2018年10月28日(日)「デス・ウィッシュ」

DEATH WISH・2018・米・1時間47分

日本語字幕:丸ゴシック体下、種市讓二/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、ALEXA)/ドルビー・サラウンド7.1

(米R指定、日R15+指定)

監督:イーライ・ロス
原作:『狼よさらば』(早川書房刊)ブライアン・ガーフィールド
オリジナル脚本:ウェンデル・メイズ、映画「狼よさらば」(Death Wish・1974・米)
脚本:ジョー・カーナハン
撮影:ローヒエ・ストファース
出演:ブルース・ウィリス、
   ヴィンセント・ドノフリオ、
   エリザベス・シュー、ほか

公式サイト
http://deathwish.jp
(全国の劇場リストもあり)

アメリカ、犯罪多発都市シカゴで、ERのドクターとして勤めるポール・カージー(ブルース・ウィリス)は、夜勤の日、自宅を襲われて妻ルーシー(エリザベス・シュー)を失い、娘のジョーダン(カミラ・モローネ)も重傷を負って昏睡状態となる。すぐにレインズ刑事(ディーン・ノレス)とジャクソン刑事(キンバリー・エリス)が捜査を始めるが、抱えている事件が多いこともあり、何週間か経ってもまったく手掛かりをつかめなかった。そんな時、ポールはたまたま急患で運ばれてきた男の懐から落ちた拳銃を持ち帰り、ネットで撃ち方や手入れ法を調べると、それを手に危険な夜の街へと出て行く。


75点

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 強烈な映画。かなりえげつない暴力表現だが、悪党も徹底的に悪いので、主人公が必要以上に悪いようには見えない。これはアメリカでは難しい問題だろう。自分と家族の安全は暴力を使ってでも守るべきなのか、警察官たちに任せるべきなのか。しかし、悪党をやっつけるヒーローの姿は、確かに痛快で、スッキリする。暴力を直接的にリアルに描きながら、後味はそれほど悪くない。オリジナルの映画から40年以上経っても、まだホットな話題のままというのもショック。

 本作は、復讐を描きながらも、同時に様々な側面も描いている。日本と事情が違うのは、誰でも比較的容易に銃を手に入れられることと、特に田舎では警察を呼んでもすぐに来ないということ。仮にすぐに駆けつけてくれても、本作のように、たくさんの事件が起こるために1つ1つにあまり時間をかけられないということ。だから自警団(ビジランテ)が生まれるが、その自警団にも被害が出たりする。実に難しい問題。そしてさらに描かれているように、もし間違った判断で罪のない人に暴力を働いてしまったらどうするのか。たくさんの問題をはらんでいる。

 残酷表現は「ルイスと不思議の時計」(The House with a Clock in Its Walls・2018・米)でも書いたが、イーライ・ロス監督ならではだろう。大量の出血や、足をナイフで切り裂くとか、頭が潰れるとか、相当強烈。R15+指定は伊達ではない。銃声も大きく、怖くて、暴力的だ。

 こうしたいと思う人は多いかも。でも普通はできない。それを映画はやってくれる。

 銃は、最初の強盗がPPKらしいオート(コピー銃とか)とS&Wのシルバーのハンマーレス・リボルバー、M640系が使われている。主人公ポールの父は牧場でマーリン・レバー・アクションを使う。銃砲店では劇中F1と呼ぶM4系の6.5インチ・ピストルと10インチのショート・カービン(BDR-15)をベサニーという女性店員が勧めてくる。結局ポールは犯罪者が落としたグロックをくすねて使いう。中盤、黒人女性を襲う強盗はPPK。アイスクリーム屋は1911オート。トレボル酒店ではS&WのM686っぽいシルバーのリボルバーと、ベレッタ92シルバー。改めてポールが銃砲店で購入するハンドガンがスプリングフィールドのXDM。敵はスコーピオンEvo3を使う。

 公開10日目、客の入りが悪かったのか、初回でも12時のスタート。劇場に着いた時点で次の2回目のみ残席わずかの黄色表示。うむむ。2日前にムビチケカードで確保し、当日は11〜12分前に開場。観客層は若い人から中高年まで割と幅広かったが、もちろんメインは中高年。シニア割引が使える人たちか。女性はだいたい1/3くらい。ケータイがあちこちで光っていた。最終的には117席がほぼすべて埋まった。キャパが少ないからなあ……。

 CM・予告の後、映写機のマスクが左右に広がって、フルサイズになってから映画泥棒があり、本編へ。


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