日本語字幕:手描き風書体下、古田由紀子/ビスタ・サイズ(1.85、デジタル、一部フィルム、Arri ALEXA、by Panavision、ドルビーVISION)/ドルビーATMOS
(米PG指定)(日本語吹替版もあり)
監督:ラッセ・ハルストレム 脚本:アシュリー・パウエル トム・マッカーシー 撮影:リヌス・サンドグレン 出演:マッケンジー・フォイ、 キーラ・ナイトレイ、 ヘレン・ミレン、 モーガン・フリーマン、ほか |
母親が亡くなり、家の屋根裏部屋に引きこもりがちなシュタウバウム家の次女クララ(マッケンジー・フォイ)は、母の遺言によりクリスマス・イヴに母からのプレゼントとして卵形のパズルのようなものをもらう。そこには母からのメッセージ「あなたに必要なものはすべてこの中にある」が添えられていたが、卵には錠が掛かっており、鍵はなかった。そしてその夜催される名付け親、からくりが大好きなドロッセルマイヤー(モーガン・フリーマン)のクリスマス・パーティーへ父や姉弟と出かけると、ドロッセルマイヤーは卵は自分がクララの母のために作ったもので、ピンタンブラー錠だと教えてくれる。そしてプレゼント・タイムがやってきて、招待客の子供たちに、ロープにつながったプレゼントが渡される。クララが自分の名の付いたロープをたどっていくと、奥のドアの先に雪の国があり、クリスマス・ツリーの森に迷い込んでしまう。
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ド定番のおとぎ話。おとぎの国に、お姫様に、お菓子の国に、雪の国に、悪い魔女的存在に、巨人、助けてくれる動物……などなど、おとぎ話によく出てくる要素をすべて盛り込んで、うまくまとめ上げた感じ。スケールも大きく、衣装もセットも豪華絢爛で、SFX(特殊効果)もふんだんに使われている。有名俳優も2人も出ているし、これからスターとなるだろう新ヒロインもいる。安心して見ることが出来る分、新鮮さとか、意外な展開とかはない。IMDbではわずかに5.6点だが、ボクは楽しめた。家族で見るのにイイと思うけどなあ。 たしかに出来すぎの感はある。詰め込んだ要素をすべて関連付けて活かすためだろう。基本、チャイコフスキーのバレエ作品がベースになっており、ねずみの王様、呪い、くるみ割り人形、雪の国、お菓子の国などはその要素。そして実際にバレエが劇中で使われており、さらには「ファンタジア」(Fantasia・1940・米)のイメージも使われている。「ファンタジア」でも「くるみ割り人形」は楽しいパートとのひとつだった。 4つの国を結ぶ宮殿は、まるでクレムリンのよう。クララの母がこの秘密の王国を作ったらしいが、何か意味があったのだろうか。 主人公のクララを演じたマッケンジー・フォイの可憐さがイイ。2000年生まれというから、今年18歳。クリストファー・ノーランのシリアスSF「インターステラー」(Interstellar・2014・米/英)で、主人公マシュー・マコノヒーの娘で科学者のジェシカ・ジャスティンの幼い頃を演じていた人。なかなか怖かったホラー「死霊館」(The Conjuring・2013・米)にも出ていたらしい。 監督は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」(Mitt liv som hund・1985・スウェーデン)や「サイダーハウス・ルール」(The Cider House Rules・1999・米)、「HACHI 約束の犬」(Hachi: A Dog's Tale・2009・英/米)などの傑作がずらりと並ぶ名匠ラッセ・ハルストレム。まあ最近はパッとしなかったかも。 公開10日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は10分ほど前に開場。若い人から中高年までいたが、意外と若い人が多かった。男女比は4対6くらいで女性の方が多かった。最終的には184席に7.5割くらいの入り。 CM・予告の後、Googleのスピーカーが出来て「OK、グーグル、明かりを消して」と言うと、場内の明かりが消えるニクい演出。ただ、その後に映画泥棒があって、せっかくのいい雰囲気がぶちこわし。映写機の左右マスクで本編へ。画面の締まりがイマイチだなあ。 |