日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(レンズ、2.39、Arri、上下マスクで上映)/音声表記なし
(英15指定、米R指定)
監督・脚本:バート・レイトン 撮影:オーレ・ブラット・バークランド 出演:エヴァン・ピーターズ、 バリー・コーガン、 ウド・キア、ほか |
2003年9月、レキシントン大学に入学したスペンサー(バリー・コーガン)は画家を目指していたが、ある日、図書館の中の鍵の掛かった特別コレクション・ルームに、最も高価な本とされるジェームズ・オーデュボンの『アメリカの鳥類』や、チャールズ・ダーウィンの『種の起源』があることを知る。そして友人のウォーレン(エヴァン・ピーターズ)に話すと、盗み出そうということに。そこで、Googleで検索して強盗の方法を調べたり、たくさんの犯罪映画を観て計画案を練る。さらには、知り合いから故買屋を紹介してもらい、ニョーヨークまで会いに行くことに。 |
うむむ、実話というのが重い。あまりにも自分勝手で、杜撰な犯罪。やる前からうまくいかないことはわかりそうなものだが、それを深く考えず、勢いでやってしまうところがアメリカらしいところだろうか。「向こうがどうなっているかは、渡ってみないとわからない」などと、本人の言葉で話されている。本当にそうなのか。殺人に置き換えたら? アメリカならずとも、現代はそういう人がいるのかもしれない。怖! ただ実話の映画化で、実際に事件を起こした当事者や関係者、家族らが出てインタビューに応えているにも関わらず、最初に「真実に基づかない」と出る。それぞれの視点の物語があると当事者が言っている。もっと杜撰な計画だったかもしれないというのだからあきれる。そして、実刑7年の懲役を終え、現在何をしているかまで。この辺も驚き。事件当時まだ若く、心から反省しているようで、やり直しが出来たのだろう。これはアメリカだったからか、日本でもこんな感じでやり直しが出来るのか。 感じたのは、ここまで打ち込んでやれるのだったら、人跡未踏の地を訪れるとか、登山するとか、ほかにもっとやることがあったろうに、ということ。冒険をやりたいと言っているが、やっていることは冒険じゃなく犯罪。ベクトルが正反対というか。とにかくやってみる。始めたら完遂する。それがアメリカ? まず良いか悪いかとか、人の迷惑とか考えないのか。 有名俳優は、オランダで会ったことになっている故買屋のウド・キアのみ。ドキュメンタリー的な雰囲気を出したかったのだろうか。まあ、事件当事者も出ていて、それぞれ雰囲気が近い役者がやっているわけで、存在したかどうかわからない人物でもあるので、そこに有名俳優を使ったということかもしれない。 銃は、車を持っている筋肉オタクのチャズが、シルバーのデリンジャーを持っていて、逮捕にやって来るFBIがグロックやベレッタ92を持っている。 タイトルの「アメリカン・アニマルズ」は、メンバーの1人だったFBIを目指していたエリックが、後に書いた原稿のタイトル。 公開2日目の初回、品川の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は12〜13分前に開場。ほとんど中高年で、若い人は6人いて1人くらい。最終的には男女比6対4くらいで、117席に25人くらいの入り。出来は悪くないので、これはちょっと寂しい。楽しい話ではなく、しかも実話で、この内容だと仕方ないのかも。有名俳優も出ていないし。11席あったプレミアム席には1人の男性。一番はじっこで、本当に買ったの? スクリーンは1.66くらいのビスタでフルに開いており、明るくてよく見えないままCM・予告が始まり、マナーのあと半暗になって予告、T兄弟、映画泥棒と続いて暗くなり、映写機の上下マスクで本編へ。スクリーンのマスクでやって欲しいなあ。画面の締まりが違う。そして、ギリギリまでケータイをいじってるやつ、オヤジ。マナーが上映されていてもお構いなし、ってか気付いていない。 |