2019年1月27日(日)「十二人の死にたい子どもたち」

2018・日本テレビ放送網/ワーナー・ブラザース映画/バップ/読売テレビ放送/文藝春秋/読売新聞社/KDDI/オフィスクレッシェンド/札幌テレビ放送/宮城テレビ放送/静岡第一テレビ/中京テレビ放送/広島テレビ放送/福岡放送・1時間58分(IMDbでは94分)

シネスコ・サイズ(表記なし)/音響表記なし(ドルビー・デジタル?)

(『UDCast』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド付き)
(一部日本語字幕版での上映もあり)

監督:堤 幸彦
原作:「十二人の死にたい子どもたち」(文春文庫)冲方丁
脚本:倉持 裕
撮影:斑目重友
出演:杉咲花、
   新田真剣佑、
   北村匠海、
   橋本環奈、ほか

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/shinitai12/
(全国の劇場リストもあり)

ネットで応募した12人の若者たちが、安楽死するため廃病院に集まってくる。ところが、会場となる地下の多目的ホールに用意されたベッドにはすでに1人の男の死体が置かれていた。誰か部外者が入り込んだのか、メンバーの誰かが部外者に漏らしたのか。いずれにしても、このまま自殺を実行すると、自分たちが死体の男を殺したと思われかねないということから、会議を開き、自殺は一旦中止して、謎を解くことにする。


75点

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 ミステリーも良かったが、それより12人の子どもというか、若者たちのキャラが立っていてリアル。1つの事件を中心にした群像劇として面白かった。これは原作が良くできていると言うことだろう。そして、さすがは「ケイゾク」シリーズや「トリック」シリーズの堤 幸彦監督ということか。やっぱり小道具の使い方が見事。

 キャラとしては立ちすぎていて、最初、いじめられっ子のケンイチや不良のセイゴ、上から目線の生意気アンリにはイライラさせられる。しかし後半になるとほとんど気にならなくなる。気になったのは、最初からベッドにいる男を「死人」と決めつけて、誰もそれを確認しないこと。まあ展開上必要なわけだが、どうにも気に掛かる。

 最もハマりすぎキャラに思えたのは、ゴスロリのミツエを演じた古川琴音。最近だと「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」(2018・日)や「チワワちゃん」(2019・日)に出ているらしい。ほかのキャラだとどんな感じなのだろうか。「来る」(2018・日)の小松菜奈的な感じがした。

 黒いフードの人物たちが現れるモノクロのシーンでは、ベッドに寝ている男がいないから、コンティニュイティのミスかと思ったら、そんなことはなかった。ちゃんとラストにはそれも判明し、そういうことだったのかと納得できた。ただ、絵が日本映画的で色が浅い。コントラストも低め。モノトーンに近いような。だから、ラストのせっかくの青空がキレイに見えないし、心に刺さらないのはとても残念。

 公開3日目の初回。新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は12〜13分前に開場。イケメン俳優が出ているせいか3対7くらいで女性が多く、しかも若い人から中年層がメイン。高齢者はわずか。最終的には、朝が早かったためか、287席に40人くらいの入り。これはしようがないかも。

 スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、CMの後、映画泥棒があり、予告に続いて映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズで、マナーから本編へ。


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