2019年5月5日(日)「名探偵ピカチュー」

POKEMON DETECTIVE PIKACHU・2019・日/米・1時間37分(IMDbでは104分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、訳者表記なし/シネスコ・サイズ(レンズ、2.39、フィルム、Panavision、IMAX、ドルビーVISION)/ドルビーATMOS、dts:X(IMDbでは表記なし)

(米PG指定)(日本語吹替版、3D上映、4D上映もあり)(2D吹替版は『UDCast』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド、聴覚障害者用日本語字幕付き)

監督:ロブ・レターマン
脚本:ダン・ヘルナンデス、
   ベンジー・サミット、
   ロブ・レターマン、
   デレク・コノリー
撮影:ジョン・マシソン
出演:ライアン・レイノルズ(声)、
   ジャスティス・スミス、
   キャスリン・ニュートン、
   渡辺謙、
   ビル・ナイ、ほか

公式サイト
http://meitantei-pikachu.jp
(全国の劇場リストもあり)

ポケモンが実在する世界。一人で暮らす保険査定員のティム(ジャスティス・スミス)のもとに電話があり、刑事だった父ハリーが事故で亡くなったことを知らされる。そこで父が住んでいたライムシティの警察署に行き、同僚のヨシダ警部(渡辺謙)から亡くなった時の状況を聞き、父の部屋の鍵を受け取り、部屋の整理を始める。すると、記憶を失っているが人間の言葉が話せるポケモン、ピカチュー(声:ライアン・レイノルズ)が現れ、被っていた帽子に何かあったらこの部屋を訪ねるように書かれていたという。かくして2人はパートナーとして力を合わせ、事件の真相を探ることにする。


74点

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 かなり笑えて、面白かった。基本、子ども向けではあるが、大人も楽しめる。ミステリーはなかなか良くできていて、あっ、そういうことだったのかと。展開も少々強引ではあるが納得できる。そして何より、毛むくじゃらのピカチューが表情豊かでかわいい。オヤジ声で、「デッドプール」(Deadpool・2016・米)的なお下品キャラであっても、憎めないヤツ。しかもラストで理由が明かされ、そうだったのかと感動。

 あえてフィルムで撮影されているらしいが、画というかビジュアルは、ほとんどCGという印象。これだけ合成が多いと、取り込む手間も考えたらデジタル撮影の方が良いはず。しかしあえてフィルムでやるという贅沢。フィルムの方が長持ちするという説がある。ただ、フィルムだとどこかソフトな印象で、ピントが甘いような感じも。ちょっと古いようなイメージもある。

 SFファンタジー・アクションというくくりが出来るかもしれない。これにコメディも入るか。なのに、子ども向けということもあってか、銃は一切出てこない。そして、原作国の日本へのリスペクトか、日本の要素も多く、ライム・シティはどこか新宿のようで、父親のアパートがあるのは秋葉原みたい。さらに、ピカチューの地声は、もちろんオリジナルの大谷育江が担当。ラストには日本製作の3D-CGアニメの予告まで。

 監督はロブ・レターマン。もともとはアニメの人だったようで、ロバート・デ・ニーロら豪華俳優が声を担当した3D-CGアニメ「シャーク・テイル」(Shark Tale・2004・米)を共同監督している。これはそこそこ面白かったのだが、ジャック・ブラックの実写3D映画「ガリバー旅行記」(Gulliver's Travels・2010・米)は酷かったなあ。それでよく本作に抜擢されたものだ。まあピカチューは大いにアニメ的ではある。そこがピカチューをかわいくできた秘密なのかもしれない。つまり大抜擢は成功だった。

 公開3日目の初回、といっても吹替版がメインのようで、字幕版はほぼお昼からのスタート。新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は17〜18分前に開場。観客は若い人から中高年まで幅広い。中でも若い女性が目立っていた。「あんな毛むくじゃらなピカチュー、見たい?」なんて言ってた子もいたけど、基本ピカチューはかわいいからなあ。下は小学生くらい。男女比は4対6くらいで女性の方が多かった。外国人もチラホラ。最終的に10席×2列のプレミアム席も2席ほど残して埋まり、407席の一般席はほぼ満席。人気ある。

 CM・予告の後、暗くなって、足下に注意のあと映画泥棒があって本編へ。ケータイをぎりぎりまで使うなって。忙しいなら来るな。まぶしくてしようがない。


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