2018年11月19日(月)「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」

SICARIO: DAY OF THE SOLDADO・2018・米・2時間02分(IMDbでは134分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Panavision、IMDbではArri ALEXA)/ドルビー・デジタル(IMDbではドルビー・サラウンド7.1も)

(米R指定、日PG12指定)

監督:ステファノ・ソッリマ
脚本:テイラー・シェリダン
撮影:ダリウス・ウォルスキー
出演:ベニチオ・デル・トロ、
   ジョシュ・ブローリン、
   イザベラ・モナー、
   ジェフリー・ドノヴァン、
   イライジャ・ロドリゲス、ほか

公式サイト
https://border-line.jp
(全国の劇場リストもあり)

メキシコとアメリカの国境で不法入国者の自爆テロが発生する。そして次にカンザス州のスーパーで複数人の同時自爆テロが発生し、子供を含む15人が巻き込まれて死亡する。ジェームズ・ライリー国防長官(マシュー・モディーン)は、CIA副長官のシンシア・フォード(キャサリン・キーナー)を介して、特別捜査官マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)に、アメリカの仕業と悟られずにカルテル同士で潰し合いをさせる作戦の実行を命じる。マットはカルテルのボスの子供を誘拐し、敵対組織の仕業と思わせる作戦を立て、旧知のコロンビアの暗殺者アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)に、家族を殺された復讐ができると協力を求める。


78点

前へ一覧へ次へ
 怖い映画。これがメキシコとアメリカの国境で展開されている戦争なんだと、目の前に突きつけられる。もはや法律が通用しない世界。こんな恐ろしいことが起こっているとは、平和な日本にいるボクらには、にわかには信じがたい。腕や足が飛び、血が飛び散る。ぞっとする。

 しかも今、実際にトランプ大統領は国境に高い壁を作ろうとしているわけで、本作を見ると、こんなに密入国が日常化しているのなら、何か手を打たないと何も変わらないという気がしてくる。本作によれば、国境での一番の問題は、2年前まではコカインだったが、現在は密入国だという。完全にビジネスとなり、カルテルの収入源になっているという。

 この問題がテロと重なり、メキシコの麻薬カルテルと、カルテルの息が掛かった警察、そしてホームメイド・テロリストの問題までが関わってくる。一体、世の中どうなっているのか。これは映画だからちょっと大げさになっているのか、それとも現実が凄すぎてちょっと抑えているのか…… 政治はともかく、最前線で戦っている人たちは実際に存在する。政治が一歩間違うと、最前線は大変なことになる。そこまで描かれている。

 銃は、ソマリアでは民兵のようなやつらがAKS-47、特殊部隊のスナイパーはサプレッサー付きライフル。銃声がバスンというようなリアルな音。ベニチオ・デル・トロが指を激しく前後させてフルオートにする(imfdbではバンプ・ファイアーとしているが、それは反動を利用する連射では……)のはベレッタ92。襲撃ではUMPを使う。ほかにSWオート、グロック、P226、MP5、M4、SCAR、G36C、FN MAGなども登場。

 1作目に登場したエミリー・ブラントが出ていなかったのは、ちょっと残念。それにしても、よくタバコ吸ってたなあ。監督はステファノ・ソッリマという人に交代。イタリア生まれの52歳。今後注目かも。

 公開4日目の平日、初回、新宿の劇場は全席指定で、ネットから2日前に確保。当日は11〜12分前に開場。観客層は若い人から中高年までいたが、やはりメインは中高年というか、高齢者が多かった。まるでどこかの老人会のイベントのよう。若い人は1〜2割くらいいたか。女性は数人。この内容だと女性はあまり見ないだろう。最終的には157席の9割ほどが埋まった。平日なので混まないと思っていたのだが、そんなことはなかった。月曜が定休の人たちか、定年後の人たちが混雑する日曜を避けて月曜にしたか? いずれにしても、驚いた。

 スクリーンはビスタで開いており、映写機の上下マスクで本編へ。これってスクリーン小さくない? レンズを使わず、スクリーンも大きくせず、シネスコって……。残念!


前へ一覧へ次へ