2019年3月23日(土)「ビリーブ 未来への大逆転」

ON THE BASIS OF SEX・2018・米・2時間00分

日本語字幕:丸ゴシック体下、齋藤敦子/ビスタ・サイズ(1.85、デジタル、with Panavision)/ドルビー・デジタル

(米PG-13指定)

監督:ミミ・レダー
脚本:ダニエル・スティープルマン
撮影:マイケル・グレイディ
出演:フェリシティ・ジョーンズ、
   アーミー・ハマー、
   ジャスティン・セロー、
   キャシー・ベイツ、ほか

公式サイト
https://gaga.ne.jp/believe/
(全国の劇場リストもあり)

1956年、ルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は、ハーバード大学ロー・スクールに新入生500人の内の9人の女学生の1人として入学する。そのとき同じ学校の2年生に夫のマーティン(アーミー・ハマー)がおり、2人の間には幼い娘もいた。大学院であからさまな性差別を受ける中、マーティンが癌で倒れる。ルースは献身的な看病を続け、どうにか夫は復帰するとハーバートを卒業しニューヨークの弁護事務所に就職を決める。一緒に暮らすためルースはハーバードからコロンビア大学の大学院へ移籍、首席で卒業する。ところが女性であるため希望する弁護士の職に就くことができない。仕方なく大学で法学を教える職に就くが、ある日、マーティンがある訴訟ケースの資料をルースに見せる。それは男性であることを理由に介護料金を控除されなかったというもの。4人の弁護士に断られていたが、性差別の問題で、男女平等へつながる訴訟だと、夫と共に弁護することを決心する。


74点

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 感動的な実話の物語。男女平等というのは大きな問題で、日本ではようやく今、問題になっているようなところもあるが(医科大の入試とか)、アメリカでは50年も前に平等化へ動いていたと。「ブラック・クランズマン」(BlacKkKlansman・2018・米)のような世界もアメリカ、本作のような世界もアメリカ。そして、それらを映画化できるのもアメリカ。

 ただ、法律関係の部分がシロートというかボク程度の頭では難しくてわからなかった。登場人物も多く、名前を覚えられないこともあって、関係性が把握できず、それも理解を阻んでいたかも。

 基本的人権に関わるとても大切な話ではあると思うけれど、上流階級の話という感じがしないでもない。超名門ハーバード大学ロー・スクール(法科大学院)に入学できるエリートで、壁には「アイーダ」のポスターがあって、普段の夜BGMに「フィガロの結婚」のレコードをかけるような暮らし。


 主演のフェリシティ・ジョーンズは身長160cmというから、イギリス人としては小柄なのだろう。ほぼ日本人女性の平均身長ほど。アカデミー賞候補になった「博士と彼女のセオリー」(The Theory of Everything・2014・英/日/米)や、一気にメジャーになった「インフェルノ」(Inferno・2016・米/ハンガリー)、そして傑作スピンオフ「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(Rogue One: Star Wars Story・2016・米)などでも、特に小さいとは感じなかった。むしろ男性と一緒にアクションもこなし、170cmとか175cmくらいあるのかと思っていたほど。たぶん実際のルース・ギンズバーグが小さい人なのだろう。身長差を際立たせるためか、あえて背の高い196cmのアーミー・ハマーを相手役にしたのかも。

 意外だったのは、キャシー・ベイツが出ていたこと。カメオ出演的にほんのちょっとしか出てこないのは残念だったが、なんだか久しぶりに見た気がする。ボクが最後に見たのは「ミッドナイト・イン・パリ」(Midnight in Paris・2011・西/米/仏)あたりか。「ミザリー」(Misery・1990・米)とか「フライド・グリーン・トマト」(Fried Green Tomatoes・1991・米)、「悪魔のような女」(Diabolique・1996・米)、「タイタニック」(Titanic・1997・米)とか、いい作品がいっぱい。

 監督は女性監督のミミ・レダー。かつては「ピースメーカー」(The Peacemaker・1997・米)などのアクション系を撮っていた人。最近はTVが多いようで、最後に見た劇場映画は「ザ・エッグ -ロマノフの秘宝を狙え-」(Thick as Thieves・2009・米/独)だったろうか。本作はまったくアクションなし。

 ラストにルース・ギンズバーグ本人の画が出る。85歳で、最高裁判事として今も活躍中だと言うから驚きだ。
 タイトルは条文の一部だそうで「性別に基づいた」というような意味らしい。prohibit discrimination on the basis of sex=性別による差別を禁止する、とか。ラストにそれがアップになる。日本語ではタイトルにしにくいので「ビリーブ」になったのだろうが……。

 公開2日目の初回、といっても午後からだが、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は20分くらい前に開場。年齢層は若い人から中高年まで、意外と幅広かった。最初15〜16人いて、女性は5〜6人。徐々に女性も増えて、最終的には男女比が5.5対4.5くらいに。朝着いた時点でこの回は完売表示。まあキャパが122と小さいからなあ。もちろん、1〜2席空いていたかもしれないが、ほぼ満席。

 TOHO シネマ・チャンネルからCM・予告、マナーがあって、暗くなって予告、映画泥棒で、本編へ。


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