2019年1月20日(日)「マイル22」

MILE 22・2018・米・1時間35分(IMDbでは94分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、伊原奈津子/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Panavision)/ドルビーATMOS

(米R指定、日R15+指定)

監督・脚本・製作:ピーター・バーグ
脚本:リー・カーペンター
撮影:ジャック・ジューフレ
出演:マーク・ウォールバーグ、
   ローレン・コーハン、
   サム・スノウ、
   ジョン・マルコヴィッチ、
   イコ・ウワイス、ほか

公式サイト
http://mile22.jp
(全国の劇場リストもあり)

その存在さえ機密とされているCIAの特殊部隊は、あらゆるネットワークに侵入して作戦の実行をサポートする「オーバー・ウォッチ」と連携して、犠牲者を出しながらもロシアの潜入チームを壊滅させる。16カ月後、新たなメンバーを加えたチームは、盗まれた核物質を追って、東南アジアのインドカー・シティのアメリカ大使館にいた。すると、核物質の隠し場所を知っているという警察官の男、リー・ノア(イコ・ウワイス)が、その場所のデータが入ったハードディスクを持って、大使館に現れる。リーダーのジェームズ・シルバ(マーク・ウォールバーグ)が対応すると、アメリカへの亡命と引き換えに、データーのロックを解くコードを教えるという。しかも8時間で自爆する仕掛け付き。するとインドカー政府の外務省の男が警察幹部アクセル(サム・メディナ)を連れてやってきて、リーを引き渡せと脅す。しかし大使が断ると、すぐに怪しげな一団が攻撃を仕掛けてくる。ジェームズは「オーバー・ウォッチ」の出動を要請し、チームと共にリーを連れて大使館を脱出する。


76点

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 面白かった。かなり怖い映画。いつ撃たれるかわからない恐怖。3つどもえで、主人公達はどんどん追い詰められて行く。弾がなくなり、車も壊れる、負傷はする、そして時間制限もある。ハラハラ、ドキドキが止まらない。ほぼ全編アクションで、銃撃戦。「ザ・レイド」(Serbuan maut・2011・イントネシア/仏/英)的でもある。違うのは、ヤクザではなくできる者たち、プロの戦いということ。

 だから特殊部隊的な犠牲心を発揮する場面も多い。お互いわかっているので、とくに言葉には出さない。その辺がまたリアル。基本は「ユー・ゴー、アイ・ゴー」、仲間をカバーし、見捨てず、諦めない。しかし、どうしようもないこともある。

 その銃声も暴力的で恐ろしい。女だって容赦しない。戦場に男女の区別はない。幼い子供がいる母であろうと、死は突然やって来る。怖い! そして、女優達もしっかりとトレーニングしているようで、体の動きに無駄がなく、切れがあって、銃の撃ち方がうまい。実弾を撃っているような雰囲気が出ている。隊員がやられると「KIA」(たぶんキル・イン・アクション=戦死)とリポートしている。

 銃撃シーンは良いのだが、格闘シーンは細切れにしすぎて、すごい技が分かりにくく、凄く見えない。これはもったいない。せっかくイコ・ウワイスが演じて、殺陣を担当しているのに。

 ラストは賛否ありそう。これは続編を作るということか。ボク的にはこの完成度なら、ぜひ続編も見たいけど。それもあってか、IMDbでは6.1点という評価。

 冒頭、アジア系(中華系?)プロダクションのロゴが出たが、IMDbの製作国はアメリカだけになっている。このへんはどうなっているのだろう。舞台がアジアなので当然だが、アジア系のキャストも多く、元韓国アイドル・グループ「2NE1」のCLも出ている。女性隊員アリスの夫役でケータイの動画で登場していたのは、たぶん監督のピーター・バーグ。

 銃は、リーダーのジェームズ・シルバがHK416とグロック。メンバーはだいたいグロックで、サプレッサーとフォアグリップ、ロング・マガジンをつけたパターンも登場。女性隊員はM4(imfdbではDDM4と)。ヒゲの隊員はSIGのMCXにマグプルのPマグ。アメリカ大使館の警護の兵士はM4。現地の兵士はAK。襲ってくるバイク軍団などの敵は、雑多な武器で、1911オート、ウージー、ブルッガー&トーメのMP9、AK、UMP、MP5K、MP5、H&K MP7、ミニミなどなど。グレネード・ランチャーはimfdbによるとFN MK13(EGLM)らしい。公式サイトによれば、ロケ地はアメリカのジョージア州アトランタとコロンビアのボゴタで行われ、プロップ・ガン50挺と4万発のブランクをアメリカからコロンビアまで面倒な手続きを踏んでわざわざ送っているらしい。

 ミリタリー・テック・アドバイザーは、IMDbによると元レンジャーのジャリコ・デンマン。コロンビアのキー・アーマラーはマイケル・パネヴィクス。「イコライザー」(The Equalizer・2014・米)や「マグニフィセント・セブン」(The Magnificent Seven・2016・米)、「ワイルド・スピードICE BREAK」(The Fate of the Furious・2017・中/米/日)、「ランペイジ 巨獣大乱闘」(Rampage・2018・米)などを手がけている人。なるほど納得。

 劇場で事前に流されていたメイキング映像を見ると、アクション・シーンではバッヂを付けた保安官のような人たちが俳優たちのそばで細かに指導していた。クレジットされていない人もたくさん協力しているようだ。もちろん主要キャストは基本操作などを学ぶブート・キャンプ的なものをやった上でのことだろう。DVDやBDのメイキングはかなり面白そうだ。アクション・シーンでは、パナビジョンの新作ラージフォーマットカメラ「Millennium DXL SK」7台と、Go Proやドローンも使われているという。

 一部を塗りつぶした実際の写真っぽいビジュアルなどを使ったタイトルはyUvd(だったかな?)。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は12〜13分前に開場。中高年の男性がメインで、女性は30人くらいいて5人ほど。最終的には148席に6.5割ほどの入り。あまり宣伝しておらず、公開館数も少ない中、健闘していた方ではないだろうか。

 スクリーンはビスタで開いており、CM・予告の後、マナーがあってほぼ暗くなり、スクリーンの上下が狭まって小さいシネスコ・サイズになると完全に暗くなって映画泥棒。それから本編へ。


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