2018年8月5日(日)「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」

MISSION: IMPOSSIBLE - FALLOUT・2018・米・2時間27分(IMDbでは100分)

日本語字幕:手描き風書体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル/フィルム、Panavision、Arriflex)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、dtsX、Auro 11.1、ドルビー・サラウンド7.1、IMAX 6-Track、12-Trackデジタル・サウンド、Sonics-DDPも)

(米PG-13指定)(日本語吹替版、IMAX版、3D上映、4D上映もあり)

監督・製作・脚本:クリストファー・マッカリー
製作:トム・クルーズ、ジェイク・マイヤーズ
   J・J・エイブラムス
撮影:ロブ・ハーディ
出演:トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、
   ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、
   レベッカ・ファーガソン、
   アンジェラ・バセット、
   アレック・ボールドウィンほか

公式サイト
http://missionimpossible.jp
(全国の劇場リストもあり)

イーサン・ハント(トム・クルーズ)にIMFから新しい指令が届く。ロシアから強奪されたプルトニウムの回収せよというもの。強奪には潰したはずの組織「シンジケート」の残党が結成した「神の使徒=アポストル」という組織が関連しており、正体不明のジョン・ラークという男が関わっているらしかった。イーサンはいつものメンバー、ベンジー(サイモン・ペッグ)とルーサー(ヴィング・レイムス)を集め、売りに出していたマフィアからプルトニウムを購入しようとするが、取引現場をアポストルに襲撃され、プルトニウムを奪われてしまう。そこで、アポストルに協力した核爆弾の専門家を見つけ、ホワイト・ウィドウ(ヴァネッサ・カービー)と呼ばれる女に連絡をしていたことを突き止める。そこでホワイト・ウィドウが近々ジョン・ラークと会うという情報を得て、その現場に紛れ込もうとするが、CIA長官のエリカ・スローン(アンジェラ・バセット)が現れ、大統領も了承済みだからと、自分の部下ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)も連れて行けとねじ込む。


86点

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 驚いた。ものすごいスパイ・アクション。147分の間ほとんどがアクション・シーン。撮影はものすごく大変だったことだろう。アクション・シーンはカットを細かく割るし、同じことを何回もう演じ、撮影しなければならない。その間ずっとスタッフもキャストもテンションを維持しなければならない。すごいなあ。

 ストーリー展開も巧妙で、どんでん返し的な展開が少なくとも2はある。147分もあるからできたのだろう。しかも、ちゃんと『スパイ大作戦』の定番の「だまし」のトリックを取り込んで、映画は別物という感じを払拭している。古いファンも納得ではないだろうか。しかもスケールが大きく、世界を股に掛け、ハラハラ、ドキドキの展開。

 トム・クルーズはスーパーマン的だが、みんなが応援したくなるキャラになっている。結構失敗もする。トム・クルーズが骨折したというジャンプ・シーンも使われていて、その後足を引きずって走っている。役者魂。この映画のためにヘリの免許も取ったらしいし、パラシュート降下も実際にトム・クルーズ本人が、特殊部隊が行うことで知られるHALOジャンプ(高高度降下低高度開傘)を100回以上やっているいう。顔がはっきり写っているから、うまい合成だなあと思ったら、本当にカメラと一緒に降下していたわけだ。だから1カットで撮影できている。しかもデジタル合成とは異なる臨場感がある。ヘリから荷物に落ちるのも本人だ! ここまでやるか。観客を愉しませようという精神が溢れている。

 あれ?予告にあったトム・クルーズが大型トレーラーか何かを運転して正面衝突しそうになるシーンってあった? 予告の見過ぎで感覚がおかしくなったかも。見落としたか、記憶が飛んだか。

 銃は、1911オート、P226R、M92、SG552、USP(コンパクトらしい)、IMIのジェリコ、M4カービン、MP5、M249ミニミなど。

 それにしても、トム・クルーズは銃の撃ち方がうまい。実弾トレーニングを受けているだけのことはある。今回も「コラテラル」(Collateral・2004・米)の殺し屋を彷彿とさせる抜き撃ちからの連射を見せる。「ラストサムライ」(The Last Samurai・2003・米/ニュージーランド/日)のチャンバラのシーンにも似ている。ベースはマカロニ・ウエスタンの「荒野の用心棒」(Per un pugno di dollari・1964・伊/西)ではないだろうか。イーストウッドがファニングで悪党たちを一瞬で倒した。まあ、それは「用心棒」(1961・日)のウエスタン・リメイクということになり、黒澤明に至るのだけれど。とにかく見所の1つ。

 かつてのTVスタイルの導火線を使った凝ったタイトルは、フィルモグラフのアーロン・ベッカー。前作の「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(Mission: Impossible - Rogue Nation・2015・中/香/米)のタイトルも手がけている。うまい。

 製作国に中国は入っていないものの、冒頭、スカイダンスのロゴの後、中国企業のロゴが出ていたが……。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケオンラインの前売りで席を確保。これだと見た記念のものが何も残らないので、ちょっと残念だが…… 当日は20分前くらいに開場。メインは中高年だったが、下は小学校高学年くらいから、中学生くらい。男女比は5.5対4.5くらいで男性の方が多め。最終的に若い人も増えてきて、499席は9.5割くらいの入り。9席×2列のプレミアム席もすべて埋まった。後ろのボックス席は見えなかったので不明。ATMOS上映で200円高いのに、さすが話題作。そしてトム・クルーズ人気。

 マナーのあと、暗くなって、東宝の大スクリーンTCXのデモのあと、ドルビーATMOSのデモがあって、まだ入ってくるヤツがいて、映画泥棒の後、本編へ。


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