2019年3月31日(日)「ダンボ」

DUMBO・2019・米・1時間52分

日本語字幕:手描き風書体下、石田泰子/ビスタ・サイズ(1.85、デジタル、ドルビーVISION、(IMDbではArri))/ドルビーATMOS(IMDbではdts: X、Auro 11.1も)

(米PG指定)(ATMOS上映、日本語吹替版、IMAX版もあり)

監督:ティム・バートン
脚本:アーレン・クルーガー
撮影:ベン・デイヴィス
出演:コリン・ファレル、
   ダニー・デヴィート、
   マイケル・キートン、
   エヴァ・グリーン、
   アラン・アーキン、ほか

公式サイト
https://www.disney.co.jp/movie/dumbo.html
(全国の劇場リストもあり)

1919年、第一次世界大戦が終了し、戦場からサーカス団員のホルト(コリン・ファレル)が、メディチ・ブラザース・サーカスへ帰ってくる。ホルトの出征の間に母を病で失った娘のミリー(ニコ・パーカー)と、息子のジョー(フィンリー・ホビンズ)が出迎えるも、彼は戦場で片腕を失っていた。ホルトは元々妻と共にアクロバット馬術を見せていたが、妻が亡くなり、子どもたちも跡を継ぐ気がないことから、オーナーのマックス・メディチ(ダニー・デヴィート)は経営難もあり馬を売却してしまっていた。そして、マックスはホルトに象の世話係の仕事を提示する。象はマックスが買ったばかりの雌のアジア象のジャンボで、間もなく出産予定だった。ところが生まれた象の赤ちゃんは、耳が異様に大きく、それを隠してデビューさせることになるが……。


74点

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 優しいファンタジーのお話。ただし、ティム・バートンなので、単なる明るい話ではなく、どこかダーク。ストレートではなく、ねじれた部分がある。話の展開も、ファンタジーらしい強引なというか、ご都合主義的。しかし、それがファンタジーというものなのかも。そしてファンタジーだから許せる。なにしろ、象が大きな耳で空を飛ぶ話なのだから。細かいところで引っかかっていたら、大前提の空飛ぶ象自体がNGとなる。そういう人は見ないか。

 とにかくうまいのが、おそらく3D-CGで描かれているだろうダンボのかわいさ。しゃべらなくても充分、愛らしい。ここがとても重要なポイントだろう。良い子。動き、仕草もかわいらしい。

 一方、悪役は悪役らしく、絵に描いたような悪。ただ。ちょっとどっちかわからないようなキャラも出てくる。この辺がティム・バートンらしい味につながるのだろう。そして耳が大きいとか、片腕とか、「ファインディング・ニモ」(Finding Nemo・2003・米)のヒレにもつながるハンディキャップ。サーカスにいる見せ物になる人々。「グレイテスト・ショーマン」(The Greatest Showman・2017・米)よりはだいぶ控えめだが。

 驚かされたのは、ドリーム・ランド。スケールが大きい。遊園地があって、いろんな国があって、たくさんのパビリオンがあって、とんでもない広さ。たぶんデジタルなのだろうが、ちゃんと人が歩いていてにぎやかでリアルそのもの。すごいなあ。

 パパ役のコリン・ファレルは悪役も多い人だが、本作ではあまり存在感はないものの、良いパパに見えた。そして空中の女王コレットを演じたエヴァ・グリーンも悪女役が多い人。それが後半、良い人に見えてくるから、さすがティム・バートンというところだろうか。悪役のヴァンデヴァーを演じたのは、ティム・バートンの「バットマン」(Batman・1989・米/英)でバットマンを演じたマイケル・キートン。悪役もやるがたぶん良い役が多い人。すっかりおじいちゃんとなったアラン・アーキン(85歳!)は最近は良いおじいちゃん役が多かったが、本作ではかなり厳しい投資家。どの人も主要キャストはイメージと逆の役につけている印象。

 オリジナル版はディズニーのアニメ「ダンボ」(Dumbo・1941・米)。見た記憶がないが、アニメ版ではネズミがもっと活躍するらしい。泣いたという人も多いようで、これは見直した方が良いかも。

 ラストはどこかで見たような。たぶんディズニー映画の終わり方としては、これが王道なのだろう。

 公開3日目の初回、日比谷の劇場はTCX、ATMOS上映で、2日前にネットで確保。当日は17〜18分前に開場。字幕版だったので、観客層は中高年がメイン。外国の人がチラホラ。ファミリーもチラホラいて、やっと歩けるような3歳くらいの子を連れた母の姿も。男女比は4.5対5.5くらいで、やや女性のほうが多かった。プレミアム席は9席×2列あり、最終的にプレミアム席7席ほど、395席の3割くらいが埋まった。IMAX版とかあるので、分散したのだろう。

 ATMOSなのでいい音が響いていたが、たぶん普通のドルビー・デジタル上映と比べないと、違いはわからないような気がする。わざわざ追加料金を払って見る価値はどうなんだろう。ボクはスクリーンの大きさと上映時間から選んだが……。

 TOHOシネマ・チャンネルからCM・予告、マナーがあって、暗くなってATMOSのデモから映画泥棒、映写機の左右マスクで本編へ。


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