2018年8月4日(土)「インクレディブル・ファミリー」

INCREDIBLES 2・2018・米・1時間58分

日本語字幕:手描き風書体下、稲田嵯裕里/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、dtsX、Auro 11.1、ドルビー・サラウンド7.1、IMAX 6-Track、12-Trackデジタル・サウンド、Sonics-DDPも)

(米PG指定)(日本語吹替版もあり)

同時上映「bao」(短編)

BAO・2018・米・7分(IMDbでは8分)

ビスタ・サイズ(1.85、デジタル)/ドルビー・デジタル


監督・脚本:ブラッド・バード
製作:ジョン・ウォーカー、
   ニコル・パラディス・グリンドル
製作総指揮:ジョン・ラセター
オリジナルスコア:マイケル・ジアッキーノ
声の出演:クレイグ・T・ネルソン、
     ホリー・ハンター、
     サラ・ヴォーウェル、
     ハック・ミルナー、
     サミュエル・L・ジャクソン、
     ブラッド・バード、ほか

公式サイト
https://www.disney.co.jp/movie/incredible-family.html
(全国の劇場リストもあり)

ヒーロー活動を法律で禁じられたヒーロー一家は、目立たぬように密かに人助けをしていたが、長女のバイオレット(声:サラ・ヴォーウェル)が同級生の男の子に素顔を見られてしまったため、彼の記憶を消すことに。そんなとき、ヒーロー活動を支援したいという大企業デヴテック社の社長、ウインストン(声:ボブ・オデンカーク)とその妹イヴリン(声:キャサリン・キーナー)が現れる。そして最初はイラスティ・ガールこと妻のヘレン(声:ホリー・ハンター)からということで、ヘレンがヒーロー活動を続け、夫のMr.インクレディブルことボブ(声:クレイグ・T・ネルソン)は家事を受け持つことになる。


84点

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 面白かった。第1作よりずっと面白かったし、予告から想像したより内容があって、大人も楽しめるストーリー。しかも第1作をちゃんと受け継いで、その続きという設定になっている。予告ではナンセンス系で、完全な子供向けという感じだったが……。予告の失敗だと思う。ポイントが貯まってなかったら、たぶん見なかった。この出来なら、ムビチケカードを買っておくんだった。やっぱり全米大ヒットにはちゃんとした理由があったんだ。ときどき信用できない「全米大ヒット」があるもんで……。

 「1」も先日TVで見たら、劇場で見た時より面白いように感じたので、印象は変わるものらしい。その時の状況とか精神状態とか、いろいろ影響しているのだろう。とにかく、本作は良かったと思う。それぞれの家族のキャラがエキセントリックになりすぎないところで抑えられていて、許容範囲。引かずにすんだのが大きいかも。しかも新キャラは本当にどこかに良そうな感じ。特に社長の妹イヴリンなんて、明らかに見覚えがある感じで……。

 そして、荒唐無稽なSFドタバタではなく、まるで007的なスケールの大きなスパイ・アクション&ミステリー調に仕上げられている。音楽もほとんどそんな感じ。スケールが大きくてカッコいい。そして謎と大どんでん返し。超人技も、どうにか頭を使ってギリギリクリアできるところは、登場人物たちががんばっている感じがしていい。余裕でスーパー・パワーを使っているわけではない。むしろ負けそうで応援したくなる。それでいて、人間離れしたアニメらしい超人技もしっかり見せて、センスの良い笑いもたっぷり盛り込んで、破綻せずにスマートにまとめてみせると。見事! 同じ「1」の監督・脚本(エドナ・モードの声まで!)の人とは思えない。まあブラッド・バード監督は「トゥモローランド」(Tomorrowland・2015・米ほか)と「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」(Mission: Impossible - Ghost Protocol・2011・米ほか)も監督してるから当然の出来か。

 銃はかなりデフォルメされているが、警察はM1カービン風のライフルも使っていたし、オートは1911風で、リボルバーはコルトのオフィシャル・ポリス系?

 同時上映の短編も良かった。中国の話で、監督もドミー・シーという中国系の女性。本作がデビュー作らしい。一切台詞無しのストーリーなのに感動的で、涙が出そうになった。

 短編の後、「インクレディブル」の世界に合わせて赤いシンデレラ城からのディズニー・ロゴ、そしてピクサーのロゴと、スパイ映画風の音楽。なかなか凝ったオープニング。そしてラストにノーマルのお城というパターン。

 公開4日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は12〜13分前に開場。観客層は若い人から中高年まで幅広く、メインは若い層から中年くらい。これは最近では珍しい。高が少ないというより、若が多いという感じか。ただ予告でボクのように子供向きと思ってしまった高齢者が多かったのかもしれない。予告って大事。男女比は4.5対5.5くらいでやや女性の方が多かった。最終的には301席の7.5割くらいが埋まった。日本語吹替版の方が朝早いのは、やっぱり子供メインということなのだろうか。

 スクリーンは最初からシネスコで開いていて、左右マスクで「bao」上映後、映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズで本編へ。


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