜ奥さんなのか。積極的に銃器開発をやったわけでもなし、強引に軍などに売り込んだわけでもなし、欠陥があって暴発で人を殺してしまったわけでもなし、なぜ婦人なのか。社長を恨もうにも、すでに亡くなっているわけで。しかも、そのお屋敷の執事長みたいな人や、大工の棟梁みたいな人が巻き込まれて亡くなっている。関係ないだろ、と。医師も死ぬ寸前まで追い詰められ、姪やその子までもが呪われるなんて!

 銃はもちろんウィンチェスター。展示室には各種モデルが飾ってあったようだが、メインで使われるのは彫刻入りオクタゴン・バレルのM66イエローボーイ。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は着いた時点で「残席わずか」の表示。15分ほど前に開場し、観客層はやはり中高年メインで、男女比は最初半々くらいだったが、最終的に女性の方が多くなって4対6くらいに。また、女性の方が年齢層はやや若い感じ。最終的には最も小さな73席に2〜3席残してすべて埋まった。

 CM・予告、そしてマナーのあと暗くなって、映写機のマスクが左右に広がりフル・サイズに映画泥棒から本編へ。


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