日本語字幕:手描き風書体下、石田泰子/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Red Epic Dragon)/音響表記なし
(英PG指定)
監督:デヴィッド・カー 脚本:ウィリアム・デイヴィス 撮影:フロリアン・ホーフマイスター 出演:ローワン・アトキンソン、 オルガ・キュリレンコ、 エマ・トンプソン、ほか |
G12の開催を控えたイギリスで、サイバー・アタックにより、MI-7のエージェント全員の情報が流出してしまう。この事態に対処するため引退したエージェントたちが呼び出される。しかし爆発事故で最悪のジョニー・イングリッシュ(ローワン・アトキンソン)のみが生き残り、助手のポフ(ベン・ミラー)を付けて任務に投入されることになる。2人はさっそく脅迫メールの発信場所をたどり、南フランスのホテルへと向かうが……。
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面白かった。基本、主人公はおバカキャラで、迷惑キャラだから、微妙な線でイラつかされたり、腹が立ったりするが、ちゃんと笑えた。若干やり過ぎ、トゥー・マッチでレストランのシーンなどほとんど意味がなく、許しがたいものがあったが、全体としては笑えるレベルで、何よりちゃんとスパイ映画になっているところがイイ。007のようなスパイ・アクションになっている。ひょっとしたらシリーズ3作中で一番面白いかも。音楽はまさにスパイ映画のそれ(やや大げさだが)。 基本、全員真面目な顔をしていて、ふざけようというキャラはいない。だれも笑っていないし、まじめ顔。唯一、主人公のみがヘタレのイラつかせキャラ。「Mr.ビーン」ほど酷くはないものの、ショート・ショート的にTVで笑わせるのと、ストーリーのある劇場長編映画で笑わせるのは違うということだろう。主人公について行けなくなると、最後まで見てもらえない。その辺のバランスが、本作はギリギリ成立しているかなと。 主人公のジョニー・イングリッシュがダメなキャラなので、サポート役のまともな男がサポートに付く。その2人の掛け合いが、また笑わせることになっている。敵もちゃんと真面目で怖い。謎の美女も登場する。豪華なクルーザーとか、たくさんの秘密兵器、ガジェットも登場する。そして、ハイテクを駆使する敵だから、ハイテク機器を持つよりアナクロな、アナログ機器を持つと有利だというのも面白い。だから携帯電話も使わず、電気自動車ではなくガソリン車にこだわり、酷い目に遭う。ハイテクもロウテクも、どちらも笑い飛ばす。 主演のローワン・アトキンソンは1955年生まれというから今年で63歳。まだまだ、このくらいのアクション映画なら行けるだろう。期待したい。ただ、シリーズ前作「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」から7年というのはちょっと長い感じがするけど……。 引退したMI-7のスパイ役で、「ジャッカルの日」(The Day of the Jackal・1973・英/仏)のエドワード・フォックスがカメオ的に出ている。久しぶりに見た。おじいちゃんになったなあ。 銃は、ジョニー・イングリッシュがPPK(PPK/S?)シルバーにサイレンサーとグロック。警備兵はMP5を装備。謎の女オフィーリアがP232、悪党たちは3Dプリンターで出力したという設定の透明なHK45風の樹脂銃(imfdbではベレッタ92風)を使用。 公開2日目の初回、日比谷の劇場は全席指定で、2日前にオンラインで確保。当日、ビル全体が開いていない中、劇場にたどり着くまでがわかりにくく苦労したが、どうにか着いてチケットを出力して、トイレに行って来たらまもなくオープン。15分前くらいだったろうか。観客はほぼ中高年、むしろ高寄りか。「Mr.ビーン」は1990〜1995年だから、ビーン・ファンは高齢なのだろう。最初15〜16人いて、女性は3人ほど。ほぼそんな比率で、最終的には151席に6.5割ほどの入り。キャパが小さいので、これは少ないか……。 CM・予告の後、マナーがあり、映写機のマスクが左右に広がって、映画泥棒のあと暗くなって本編へ。 |