2019年6月1日(土)「パラレルワールド・ラブストーリー」

2018・製作幹事:松竹、日本テレビ・「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会・2時間14分

シネスコ・サイズ(表記なし)/音声表記なし



監督:森 義隆
原作:「パラレルワールド・ラブストーリー」
   東野圭吾(講談社文庫)
脚本:一雫ライオン
撮影:灰原隆裕
出演:玉森裕太、
   吉岡里帆、
   染谷将太、ほか

公式サイト
http://parallelworld-lovestory.jp
(全国の劇場リストもあり)
(『UDCast』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド、聴覚障害者用日本語字幕付)

敦賀崇史(つるがたかし、玉森裕太)は学生時代、通学途中の電車でいつも見かける若い女性に密かに思いを寄せていた。そして現在はハイテク企業の「バイテック社」に入社し、その女性、津野麻由子(つのまゆこ、吉岡里帆)と暮らす毎日。そんなある日、同じ会社の同僚で、別部門で脳の記憶の研究をしている親友の三輪智彦(みわともひこ、染谷将太)と食事をすることになり、彼女だと津野麻由子を紹介される。彼女はまるで初対面のように挨拶し、敦賀は混乱する。


70点

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 うーむ、驚愕の108分……ではなかったなあ。むしろ、ウソくさい会話による同じことの繰り返しで先に進まない90分くらいと、やっと物語が動くラスト20分くらいという感じだったなあ。原作は短編? 満足度95.6点? ボクは原作を読んでいなかったせいなのか、違った。そして、フィルムを使っていたのか狙いなのか、画質もあまり良くなく、古い作品のような印象。

 しかもパラレル・ワールドという感じがほとんどなかった。1つの世界の出来事で、勘違いしているのかダマされているのか、ちょっとおかしな感じではあるが、時間軸がバラバラにされているため、同時に存在した話ではなく、別々に起きた話なのではないかと。つまりそれはパラレルではないだろうと。しかも、どうも細部でつじつまが合っていないような感じが見ている最中からあった。あとでじっくり検証すると合っているのかもしれないが、見ている時は、どうも違うような……。

 そして何より、主人公であるだろう敦賀のキャラクターが、うじうじとしていて、根暗で、とんだ思い込み勘違い野郎で、上からで、自分が悪いのに怒鳴り散らすし…… まっ、とにかく好きにはなれないヤツ。これがいけない。感情移入できない。むしろ、ライバル的な三輪のほうが良いヤツ。津野麻由子役の吉岡里帆はキレイだったけど。そして未消化な感じもして、女友達の岡田夏江(石田ニコル)がどうなったかとか、研究所の先輩女性(桐山景子=美村里江)がどうなったかとかが気になった。誰がどっちの上司? たくさんの混乱の中の、どっちの彼女?では、意味が薄い。

 説明不足もたくさん。どこまで大学生で(劇中ではカレッジと言っているが、大学なのか、この企業の1つの部門なのかも微妙)、どこから会社員(研究員)なのかも、よくわからない。時間軸をいじりすぎ。しかも今がいつなのかもわかりにくい。監視って一緒に暮らすこと? わからないことがたくさん。残念だなあ。ボクの理解力不足ということもあるだろうけど…… 原作を読むとわかるのだろうか。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は15分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広く、女性のほうが多い印象。そして女性がどんどん増えて行き、最終的には301席に7.5割くらいの入りは立派。男女比は3.5対6.5くらいで女性のほうが2倍近くいた。ただ、この出来だと今後増えるかどうかは微妙。

 スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、CM・予告のあと半暗になって、映画泥棒から埼玉のドルビー・シネマのCM、さらに予告と続いて、映写機のマスクが左右に広がってシネスコ・サイズになってから暗くなり、マナーがあって本編へ。


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