2018年10月20日(土)「ルイスと不思議の時計」

THE HOUSE WITH A CLOCK IN ITS WALLS・2018・米・1時間45分

日本語字幕:手描き風書体下、稲田嵯裕里/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、ARRI)/ドルビー・デジタル(IMDbではdts:X、ドルビーATMOS、Auro 11.1、IMAX 6-Trackも)

(米PG指定)(日本語吹替版もあり)

監督:イーライ・ロス
原作:「ルイスと不思議の時計」
   ジョン・ベアーズ著、三辺律子訳(静山社刊)
脚本:エリック・クリプキ
撮影:ローヒエ・ストファース
出演:ジャック・ブラック、
   ケイト・ブランシェット、
   オーウェン・ヴァカーロ、ほか

公式サイト
https://lewis-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

1955年、両親を事故で失ってしまった10歳の少年ルイス・バーナヴェルト(オーウェン・ヴァカーロ)は、母親の兄であるジョナサン・バーナヴェルト(ジャック・ブラック)に引き取られることになり、ミシガン州のニューゼベディにやってくる。そのお屋敷は古くて立派なものながら、人々からは殺人事件があった呪われた家と思われていた。時計だらけのそのお屋敷では、ステンドグラスが変わったり、椅子が動いたりと奇妙なことがよく起こり、ルイスは不安を感じていたが、ある日、ルイスが二流の魔術師で、隣人のフローレンス・ツィマーマン夫人(ケイト・ブランシェット)は一流の魔術師であることが判明する。


73点

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 もっとファンタジーかと思ったら、意外とホラー寄り。基本、子供向けのファンタジーではあるのだが、この出来事は第三者から見たら不気味で怖くて、ホラーだろうと。だから怖く撮ると、そんな感じ。

 強引で都合のいい展開ではあるが、なかなか面白く、ホラーっぽくしたことで、緊張感を持って最後まで見ることができる。そして、主人公のルイス少年もかわいいけれど、何より魔術師のジョナサン叔父さんと、その親友の女魔術師フローレンスのキャラクターが良い。ジャック・ブラックはキリッとしていてハンサムだし、ケイト・ブランシェットはもうすぐ50歳とは思えないほど若々しくきれいで品がある。2人ともめちゃくちゃ魅力的。そしてお互い親友と呼びながら、罵倒し合っている。酷い悪口。それでいてプラトニック。その関係性が良い。

 主人公の少年が、しちゃダメと言われたことをやって事件が起きるわけだが、怒るジョナサンにフローレンスは「過ちを犯すのは子供の権利。見捨てるの? 子育ては24時間不安よ。それが親よ」と言い、ジョナサンは考え直すと。良いエピソード。

 監督はイーライ・ロス。残念な「キャビン・フィーバー」(Cabin Fever・2002・米)を撮った人だが、その後、限定で公開された「ホステル」(Hostel・2005・米/独/チェコほか)なども撮っていて、どちらもスプラッター系の残酷表現が特徴。しかし今回は子供も見られるようなファンタジー。たしかにカボチャが襲いかかってきて破裂して顔なんかにかかるシーンはスプラッターな雰囲気がしたが、本来の線とはだいぶ違う。そして名優のジャック・ブラックとケイト・ブランシェットが出ている。監督に何かあったのだろうか。そして最新作「デス・ウィッシュ」(Death Wish・2018・米)はどうなっているのか。今度はアクションだ。気になる。

 驚いたのは、カイル・マクラクラン。衝撃作「ブルー・ベルベット」(Blue Velvet・1986・米)や、驚きSF「ヒドゥン」(The Hidden・1987・米)、そしてTVの大ヒット作「ツイン・ピークス」(Twin Peaks・1990〜1991・米)の人。最近は見かけなかったので、ずいぶん歳を取ったなあと。

 公開9日目の初回、といっても思ったより入りが悪かったのか、お昼近いスタート。スクリーンも小さいし。2日前にムビチケカードで確保し、当日は20分前くらいに会場。着いた時点で、残席わずかの黄色表示は次の回のみ。あらら。観客層は中高年がメインで、高齢者が多い印象。若くても30代という感じ。最初12人ほどいて女性は5人。その後若い女性が増えて、男女比は4対6くらいへ逆転。最終的には122席に5.5割くらいの入り。うむむ。

 CM・予告からマナーのあと、暗くなって映写機のマスクが左右に広がり、映画泥棒から本編へ。なんと古いユニバーサルのロゴからスタート。バンアレン帯みたいなものに包まれた地球と。画質も粗くて古い感じ。そしてカチカチという音。


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