2019年4月27日(土)「僕たちのラストステージ」

STAN & OLLIE・2019・英/加/米・1時間38分

日本語字幕:丸ゴシック体下、堀上 香/シネスコ・サイズ(表記なし、(IMDbでは2.35、デジタル、Arri ALEXA))/音響表記なし(公式サイトではDCP5.1ch、IMDbではドルビー・デジタル)

(英PG指定、米PG指定)

監督:ジョン・S・ベアード
脚本:ジェフ・ポープ
撮影:ローリー・ローズ
出演:スティーヴ・クーガン、
   ジョン・C・ライリー、
   ダニー・ヒューストン、ほか

公式サイト
http://laststage-movie.com/index.html
(全国の劇場リストもあり)

1937年、アメリカ、ハリウッド。スタン・ローレル(スティーヴ・クーガン)とオリバー・ハーディ(ジョン・C・ライリー)によるローレル&ハーディのお笑いコンビは人気絶頂、出演映画は世界中で上映されていた。そして1953年、人気に陰りが出始めたローレル&ハーディは、新作映画の企画も考慮し、イギリスへ巡業に出ることにする。しかしイギリス側のプロデューサー、バーナード(ルーファス・ジョーンズ)が用意していたのは、小さな劇場と、安ホテルだった。


74点

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 伝説のコメディアンの伝記映画という感じの作品だが、タイトルからも想像できるとおり、晩年というか、最後を描いているので、思ったより悲しい作品だった。そして、仕事がなくなって引退という、身につまされるようなテーマは辛い。しかもコンビの仲違いもあり、最後は心温まる感じながら、やっぱり悲しい。誰でも歳を取り、終わりがやってくると。

 公式サイトなどでは「いくつになっても、諦めない」とあるが、ハリウッド映画的に復活した話ではない。実話どおり、再起できず終わってしまう話だ。しかも世界的に有名でスターだったコメディアンなのに、経済的に厳しく、苦労していたというのだから……やはり現実は厳しいということなのだろう。ただ、側に相方がいて、理解し愛してくれる妻もいたと。子どもたちのことは一切描かれていないが……。

 凄いなあと思うのは、描かれている定番コントというかギャグが、現代も通用するものだということ。ほとんどは基本形として今も使われている。病院お見舞いギャグ、すぐ近くにいるのに出会えないギャグ、荷物を落とすギャグなどなど、そして歌とダンスまで。たぶん「Mr.ビーン」がそうだし、志村けんなどもそうなのではないだろうか。古典をよく研究している。改めて彼ら「ローレル&ハーディ」の映画を見てみたくなった。

 スタン・ローレルを演じたのはスティーヴ・クーガン。イギリス生まれのイギリス育ちで、「ナイトミュージアム」(Night at the Museum・2006・米/英)シリーズでずっとオクタヴィウスを演じていた人。

 一方オリバー・ハーディを演じたジョン・C・ライリーはアメリカ生まれのアメリカ育ち。たぶん本作では特殊メイクで危険なほどの肥満体になっている。最近作では「キングコング:髑髏島の巨神」(Kong: Skull Island・2017・米/中)に出ていた。

 監督はスコットランド出身のジョン・S・ベアード。ローレル&ハーディコメディを見て育ったそうで、主にTVで活躍していたが、劇場作品2作目となる「フィルス」(Filth・2013・英/独ほか)で多くの賞を受賞し、本作につながったらしい。

 公開9日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は17〜18分前に開場。中年層もいたが、多くは高齢者。オリジナルを知っている世代ということだろうか。男女比は半々くらい。着いた時点で残席わずかの黄色表示。最終的には115席の9.5割くらいが埋まった。まあキャパが小さいからなあ……。

 いきなりマナーから、予告、恋するシロクマ、予告のあと、映画泥棒があって、さらに予告。映写機のマスクが左右に広がってシネスコ・サイズになって、暗くなって本編へ。


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