2019年2月3日(日)「メリー・ポピンズ リターンズ」

MARY POPPINS RETURNS・2018・米・2時間11分(IMDbでは130分)

日本語字幕:手描き風書体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、ドルビー・ビジョン、Arri ALEXA[表記無し])/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・サラウンド7.1も)

(米PG指定)(IMAX版、ATMOS上映もあり)

監督・原案:ロブ・マーシャル
原案&脚本:デヴィッド・マギー
音楽製作総指揮:マイク・ハイアム
撮影:ディオン・ビーブ
出演:エミリー・ブラント、
   リン=マニュエル・ミランダ、
   コリン・ファース、
   メリル・ストリープ、ほか

公式サイト
https://www.disney.co.jp/movie/marypoppins-returns.html
(全国の劇場リストもあり)

世界恐慌時代のロンドン、チェリー通り17番地。かつてのバンクス家の長男マイケル(ベン・ウィショー)は最近、妻を失い、幼い子どもたちアナベル(ピクシー・デイヴィーズ)、ジョン(ナサナエル・サレー)、ジョージー(ジョエル・ドーソン)の3人を、家政婦のエレン(ジュリー・ウォルターズ)と、手伝いに来てくれている姉のジェーン(エミリー・モーティマー)と共に育てていた。ところが、不景気の中、銀行から受けた融資の返済が滞り、期限までに返さないと担保の自宅を取られそうになっていた。しかし銀行員だった父が銀行の株券を持っていたことを思い出す。銀行は株券があれば家はとらないというが、家捜しをしてもその株券を見つけることができない。そして失意の中、家捜しの時出てきた古い凧を捨てる。と、その凧が折りからの風に煽られて飛び、それを見つけた3人の子どもたちと、街灯の点灯人、ジャック(リン=マニュエル・ミランダ)が糸を引っ張って止めようとすると、突然雲が晴れて、凧と一緒にメリー・ポピンズが傘をさして舞い降りてくる。


76点

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 面白かった。けっして楽しい話ではないのに、希望や笑いに満ちていて、楽しい気分になる。大変な事態でも、考え方次第で落ち込まずに前向きに歩んで行けるのだと、改めて気付かされる。とてもポジテイブ。前作を見た人はより面白く見られるだろうし、見ていなくてもちゃんと楽しめる。堂々たるミュージカル。

 そして、幼い子どもたちだって、家庭の経済状況などには気付いていて、心配しているんだと。健気で、ピュアで、かわいい! 子どもたちにこんな心配をさせたり、悲しませたりさせてはいけないんだと大人として思わされる。

 そこに、目眩くような、不思議な大冒険の数々。お風呂からつながる水中の世界、大きな器に描かれた絵の世界、水曜日ごとに天地がひっくり返る逆さの世界……などなど。体が動きだしそうな素敵な楽曲の数々。ミュージカル・ファンにはたまらないだろう。特に冒頭は、舞台の芝居を観ているような感覚も。1つだけ気になったのは、次の第2水曜には直っているというロイヤルドルトンのツボがどうなったのか。それが描かれていないのだ。

 それにしてもエミリー・ブラントってすごいなあ。まさにメリー・ポピンズにピッタリ。ブレイクのきっかけとなった「プラダを着た悪魔」(The Devil Wears Prada・2006・米/仏)の役は等身大で自然な存在感だったし、「ヴィクトリア女王 世紀の愛」(The Young Victoria・2009・英/米)では貴族の気品があったし、SFの「アジャストメント」(The Adjustment Bureau・2011・米)では世の男性の心をわしづかみにし、「ボーダーライン」(Sicario・2015・米/メキシコ)では男勝りの警官のハードなアクションをリアルに演じていたのだ。その人が、歌って踊って、メリー・ポピンズとは!

 監督は「シカゴ」(Chicago・2002・米/独/加)や「SAYURI」(Memoirs of a Geisha・2005・米)のロブ・マーシャル。「イントゥ・ザ・ウッズ」(Into the Woods・2014・米)も手がけていることから、メリル・ストリープも出たのだろうか。

 油絵のようなタイトルはyU+co。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は25分前くらいに開場。大きなスクリーンのATMOS上映で、プレミアム席もあり。女性が多く、最初10人いて、男性は3人ほど。しかもだいたい中高年。女性は母に連れられた10歳くらいの女の子もいたが。最終的には499席に3.5割くらいの入り。9席×2列のプレミアム席には3人ほどが座った。外国人も1人見かけた。もっと入って良い映画だと思う。

 CM・予告の後マナーがあって、大スクリーンTCXのデモ、ドルビーATMOSのデモに続いて、盛り上がってきたところで映画泥棒があり出鼻をくじかれて、フル・サイズで本編へ。

 上映前から、真下の4Dスクリーンの振動が伝わってきて、とても不快だった。最初は地震かとヒヤッとしたが、その後も続いたので振動とわかった。安普請なのか?


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