日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(2.35、デジタル、ARRI、Panavision)/音声表記なし(IMDbでもなし)
(米R指定、日R15+指定)
監督・脚本:デヴィッド・ロバート・ミッチェル 撮影:マイケル・ジオラキス 出演:アンドリュー・ガーフィールド、 ライリー・キーオ、 パトリック・フィスクラー、ほか |
犬殺しが出没するロサンゼルスのシルバーレイクで暮らす若者、プータローのサム(アンドリュー・ガーフィールド)は家賃滞納で、大家(レックス・リン)から追いだすと宣告されている。そんなある日、同じアパートに住む犬好きの美女、サラ(ライリー・キーオ)に一目ぼれし接近するが、翌朝、部屋はもの抜けのからとなっている。大家は引っ越したというものの、事件性を感じたサムは部屋に侵入し、壁に奇妙な記号を発見する。すると、そこへ1人の女(ゾージャ・マメット)が現れ、かろうじて残っていた小箱を持ち去る。サムはそのまま彼女を尾行するが……。
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正直、良くわからなかった。何が言いたかったのか。しかも長い。そしてスタイリッシュというよりは、思わせぶりという気がした。話としては残念なSF「ダウンサイズ」(Downsizing・2017・米/ノルウェー)に近い。ただ笑えないコメディではなく、ヒッチコック・タッチのミステリー風の味付けをしたと。多分に「めまい」(Vertigo・1958・米)的だったり、「裏窓」(Rear Window・1954・米)的だったり、する。音楽も大げさなほどのヒッチコック・ミステリー・タッチ。でも、そうじゃない、トンデモ作品。 「ヒッチコック」+「リンチ」の融合という声もあるようだが、確かにそんな味付け。ただし、ほとんど悪夢のような感じ。ウンコやゲロ、潰された顔面などをアップにする気持ち悪さと、過激なエロと、殴る蹴るの強烈なヴァイオレンスのごった煮。たくさんの鮮やかな娼婦達。男性性器も絵はもろに。ボカシも数ヵ所あったし。エロ・グロ・暴力。生理的に厳しい。人によっては夢に見るかも。 やたらに犬のモチーフがあったり、女性3人組がいたり、たぶん「第七天国」(7th Heaven・1927・米)の女優ジャネット・ゲイナーも意味あり気にフィーチャーされたりとフリがあるのに、何のウケもない。ヒッチコックの墓まで出てくる! しかしそれらはやりっぱなし。ただの模様か? 映像にちりばめられたたくさんの記号的なものは、何か意味がある伏線なのではないかと思ったのだが、違った。意味はなかった。本作で描かれているように陰謀論者にとっては何でも暗号ということか。 ある意味、精神を病んでいる人の頭の中をそのまま映像化したような、そんな印象。 銃はミュージシャンがS&Wのステンレス製.44マグナム、M629らしい4インチか6インチと、キンバーのたぶんウルトラ・ラプターIIを使う。そしてサムはこのキンバーを持って行く。 公開3日目の平日初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にムビチケカードで確保。当日は10分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで割と幅広かった。平日だから、学生とサラリーマンと、リタイアした人たちだろうか。月曜が定休の床屋さんとかもいたのかも。女性は10人の内2人くらい。最終的には251席に50人いたかどうか。平日の、それも初回ならこんなものか。逆に良い方なのかも。 スクリーンはビスタで開いていて、CM・予告のあと、スクリーンが左右に広がってシネスコ・サイズに。そして映画泥棒があって、暗くなって本編へ。 この劇場はアニメ劇場かというくらいアニメ率が高いですが、やっぱり人が入るということなんでしょう。それにしても、CM・予告でケータイを消してとやっているときに、ケータイをライト代わりに入ってくるんだからなあ。いじってるヤツもまだいるし。そして終わったと思ったらすぐ点けるし。廊下に出てから点けても遅くはないだろうに。 |