日本語字幕:丸ゴシック体下、小森亜貴子/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、ARRI)/ドルビー・デジタル(IMDbでも表記無し)
(米R指定)
監督・脚本:クリスチャン・グーデガスト 撮影:テリー・ステイシー 出演:ジェラルド・バトラー、 パブロ・シュレイバー、 オシェア・ジャクソン・Jr、 カーティス・“50 Cent”・ジャクソン、ほか |
銀行強盗が世界で最も頻発するロサンゼルスで、銀行の現金輸送車がマスクの一団に襲われ奪われる。すぐに、ニック・オブライエン(ジェラルド・バトラー)率いるロサンゼルス郡保安局の重犯罪特捜班が捜査に当たると、8日前に釈放されたレイ・メリーメン(パブロ・シュレイバー)が関わっているらしいと判明。現金輸送車は銀行へ行く前で空だったため、ニック達はまず彼の手下のバーテンダー、ドニー・ウィルソン(オシェア・ジャクソン・Jr.)をさらうと、痛めつけ脅して、メリーメンが何をたくらんでいるのか白状させようとする。
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こう来たか! てっきり警察と犯罪者の戦いを描いたシンプルなアクションだと思っていた。ジェラルド・バトラーだし、B級の匂いがプンプンしていたし。ところが、フタを開けて見ると、ダマしダマされの予想の付かない展開。ラストには大どんでん返しが! 面白かった。 ただ、雰囲気としては「ヒート」(Heat・1995・米)にちょっと似ている感じ。そこに相手への尊敬とか友情のような感情は存在しないけれど。ラストの銃撃戦は圧巻。車の陰からマシンガンを撃ったりしてるし。だいたい銃声が最初からリアルで大きく、暴力的。空薬莢がボンネットに次々とまき散らされる。 しかもプロらしいタクティカルの基本に乗っ取った銃の取り扱いが見事。マガジン・チェンジ、左右のスイッチ、カービンからハンドガンへのトランジッション、片手でのマガジン・チェンジ、リロードなどなど。素晴らしい。手を撃たれて、スライドを操作する時、スリング・ショット・メソッドで手が滑るところなんかもリアル。移動時は「ムービング」と声をかけて、「ムーブ!」で動く。まさにタクティカルの基本。 ただ1つ残念だったのは、メインのキャラクターであるニック・オブライエンが悪過ぎ。悪徳警官ではないが、家庭を顧みず、手当たり次第に悪態をつき、捜査のためなら犯罪を犯すことさえいとわない感じ。ちっとも好きになれない。というか、むしろ引くほど。これは付いて行けない。犯人達よりずっと性悪。どっちが犯罪者かわからないほど。離婚問題もかわいそうに思えない。これは問題だろう。ここまでやる必要なんてまったくなかったのでは。 それにしてもヒゲ男、多すぎ。タバコをガンガン吸っているのも、いまどきなあ…… タイトルの「DEN OF THIEVES=盗っ人の巣窟」はエンディングで、意外なところで発見される。本当にここに書かれているの? 確認したくなる。 銃は、強盗団がAKやM4、HK416などで武装。重犯罪特捜班はM4だが、ニックだけSCARを使用。刑事の1人はシルバーの1911オート。刑事達の部屋の壁にはグロックのポスター。ニックは何とFNオート(FNSかと思ったらハンマーがあったのでFNX。しかもドット・サイトが載り、サプレッサー取り付け可能な長いバレルを装備したもの。imfdbによると.45口径らしい)。S&WのM&Pも使っていたような。刑事1人は1911カスタムを持っていたと思う。渋滞での銃撃戦ではメリーメンがミニミを使用。ラスト、メリーメンはHK416を捨ててP226で戦う。またハンドガンをカービンにするCAA Tactical RONIも使われていた。 監督は、ジェラルド・バトラーが主演した「エンド・オブ・ホワイトハウス」の続編「エンド・オブ・キングダム」(London Has Fallen・2016・英/ブルガリア/米)の脚本を手掛けた1人のクリスチャン・グーデガスト。なるほど、それで本作でジェラルド・バトラーが出て、プロデューサーまでやっているのか。本作は監督デビュー作になるらしい。しかも製作総指揮も担当。今後が楽しみ。 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、オンライン券で2日前に確保。当日は11〜1分前に開場。観客層は若い人から中高年まで割りと幅広かったが、やっぱりメインは中高年というか、むしろ老寄り。最終的には137席に8割くらいの入り。女性は2〜3人。 スクリーンはビスタで開いており、CM・予告のあと、スクリーンの上下が狭まって小さくなってシネスコ・サイズに。そして暗くなって、映画泥棒。そして本編へ。 |