ビスタ・サイズ(1.66、デジタル?)/表記なし(5.1chミックスと有り。ドルビー・デジタル?)
(日R15+指定)
監督:山下敦弘 プロデューサー:二木大介、根岸洋之、 山田孝之 原作:狩撫麻礼・作、いましろたかし・画 『ハード・コア 平成地獄ブラザーズ』 (ビームコミックス/KADOKAWA刊) 脚本:向井康介 撮影:高木風太 出演:山田孝之、荒川良々、 石橋けい、康すおん、 佐藤 健、ほか |
政治結社の一員として活動する権藤右近(ごんどううこん、山田孝之)は、同僚で親友の牛山(うしやま、荒川良々)と共に、週に1回、結社の会頭、金城銀次郎(かねしろぎんじろう、首くくり栲象)が解読したという古文書に基づき、山中での埋蔵金発掘の作業で生計を立てていた。そんなある日、牛山が勝手に住みついている廃屋工場の地下からロボットが発見される。いじっている内に動き出したそれに、牛山と右近はロボオと名付け、一緒に暮らし始めるが、コンピューターに詳しい右近の弟、左近(さこん、佐藤 健)に調べてもらうと、AIを搭載した高度な技術で作られたものであることが判明する。 |
うーむ、ベースがシリアスで、重い雰囲気が溢れるドラマなので、それに引っぱられてたくさんちりばめられた笑いがちっとも笑えない。悲惨で、重く、夢も希望もない感じ。絶望のちょっと手前。その中で唯一救いのようなエロは、SEX多めで、しかもじっくり描いている。その必要があったのかなあ。トゥー・マッチな印象。「ギャングース」(2018・日)に「銃」(2018・日)を加えたような感じも……。 原作を読んでいないのでわからないが、ベースがコミカルで明るい感じの中に、悲惨な事実や、シリアスなエロがあると、もっと伝わってきたのかなと。いわゆるコントラプンクト的な。ネガティヴの中のネガティヴだと、落ち込むものの、あまり心に刺さってこないし、残らない。 そして、ゲロとタバコも多め。タバコが多いのは、原作漫画の1991年から1993年という連載時期を反映したものだろうか。いまだとちょっと違和感がある。そしてSEX多めなら牛山くんにやらせてあげたかったなあ。原作とは違うことになるかもしれないけど。 本作は俳優の山田孝之と、盟友とされる監督の山下敦弘がともに原作のファンで、山田孝之がプロデューサーを務めることで実現したらしい。その山下敦弘監督は、実写版の「くりいむレモン」(2004・日)の脚本・監督を務めており、SEX多めはこの辺からかと。話題になった「松ヶ根乱射事件」(2006・日)や、「苦役列車」(2012・日)も手がけていて、ほかにTVで「深夜食堂」シリーズや、ビデオ作品の心霊ものも手がけるという多才ぶり。最近は山田孝之との作品が多いようだ。 銃は、政治結社の上官からグレネードと共に渡されるのが、旧タイプのローマン2インチ。包囲する警官はアップにならないので拳銃はわからなかったが、ニュー・ナンブかチーフだろう。わかったのはMP5。 公開16日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にオンラインで確保。当日は10分ほど前に開場。やはり中高年メインで、男女比は半々か1〜2人女性が少ないくらい。若い女性がちらほらいたが、若い男性はたぶんほぼいなかった。最終的に80席に11〜12人。2週目を過ぎるとこんなものだろうか。 スクリーンは1.66のビスタで開いており、CM・予告のあと暗くなってから映画泥棒があって、本編へ。 |