2018年7月22日(日)「ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談」

GHOST STORIES・2018・英・1時間38分

日本語字幕:丸ゴシック体下、ブレインウッズ/シネスコ・サイズ(表記無し、デジタル?、IMDbでは2.39)/音声表記無し(IMDbではドルビー・デジタル)

(英15指定、日PG12指定)

監督:ジェレミー・ダイソン、
   アンディ・ナイマン
原作:舞台「GHOST STORIES」
   ジェレミー・ダイソン、
   アンディ・ナイマン
脚本:ジェレミー・ダイソン、
   アンディ・ナイマン
撮影:オル・ブラット・ビルケランド
出演:アンディ・ナイマン、
   マーティン・フリーマン、
   アレックス・ロウザー、
   ポール・ホワイトハウス、ほか

公式サイト
http://www.transformer.co.jp/m/ghoststories/
(全国の劇場リストもあり)

心理学者のフィリップ・グッドマン教授(アンディ・ナイマン)は、イギリスのTVショーで、ニセ超能力者やニセ霊能者の嘘を暴いていた。そんな彼は、ある日、かつてTVで超能力や霊現象のトリックを暴いていた憧れの心理学者から呼び出しを受ける。ボロボロのトレーラー・ハウスを訪ねると、年老いた博士はこの世には科学では説明のできない現象が本当にあると言い出し、この3件の事件を調べて納得できるように説明してくれとファイルを渡す。


76点

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 凄い映画。無理して見て良かった。ちゃんと怖い。そして衝撃の結末。ただラストがハリウッド的でない分、アメリカなどでは評価が低いかもしれない。IMDbでは6.6点という微妙な評価。

 ホラー映画の定番を逆手にとった演出。冒頭、始まってすぐタイトルが出るが、その時いきなり大きな音。これは音で脅かすパターンかと思っていると……。演出だったとは。これは普通のホラーだよ、だから音でも脅かすよという。ところが、そのビックリ音は徐々に使われなくなって行き、じわじわと怖くなってくる。猛暑の真夏に見るにはちょうど良い。

 つまり、音で脅かすチープなホラー調から、じんわりと怖い心理ホラー調へとシームレスに移行し、ゾっとさせたところで、それをも覆してしまう鮮やかな構成と、それにリアリティを与える素晴らしい演技、見事な演出。

 細かな伏線が満載。まるで推理小説、よく出来たミステリーのような構成。原作も良いのだろうが、脚本も素晴らしい。最初はまったく気付かず、やがてちょっとだけ気になり、クライマックスで明かされるという仕掛けが凄い。もう一度最初から見直して見たくなる。雰囲気は「“アイデンティティー”」(Identity・2003・米)に似ているかも。

 銃は、イギリスらしく高価そうな水平二連のショットガン。2挺出て来て、1挺が火を吹く。血糊が霧のようになって吹き出るのが怖い。

 公開2日目の初回、豊洲の劇場は全席指定で、ムビチケカードがなく普通の紙の前売り券しかなかったので、毎週水曜のスケジュール発表後、電車賃をかけて劇場まで行きカウンターで予約。これって、交通費と時間をかけたことを考えると、当日料金でオンライン予約した方が安上がりで良いじゃん。前売りの意味って、何? 券が記念として残ること?

 当日は12〜13分前に開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かった。男女比は5.5対4.5くらいでやや男性が多い感じ。最終的には78席の小さなスクリーン(従来型の劇場よりは充分大きいが)に4.5割くらいの入り。あまり広告していないし、注目作品でもないからなあ。劇場数も都内は2ヵ所しかない。ボクはもっと多くの人が見るべき作品だと思う。

 予告から4DXのデモの後、マナーがあって、CM・予告と続き、暗くなって映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズになり、劇場名から本編へ。


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