2019年3月30日(土)「大脱出2」

ESCAPE PLAN 2: HADES・2019・中/米・1時間37分(IMDbでは96分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、高井清子/シネスコ・サイズ(2.35、デジタル、with Panavision(IMDbではArri))/表記なし(IMDbではドルビー・デジタル、公式サイトではDCP5.1ch)

(米R指定)

監督:スティーヴン・C・ミラー
脚本:マイルズ・チャップマン
撮影:ブランドン・コックス
出演:シルヴェスター・スタローン、
   ホァン・シャオミン、
   デイヴ・バウティスタ、
   ジェイミー・キング、ほか

公式サイト
http://klockworx-v.com/escapeplan2/
(情報少、全国の劇場リストもあり)

ブレスリン警備のチームが、チェチェンのテロリストの元から人質を救出して戻る。しかしその際、チームの1人の女性が命を落としていた。その責任はチーム・ワークを怠ったメンバーの1人、キンブラル(ウェス・チャサム)にあると、社長のレイ・ブレスリン(シルヴェスター・スタローン)はクビにする。1年後、上海。ブレスリン警備のスタッフの1人、シュー(ホァン・シャオミン)は、妹の依頼で恋人のIT会社の若き社長ユシェン(タン・チェン)の護衛をやることに。ところが、謎のマスクの男たちに襲われて、2人とも「ハデス」と呼ばれるコンピューター制御のハイテク監獄に収監されてしまう。ブレスリンはかつての友人デローサ(デイヴ・バウティスタ)の協力を得て、部下の救出に向かう。


72点

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 IMDbでは3.8点という低評価。そこまでとは思わなかったが、かなりコテコテのB級作品。ほとんど中国映画という印象で、そこにスタローンやバウティスタを招いたと。しかも中国人俳優がメインのパートと、ハリウッド・パートをそれぞれ撮ってつなぎ合わせ、最後のクライマックスだけ全員で撮ったような印象。

 それでも、しっかりとしたB級ムービーにはなっていて、何も考えず、気楽に楽しむことができる。むしろ考え過ぎちゃダメ。ラストに、悪党は徹底的にやっつけられ、めでたし、めでたしと。感動したり、考えさせられたりということがない代わり、落ち込んだりすることはない。安心してみることができる。たぶんガッカリはしないだろう。

 B級のストーリーと言えば、だいたいトンデモか、ありきたりのどちらか。本作は前作をベースにしたありきたり。展開は読める。ロボットとかSF的な要素も取り入れているものの、まあ普通かと。隣のオヤジは途中寝ていた。壁が動いているかどうか印を付けてチェックするシーンなどもありながら、それが後でほとんど活きてこない。関係ないのかいっ!

 だいたい、特許の秘密を話させるために誘拐するわけだが、特許を取るということはすべてを公開しなければならないはず。そうでないと特許を侵害しているかどうか判断できない。そのために、特殊技術をあえて特許を取らないケースもあるという。特許を取るということは、そういう事だとすると、この脚本はおかしいことになる。どうなんだろう。

 CGも使っているようだが、特に冒頭のチェチェンのシーンのCGのレベルが低い。映画向きというよりゲーム向きの感じ。銃のマズル・フラッシュ、地面への弾着、人体弾着と血糊もCGにしか見えない。ひょっとするとカートリッジもCGだったかも。

 気になったのはアクション・シーンになると揺れまくるカメラ。躍動感というかスピードというか、ダイナミックさを加えたかったのだろうが、細長いシネスコはそれが強調され観客の目が回るので止めて欲しい。やるなら、せめてビスタでやれ。カメラを動かすのはここぞというところだけ。シロートじゃあるまいし。

 銃は、チェチェンでAKとHK45かP30。ハデス(映画ではヘイデスと発音)ではSF的なテーザーのライフル・タイプ。スタローンはP226。バウティスタが使うのはドラム・マガジン付きAKのカスタム。途中で一度捨てるのに、いつの間にかまた持っている。他にグロックも。

 公開2日目の初回、スタートが比較的早めだった品川の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は17〜18分前に開場となり、場内へ。観客層は中高年がメインで、若い人は数人。男性が多めで、女性は1/4ほど。最終的には122席の2割ほどしか埋まらなかった。ちょっと厳しいかなあ。今後も増えないだろう。

 ストリーンは大きくフルのビスタで開いており、CM・予告の後、チョコレートプラネットのTT兄弟があって、映画泥棒から上下マスクで本編へ。


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