2018年11月11日(日)「ボヘミアン・ラプソディ」

BOHEMIAN RHAPSODY・2018・英/米・2時間15分(IMDbでは134分)

字幕監修:増田勇一/日本語字幕:丸ゴシック体下、風間綾平/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Arri ALEXA、IMAX、ドルビーVISION)/ドルビーATMOS

(英12A指定、米PG-13指定)(応援上映、Atmos上映、4D上映、IMAX版もあり)

監督:ブライアン・シンガー
脚本:アンソニー・マクカーテン
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
出演:ラミ・マレック、
   ルーシー・ボーイントン、
   グウィリム・リー、
   ベン・ハーディ、
   ジョセフ・マッゼロ、ほか

公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/bohemianrhapsody/
(全国の劇場リストもあり)

1970年、ロンドン。移民の息子、空港職員のファルーク・バルサラ(ラミ・マレック)は、仕事が終わってからライブ・ハウスに行き、出演していた学生バンド「スマイル」のメンバーになりたいと申し出る。ちょうどヴォーカルが辞め、存続の危機にあったメンバーは彼を受け入れる。やがて徐々に頭角を現してきたバンドは、メンバーの車を売って自費でアルバムを出そうとし、バンド名もクイーンに変更する。


76点

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 すごい、圧倒された。これは音楽映画ではあるのだけれど、ひとの人生というか、生き様を見てしまったような印象。正確にはバンドの始まりから終演までということになるのだろうが、なんだか人の生から死までを見てしまったように感じた。重くて、悲しい。

 そして、たくさんのクイーンの曲。たぶんほとんどの曲が、誰もがどこかで聞いたことがあるというものばかり。曲としては知っているものの(アルバムも持っているのに)、ボクは英語の歌詞の意味をほとんど知らなかったので、こんなに悲しいものだったことがものすごくショックだった。特にフレディ・マーキュリーの半生と重ね合わさると、その感が強くなる。泣きそうになった。

 使われている曲は、たぶんわざとだと思うが、ピークのライヴ・エイドの演奏まで、完全には流れない。良いところで終わる。だからライヴ・エイドはそれだけで感動的。しっかり聞ける。そしてあらためてクイーンの曲を聴きたくなる。うまいなあ。

 キャストはみな雰囲気が本人に良く似ていて、次第に本物のように見えてくる。特にフレディ・マーキュリー役のラミ・マレックがすごい。魂が乗り移ったよう。もう本人にしか見えない。とても「ナイトミュージアム」(Night at the Museum・2006・米/英)のエジプトの人とは思えない。ついでながら「ジュラシック・パーク」(Jurassic Park・1993・米)のティム少年を演じたジョセフ・マッゼロがメンバーの1人、ベースのジョン・ディーコンを演じているのも驚きだった。

 フレディ・マーキュリーは「パキ」(パキスタン人の蔑称?)と呼ばれていて、バンドを始めてから名前を変える。ついには姓まで変え、厳格な父はショックを受ける。斬新で偉大な楽曲の数々を生み出しながら、一方で歯が出ていることをとやかく言われ、そして大スターになって人々が周りに集まりちやほやされる生活になり、メンバーとの絆、仲たがい、彼女、パーティ、同性愛、ドラッグ、エイズ、死……。強烈すぎて受け止め切れない。時代を反映してタバコもスパスパ。

 全身全霊を込めた(そんな気持ちで歌ってたんだと驚愕)魂のステージのあと、エンドロールになると、ショウ・マスト・ゴー・オンの歌が流れる。(何があっても)ショウは続けなければならない、と。心に染みる。

 公開3日目の通常字幕の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日+5時間前にネットで確保。当日は17〜18分前くらいに開場。着いた時点でATMOS上映の1回目と2回目のみが白色表示で残席有り。他は、通常の字幕上映も、4D上映もすべて黄色の残席わずか。うむむ。

 観客層は若い人から中高年まで幅広く、やや中高年が多いかなという印象。男女比は4.5対5.5くらいで、ちょっと女性が多かった。10席×2列のプレミアム席は15席くらいが埋まり、全体では407席の9割ほどが埋まった。さすが話題作。今後も増えて行きそうだ。騒いでOKの応援上映もやるらしい。ボクは映画をじっくり見たいので理解しがたいが、楽しみたい人はこういうのが良いのだろう。

 CM・予告の後、マーナーがあって、暗くなって映画泥棒。そしてFOXのロゴが出て、エレキによるテーマの演奏からオープニングへ。


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