2019年6月8日(土)「スノー・ロワイヤル」

COLD PURSUIT・2019・英/ノルウェイ/加/米/仏/独・1時間59分

日本語字幕:丸ゴシック体下、松崎広幸/シネスコ・サイズ(デジタル、2.39、Arri)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・サラウンド7.1も。公式サイトではドルビー・デジタル)

(英15指定、日PG12指定)

監督:ハンス・ペテル・モランド
オリジナル脚本:キム・フップス・オーカソン
脚本:フランク・ボールドウィン
撮影:フィリップ・ウーゴート
出演:リーアム・ニーソン、
   ローラ・ダーン、
   トム・ベイトマン、
   エミー・ロッサム、ほか

公式サイト
https://snowroyale.jp
(全国の劇場リストもあり)

コロラド州キーホーで、冬季間、雪に埋もれてしまう山あいの道路を毎日夜間に除雪しているネルズ・コックスマン(リーアム・ニーソン)は、その功績が認められ模範市民賞を受賞する。ところが、それから間もなくして、キーホー空港で働く息子のカイルが、ヘロインの過剰摂取で死亡してしまう。信じられないネルズは警察に訴えるがまったく相手にされず、自殺も考えるものの、空港で息子の友人だった男が現れ、自分が組織のヘロインに手を出したため、関係のないカイルが間違われて殺されたことを知らせる。ネルズは組織の男の名前を聞きだすと、復讐を始める。


74点

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 「模範市民賞」とか「まったくかみ合わない戦い」というキャッチで、これはヤバイかなと思ったのだが、見たらちゃんとしたアクションだった。面白かった。しっかりまじめに作り上げられた本格的骨太アクション。

 だから悪役がかなり怖い。見た目とかではなく、発作的な行動が恐ろしい。普段は上流階級のお坊ちゃまのようなのに、キレると何をやるかわからないタイプ。アクションものでこれは重要なポイントだろう。そこにブラックなユーモアも盛り込まれ、独特の味となっている。ただ。シリアスなバイオレンスの中にある笑いは、笑っていいのか迷ってしまう。笑ったら不謹慎な気がする、そんな笑い。ここは微妙。数人が声を上げて笑っていたが……。

 リメイク作品だそうで、元は同じ監督によるノルウェー映画「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車(未)」(Kraftidioten・2014・ノルウェー/スウェーデン/デンマークほか)だという。これもタイトルがどうかと思うが(いかにも劇場公開なしのビデオ的タイトルという感じ)、業界的に売り方が間違っているような気がする。これじゃ人が入らないような。

 主要キャストの他に良い味を出していたのが、主人公の兄役のウィリアム・フォーサイスという人。いい役だったなあ。印象に残った。また2人組の警官、ベテランのオヤジ役ジョン・ドーマンと、新人の女性警官役エミー・ロッサムもイイ感じだったのに、ほとんど活躍せず。もったいない。ボスの息子の相手をしている同性愛の殺し屋らしいマスタングも良い役で、演じたドメニク・ランバルドッツィも良い味を出していた。

 銃は、最初父はスコープを載せたレミントンM700っぽいライフルをソードオフして使う。若いボスはS&Wのシルバーのオート。同性愛者の部下が持っているのがワルサーP99。警察官はグロック。先住民ギャングのボスは刻印無しの不思議なシルバーの1911オート。後半でフルサイズのM700風ライフルやUSP、MP5も登場。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は20分前くらいに開場。観客層は、最初オヤジが20人くらいに、オバさん1人、若い人2人ほど。なんと女性は1人。まあB級アクションはこういうことになるのだろう。最終的には117席に95%くらいの入り。ちょっと欧州の流れでバイオレンスはキツいけど、面白いもの。女性はオバサンが4〜5人のみ。

 CM予告の途中で半暗になり、マナーのあと暗くなって映写機のマスクが左右に広がり、足元注意から映画泥棒があって、本編へ。

 ケータイは早めに消せぇ、まぶしいんじゃ(千鳥のノブ風)。


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