2018年9月16日(日)「プーと大人になった僕」

CHRISTOPHER ROBIN・2018・米・1時間44分

日本語字幕:手描き風書体下、佐藤恵子/シネスコ・サイズ(2.39、レンズ、35mm・65mmフィルム、Arri、Panavision)/音響不明(IMDbではドルビー・デジタル、ドルビー7.1サラウンド)

(米PG指定)(日本語吹替版もあり)

監督:マーク・フォースター
脚本:アレックス・ロス・ペリー、
   トム・マッカーシー、
   アリソン・シュローダー
撮影:マティアス・クーニクスヴィーザー
出演:ユアン・マクレガー、
   ヘイリー・アトウェル、
   ブロンテ・カーマイケル、
   マーク・ゲイティス、ほか

公式サイト
https://www.disney.co.jp/movie/pooh-boku.html
(全国の劇場リストもあり)

クリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)は裕福な家庭に生まれ、幼い頃は「100エーカーの森」で、くまのプーや愉快な仲間達と遊んでいたが、やがて寄宿学校に入れられ、仲間達と別れることになる。しかし、しばらくして父が亡くなり、クリストファーが家族を支えて行かなければならなくなる。大学へ進学したクリストファーはイヴリン(ヘイリー・アトウェル)と出会い、結婚する。そしてイヴリンが妊娠するものの、第二次世界大戦が始まり、クリストファーは出征してしまう。イヴリンは娘のマデリン(ブロンテ・カーマイケル)を出産、戦争が終わるとクリストファーは無事帰国を果たす。クリストファーは娘が良い学校に行けるよう厳しく育て、家族を養うために仕事優先で働きづめ。次第に家族とのコミュニケーションが減ってくる。そんな時、会社の社長から土日で20パーセントの経費節減案を出すように命じられる。妻と娘が家族旅行に出る中、ひとり企画書作りに励むクリストファーは行き詰まり、公園のベンチで一息つく。そこにくまのプーが「100エーカーの森」を抜け、いなくなった仲間を探して欲しいとお願いにやって来る。


80点

前へ一覧へ次へ
 感動の物語。やさしい大人のおとぎ話。最後は「おしまい」で閉じる。ちゃんとThe Endと出る。これは最近では珍しいこと。ぬいぐるみ達はリアルで、本当にそこにいて、生きているみたい。大笑いはしないが、眉毛もないのにちゃんと微笑み、それがまたかわいい。凄い技術。ぬいぐるみのキャラクター達はみなチャーミング。そしてちょっと雰囲気が変わるイギリス英語。

 そして、夢でしたとか、主人公の想像の世界でしたという話にせず、「実在しました」というスタンスで真っ向から描いている。しかもこれを陳腐なファンタジーにせず、リアルな話としてまとめた。

 話のスケールは小さい。2日ほどの家庭内のお話。そして会社もからんではいるが、基本的に頭の中だけでも済むような。それでも、予告の段階からテーマが真髄を突いているので、始まってすぐ悲しくなってくる。家族のために働かなければならないけれど、働けば働くほど家族と一緒にいられなくなってしまう。どうすればいいのか。もし仕事をクビになったら、家族全員が路頭に迷うことになる。家族が第一とわかっていても、そうできるのか。映画のようにしたいけれど、現実問題ではできない。だから悲しい。笑えるポイントもいっぱいあるのに、それがあるから、笑えない。そこは残念。それでも、日本よりは欧米のほうがずっと家庭を大事にしているわけだが……。

 心に染みるセリフも多い。しかもすべてシンプルで、真髄を突いている気がする。「ボクは何もしないを毎日やっている」「何もしないは最高の何かを生む」などなど。

 銃は、戦場のシーンでイギリス軍のリー・エンフィールド・ライフルが登場。腰にはエンフィールド・リボルバーが入っているらしいホルスター。

 公開3日目の字幕版初回、新宿の劇場は全席指定で、2日半前にムビチケカードで確保。当日は17〜18分前くらいに開場。若い女性から男性の中高年といった感じで、年齢層は幅広かったが、女性が多かった。たぶん3対7くらいで女性。580席の6割くらいが埋まった。もっと入ってもいい気がするが、ちょっと地味か。

 スクリーンはシネスコで開いていて、CM・予告の後、映写機のマスクが左右に広がって、暗くなってマナーがあって本編へ。


前へ一覧へ次へ