2019年5月11日(土)「ラ・ヨローナ −泣く女−」

THE CURSE OF LA LLORONA・2018・米・1時間33分

日本語字幕:手描き風書体下、佐藤真紀/シネスコ・サイズ(デジタル、2.39、by Panavision、IMAX)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・サラウンド7.1)

(米R指定)(4D上映もあり)

監督:マイケル・チャベス
脚本:ミッキ・ドートリー、
   トビアス・イアコニス
撮影:マイケル・バージェス
出演:リンダ・カデリーニ、
   レイモンド・クルツ、
   トニー・アメンドーラ、ほか

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/lloronamoviejp/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

1979年、ロサンゼルス。児童相談所のベテラン・ソーシャル・ワーカーのアンナ(リンダ・カデリーニ)は、最近、警察官の夫を亡くしたばかりで、2人の子どもを抱えるシングル・マザー。ある日アンナは、児童虐待が疑われるシングル・マザーのもとを訪ねると、2人の子どもが鍵付きの部屋に監禁されていて、窓も全て板が打ち付けてあった。母親の「子どもたちを守っているから、そこから出さないで」という声を聞かず、2人の子どもを保護すると、すぐに入院させる。しかし後日、2人の少年は用水路で溺死する。確認に向かったアンナは、自分の子どもたちに車から出ないように言いつけ現場に入るが、長男が車から出てて、見に行ってしまう。すると、近くで泣いている女がいた。


70点

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 音で脅かすチープなホラーかどうか。アヴァン・タイトルから始まり、不気味な雰囲気。女が川で何かをしている…… と、近づいてきて「ドォーン」という大音響でタイトルが出る。オイオイ、のっけから音で脅かすのかよ。そして、その通りの映画だった。音で脅かすだけのホラー。それは怖いんじゃなくて、ビックリするだけだって!! IMDbではわずか5.7点。

 せっかくの怖いシーンも、ドカンとかギャーンという、その場にはあり得ない大きな効果音を付け足すことで、台無しになっていることが多い。確かにビックリはする。驚く。せっかくじわじわくる恐怖のようなものがあるのに、それが大音響で断ち切られてしまう。その場限り。余韻とか、漂う雰囲気なんてなし。大音響を止めるだけでも普通のホラーでいけるんじゃない? せっかく「泣き声」という音を1つのキーにしているのに。プロデューサーが欲張るというか、保険を掛けたがるのだろうか。すべて後処理でいけるわけだし……。4D上映のため?

 展開もダメなハリウッドのホラーのパターン。やっちゃいけないと言われていることをやる。誰とも、ちゃんと話をしない。だから事件が大きくなってトラブルになる。誰でもわかることなのに、ハリウッドのダメ・ホラーだけ、それがわからない。だから同情できないし、ほら見ろとなってしまう。良いホラーは、それらをやらずに、ちゃんと物語を展開させてみせる。ここは脚本の問題だろうか。シャンプーしていると後ろから手が出てくるのは「貞子」なんじゃないの?

 ただ、主演がリンダ・カデリーニだと。元はTVの人らしいが、2018年当たりから「シンプルフェイバー」(A Simple Favor・2018・加/米)の画家、「グリーンブック」(Green Book・2018・米)の奥さん、「ハンターキラー潜航せよ」(Hunter Killer・2018・英/中/米)のNSAの幹部、「アベンジャーズ/エンドゲーム」(Avengers: Endgame・2019・米)のホークアイの奥さん、そして本作と劇場映画に出まくり。なかなか雰囲気ある人で、どれも作品に馴染んでいた。自然で良い感じ。この人が出ていなかったら見なかったかも。

 銃は、被害者達の母パトリシアが持ち出した銃が、3インチくらいのバレルのシルバーのリボルバー。一瞬なので、良くわからなかったが、1発は撃つ。

 公開2日目の初回、新宿の劇場はお昼近くからのスタートで、全席指定。2日前にネットで確保して、当日は10分ほど前に開場。だいぶ上の階なのに、開くのが遅いのでは。観客は中高年がメインで、女性は若い人が多かったが、全体で2割いたかどうか。最終的には若い男性も少し増えたが、157席に3割ほどの入り。これ以上増えるとも思えず、途中打ち切りになるんじゃないの? そんな感じ。

 酢とリーンは1.66くらいのビスタで開いており、CM、映画泥棒、予告の後、暗くなってマナーから、映写機の上下マスクで本編へ。えっ、レンズのシネスコ・サイズじゃないの?


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