2018年8月26日(日)「マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー」

MAMMA MIA! HERE WE GO AGAIN・2018・英/米・1時間54分

日本語字幕:手描き風書体下、石田泰子/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Arri、ドルビー・ビジョン)/ドルビーATMOS、dtsX、Auro 11.1(IMDbではドルビー・サラウンド7.1も)

(米PG-13指定)(IMAX版もあり)

監督・脚本:オル・パーカー
撮影:ロバート・イェーマン
出演:アマンダ・セイフライド、
   リリー・ジェームズ、
   ピアース・ブロスナン、
   メリル・ストリープ、
   コリン・ファース
   ステラン・スカルスガルド、ほか

公式サイト
http://www.mammamiamovie.jp
(全国の劇場リストもあり)

昨年亡くなった母のドナ(メリル・ストリープ)が経営していたホテルをリニューアルし、再オープンさせることになった1人娘のソフィ(アマンダ・セイフライド)は、知人や世話になった人々を招いてリオープン・パーティを開くことにする。その若き日のドナ(リリー・ジェームズ)は、1979年、オックスフォード大学を卒業すると、2人の親友、ターニャ(ジェシカ・キーナン・ウィン)とロージー(アレクサ・ディヴィーズ)に別れを告げ、1人で世界旅行に旅立った。そしてパリのホテルでオート・ロックで閉め出された若い男ハリー(ヒュー・スキナー)と出会う。


76点

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 うわー、心が温かく、優しい気持ちになれる映画。パッピー・オーラ満点。真っ青なエーゲ海と、抜けるように青い空。陽気な人々、素敵な音楽とダンス。それらが満載。溢れている。時間に囚われない大らかな(アバウトな?)暮らし。不景気でもどうにかなるさ、という楽観的な(脳天気な?)考え方。まあ、内容はあまりないかも。

 変な人は出てくるが、悪い人は一切出てこない。その点だけでも非現実的でファンタジーなのかもしれないが、たまにはこういう映画も良い。ママはつぎつぎと3人のイケメンたちと関係を持つことになるわけだが、そこにイヤらしさはなく、成り行き上、避けられずそうなってしまったのであり、別れもまたしようがなかったと。

 そして家族の素晴らしさが前面に出されている。重要な会議や授賞式を抜け出してまで、家族が第一だと家に帰る男たち。理想はそうでも、実際にこうすることは難しいと思うが、日本よりは欧米の方が家族を大事にしているのは明らか。行方の知れなかったばあさんまで駆けつける。さらに、友達は良いなあと。いつでも遠くから駆けつけて、一緒に騒いでくれる。親身に話を聞いて、一緒に泣いてくれる。それが親友の娘であっても。血よりも濃い絆。それは地主というか大家のおばちゃんも同じ。みんな良い関係。すばらしい!

 何と言っても素晴らしいのは、全編にアバの曲が使われていて、しかも使われるタイミングが完璧なこと。詞の内容がピッタリとはまっている。まさか替え歌じゃないよなあ。オリジナルのままだと思うんだけど。高齢世代は全曲知っているはず。体が勝手にリズムを刻んで、思わず歌ってしまいそうに。これ、歌えるイベント上映をやったら大盛り上がりするんじゃないだろうか。何より、キャストも高齢者たちが光っている。西の魔女と呼ばれているばあば役のシェールだって、70歳を過ぎているが素晴らしい声で歌っているし、スゴイ迫力。

 技術的にも素晴らしい。場面のつながり、過去と現在がシームレスに絶妙につながっている。スーツケースを追ってパンすると空港からパリへと背景が入れ替わるとか、風景が絵になって今の壁に掛かっているとか、とにかく技巧が凝らされている。魔法のような世界観。

 ラストはミュージカルお約束の、全キャストそろっての大団円は超豪華で楽しい。亡くなったママ役のメリル・ストリープも現れて歌って踊るし、若い時と現在の主要なキャストが一緒に踊る。花火も上がって、なんて贅沢なんだろう。映画ならでは。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は20分前くらいに開場。観客層は中年層が多かった。若い層と高齢者は少なめ。男女比は、最初は半々だったが、ギリギリに来る女性が多く、4対6くらいで女性が多くなった。しかも女性の方が若い傾向。だいたい映画はその傾向があるが。

 最終的に407席に8.5割ほどの入り。なかなか素晴らしい。10席×2列あったプレミアム席は、若い女性も含め、6席ほど埋まった。

 マナーのあと、映画泥棒が流れて本編へ。


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