シネスコ・サイズ(IMDbでは2.20)/音声表記なし(ドルビー・デジタル?)
監督:石田祐康 演出:新井陽次郎、亀井幹太 原作:森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫刊) 脚本:上田誠 声の出演:北 香那、蒼井 優、 釘宮理恵、潘めぐみ、 西島秀俊、竹中直人、ほか |
小学四年生のアオヤマ君(声:北 香那)は、疑問に思ったことはノートにメモし、いろいろ調べて論理的に考えるタイプ。自分でも頭が良いと思っている。今の研究テーマは歯科医院の胸の大きなお姉さん(声:蒼井 優)。そんなある日、原っぱにペンギンが現れてどこかに消え、大騒ぎとなる。さっそくアオヤマ君は新しいテーマをペンギンにし、ペンギン・ハイウェイとタイトルをつけたノートを作り、クラスメイトのウチダ君(声:釘宮理恵)と調査を始める。そして1羽のペンギンを見つけると後を追うも、森の入り口付近で見失ってしまう。しかし、クラスのガキ大将、スズキ君(声:福井美樹)とトラブって、自動販売機に縛り付けられた日、通りかかったお姉さんに助けてもらい、コーラを飲んでいると、お姉さんが投げたコーラがペンギンに変わるという現象が起こる。お姉さんは「私にも謎よ。解いてみて」と言う。
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見事なジュブナイル大冒険活劇&淡い初恋物語。後からじわじわと感動が染みてくる感じ。たぶん大人なら、誰もが幼い子供の頃に想像したことがあるような、自分が主人公のとんでもない大冒険物語。そして誰もが子供の頃に経験したことがあるような初恋。担任の若いきれいな先生に憧れるような感じ。だから大人にこそ刺さるのでは。 謎解きも面白い。単なる気のせいや、イマジナリー・フレンドにせず、ちゃんと正面から描いている。これが正解というものは見せないけれど、こういうことだったのかというボヤッとしたものは見せてくれる。こんな夏休みが過ごせたら最高だろうなあ。 ただ、いじめの部分はソフトすぎるかもしれない。いじめっ子と言うより、昔いたガキ大将的存在。ジャイアン的なヤツ。今のリアルで描いたら、陰湿すぎて物語にならないだろうなあ。本人も頭の良い素直な子で、妹も兄思いの良い子だし、両親も一切ガミガミ言わない良き理解者。家も結構裕福なようだし。絵に描いたような理想的家族。家庭に問題があったら、大冒険なんて出来ないし、初恋どころじゃないだろう。すべてのキャラが愛嬌があって、魅力的。ちょっと悪いヤツはいても、憎たらしいほどではない。この辺はアニメゆえなのかもしれない。生活感のなさというか、1つの理想郷的世界、というか、つまりは夢の世界。なんだか長い楽しい夢を見ていたような感じも。 絵はもちろん素晴らしいが、宇多田ヒカルのテーマ・ソングも素晴らしい。「Good Night」買いかも。 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜にムビチケカードで確保。当日は22〜23分前くらいに開場。若い人が多いと思っていたら、なんとメインは中高年。下は小学高低学年くらい。さらにいがいなことに女性は少なく1/3ほど。最終的には200席がほぼすべて埋まった。8席あったプレミアム席も満席。素晴らしい。 本編がアニメ作品のためか、アニメ作品の多い予告の後、マナーがあってから上映が暗くなり、映画泥棒に続いて、ほぼフルサイズで本編へ。 |