2018年11月24日(土)「ポリス・ストーリー/REBORN」

机器之血(BLEEDING STEEL)・2018・中/香・1時間49分

日本語字幕:丸ゴシック体下、岡田壮平/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Panavision、IMAX、4D、IMDbではArri ALEXA)/ドルビーAtmos(IMDbではdts、D-Cinema 48kHz 5.1も)

(香IIB指定、米R指定)

監督:レオ・チャン
製作総指揮:ジャッキー・チェン
脚本:レオ・チャン、
   エリカ・シアホウ、
   ツイ・シウェイ
撮影:トニー・チャン
出演:ジャッキー・チェン、
   ショウ・ルオ、
   オーヤン・ナナ、
   エリカ・シアホウ、ほか

公式サイト
http://policestory-reborn.com
(全国の劇場リストもあり)

近未来。手術中の幼い娘シーシーが危篤となり、病院に向かっていた刑事のリン(ジャッキー・チェン)は、人造人間を作り出したジェームズ博士(キム・ジンゲル)が襲撃されたため、途中で上司の命令により、現場へ急行する。どうにか博士は守ったものの、自身は重傷を負い、娘は亡くなってしまう。しかし博士の手術により娘は蘇ったものの、記憶は失ってしまっていた。13年後、シーシーはナンシー(オーヤン・ナナ)と名を変え、シドニーで大学に通っていた。そしてすぐ近くには密かに娘を見守るリンの姿があった。そして13年前の事件を描いた本が出版され、そこに博士が人造人間の秘密を手術した少女に埋め込んだと書かれていたことから、ナンシーは謎の組織に付け狙われることになる。リンは正体を隠し、娘を守ろうとするが、そこに謎のピンクの女が現れる。


71点

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 これは、本当に「ポリス・ストーリー」シリーズなんだろうか。原題にその文字は入ってないけど……。シリアスなポリス・アクションがこのシリーズだったのでは。これはもはやアクションを超えた、SFアクションになっている。ほとんど「G.I.ジョー」(G.I. Joe: The Rise of Cobra・2009・米/チェコ)の世界。敵のプロテクター的な衣装もよく似ている。そして登場するガジェットはスパイの秘密兵器を超えて、光線銃が当たり前?の世界。アクションは凄いけれど、現実世界だから生きてくるところがあって、本作だと特殊効果なのか、肉体アクションなのかわからない部分も。感動が薄れる。

 ストーリーの展開はご都合主義で、細かな部分には雑な所もあって、つまらなくはないのだが、心底楽しめない感じ。これは最近のジャッキー映画の傾向で、中国の影響が大きいような気がする。描けないテーマとか、描けない内容とか、描けないことがあるから、シリアスではなくコメディやSFにするしかなかったのではないかと、邪推もしたくなる。

 一方アクションは凄い。もうジャッキーはやらないんじゃなかっただろうか。それも中国からやれと言われたとか……。お約束のエンディングのNG集では、爆発のオイルか何かが目に入ったかでジャッキーが目を開けられなくなっているシーンや、女性警官役のエリカ・シアホウが冒頭の雨の中の爆破シーンで負傷し救急車で運ばれるシーンもあった。そういった献身的な映画への関わり方が、この映画をスゴイものにしているのだろう。ただ面白いかどうかは別。

 そして効果音とか音楽の音が大きく、トゲトゲしい。これは4DやATMOSがあるためだろうか。ちょっと強調しすぎでは? うるさい。車はすっかり三菱からアウディへ変わってしまった。ちょっとさみしい。

 銃は、警察の特殊部隊がM4、MP5、刑事たちがグロック。敵はSIGのSG552か553。ジャッキーはグロックのマガジン・チェンジもやってみせる。ジャッキーの武器庫にはバレット・ライフルまであり、後半はベレッタ92を使う。敵は衝撃波のようなものを打ち出すSF銃に。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は15分前くらいに開場。最初12〜13人いて、ほぼジイジ。中年層が2人ほど。オバサン1人。ほぼこの比率で最終的には122席に40人ほどの入り。もう若い人はジャッキーを知らないか。1作目の「ポリス・ストーリー/香港国際警察」は1985年だからなあ。

 CM・予告の後、マナーがあって暗くなり、映写機のマスクが左右に広がって、映画泥棒から本編へ。


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