ビスタ・サイズ(デジタル、Arri ALEXA)/音響表記なし
監督:きうちかずひろ 脚本:ハセベバクシンオー、 きうちかずひろ 撮影:的場光生 出演:遠藤憲一、 岩井拳士朗、 白鳥玉季、 酒井伸泰、 要 潤、ほか |
日本最大の暴力団の最高幹部の側近だった矢能政男(やのまさお、遠藤憲一)は足を洗い、ある探偵の跡を継ぎ、訳ありの小学2年生の少女、栞(しおり、白鳥玉季)を預かり、一緒に探偵事務所をやっている。ある日、六本木の工藤チャンの紹介という男から、取引の現場に立ち会って欲しいという電話が入る。ところが現場に向かうと、依頼者が撃たれて死んでおり、いきなりマスクの男(岩井拳士朗)に倒され拳銃のマガジンに指紋を付けさせられると、しゃべればこの銃が証拠として出てくることになると言い残して去る。
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ヤクザ系のヴァイオレンス作品だと思って、ちょっと覚悟して行ったのだが、もっとハードボイルド的で、展開が読めないミステリー的で、笑いの多い作品だった。楽しめた。おもしろい。 雰囲気としては、『泥濘』の黒川博行のような感じも。リアルな(と感じさせる)ヤクザ像が怖い。そして、それを逆手に取ったギャグが面白く、ちゃんと笑わせる。これがあるだけで単なるヤクザ映画、探偵映画ではないと感じさせる。そこに大人びた小学生の少女が関わってきて、さらに奥行きが出ている。これは漫画『ブラック・ジャック』のピノコ的な感じだろうか。 とにかく主演の遠藤憲一が良い。キャラクターにピッタリはまっている。乱暴者なのに優しいというミスマッチ。良い味出してる。平気で人を撃ったりするくせに、それでいて、小学生の少女には頭が上がらない。時に凶悪な奴らとも渡り合わなければならない探偵は、ハッタリだけであっても、このヤクザの幹部上がりのような男でなければ務まらないこともあるだろう。これは探偵ものとして、シリーズ化されても良いのではないだろうか。 結構タバコを吸ってたなあ。ハードボイルドのイメージだろうか。まあヤクザにしても、あまり健康に気を使っていても、ぽくないしなあ。 銃は、まずワルサーPP型が2挺。少なくとも1挺は、ディコッキング・レバーのような独立したスライド・ストップらしきものが付いていたので、韓国のPPコピー、デーウーDH380だったかもしれない。また主人公の矢野が隠している銃の中に1911やベレッタのポケット系があり、そのポケット(ミンクス?)を道場で撃つ。銃器特殊効果はビッグショット。 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、ネットから2日前に確保。予告不足か、当日は着いた時点で本作のみが全回白表示。他の作品はすべて赤の満席か、黄色の残席わずか表示。うむむ。15分前くらいに開場。観客はほぼオヤジで、最初25人くらいいて、女性は3人ほど。老人が多い。シニアは当日券で1,100円だし。最終的には88席に6.5割くらいの入り。坊主・短髪が多かったような……気のせいか? マナーがあって、やってる間にもケータイを使っているヤツがいて、まったく効果無いのではと思わされる。それから暗くなって、映画泥棒があって、本編へ。 |