2019年8月3日(土)「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」

2019・東宝/日本テレビ放送網/アミューズ/スクウェア・エニックス/読売テレビ放送/白組/電通/ROBOT/阿部秀司事務所/KDDI/カルチュア・エンタテインメント/読売新聞社/LINE/GYAO/札幌テレビ放送/宮城テレビ放送/静岡第一テレビ/中京テレビ放送/広島テレビ放送/福岡放送・1時間43分

シネスコ・サイズ(デジタル、表記なし)/音響表記なし

(『UDCast』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド、聴覚障害者用日本語字幕付)
(一部、日本語字幕付き上映もあり)

総監督・脚本:山崎 貴
監督:八木竜一、花房 真
原案:『ドラゴンクエストV天空の花嫁』エニックス
原作:堀井雄二
声の出演:佐藤 健、有村架純、
   波瑠、吉田鋼太郎、ほか

公式サイト
http://dq-movie.com
(全国の劇場リストもあり)

魔物ゲマ(声:吉田鋼太郎)にさらわれた母のマーサ(声:賀来千香子)を取り戻すため、父のパパス(声:山田孝之)と旅を続けている少年リュカ(声:佐藤健)。ついにゲマを追い詰めるが、リュカを人質に取られ、パパスは命を落としてしまう。親友のヘンリー王子(声:坂口健太)と共に魔物の奴隷となったリュカは、10年後、どうにか2人で脱出を図り、故郷の家に戻る。そして父の部屋で日記を発見し、ゲマを倒すには天空の剣と天空の勇者を見つけなければならないことを知る。リュカはまず天空の剣があるという噂のあるサラボナへ向かう。


72点

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 ゲーム・シリーズは超ロング・セラーなので、たぶんファンは子供から大人までたくさんいるはず。それに合わせて、この映画も大人も子供も一緒に楽しめるような内容。たくさんの冒険と、出会いと、愛と友情と正義の物語。一度でもゲームしたことがある人は楽しめるだろう。あのキャラ、あの曲。感動的する。ゲームではないので、ザコ・キャラとの戦いはほとんどなく、コインが手に入るという表現もほんのちょっとだけ。

 ただ、ちょっと子供寄りという感じはした。しかし、それもラストのどんでん返し的な展開で、そうだったのかと納得はできる。違和感があった部分は、やっぱり感情表現。風景や建物など、もうほとんど実写のようで、ゲームの中ファンタジーの世界が現実感を持って壮大なスケールで見せてもらえる。気になるのは人物などのキャラクター。どうも感情表現がオーバーというかちょっと不自然。唇の動きも、セリフをしゃべるには動きすぎというかオーバーすぎ。どうもセリフの感情とテンションが合っていない気が。

 ラストに、ああ、そうだったのかと納得できなくもないが、もし演出でないとしたら、普通の2Dのアニメのように、アニメーターが手で動きをつけていって、それが上手くいかなかったのか。ボクが感じたのは、2Dから3Dになってリアルになるに従って、そういう細部が気になるようになるのではないかというもの。2Dのアニメなら気にならないのに、写実的な3Dになるとちょっとしたことでも気になってしまうのではないか。それも動物などではなく、人間だとより厳しく見てしまうのでは? 人間ではなく人形的な(「トイストリー」的な)キャラなら気にならないのかも。つまり表情の微妙な動きやタイミングが、声を演じる人のテンションと合っていないと、気になる。だからハリウッドは役者を使って実際に演技をさせ、顔の細かな表情までもモーション・キャプチャーするのではないか。もちろん声を吹き替える本人が演じるのがベストだろう。

 そんなわけで、最初はディテールが気になり感情移入できなかった。後半、物語の盛り上がりと共に気にならなくなったけど。演出だとしても、ちょっともったいないなあと。声的にはビアンカの有村架純が、ちょっとはすっぱなというか、男勝りな感じもピッタリ。サンチョはちょっとなあ……。世界観としてはやっぱり「アバター」(Avatar・2009・米)的だったり、「トロン」(Tron・1982・米)的というよりは「マトリックス」(The Matrix・1999・米)的か。「レディ・プレイヤー1」(Ready Player One・2018・米/印)系の設定の映画は意外と多い。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は15分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広く、やはり若い人が多かった。長く愛されているゲームだけに、広い年齢層が見て楽しめる作品。下は親に連れられた幼稚園生くらいからいた。男女比は5.5対4.5くらいで、やや男性の方が多い感じ。最終的には184席がほぼ満席。ただ、このスクリーンはこの劇場で前後に長い客席で、たぶん唯一、後部席だと前席の頭が邪魔になってスクリーンがよく見えないところ。それを忘れて後方を取ったら、案の定、見にくい。字幕でなくて良かった。字幕上映だったら読めない。

 CM・予告の途中で半暗になり、暗くなって映写機のマスクが左右に広がり、シネスコ・サイズになって足元注意から、映画泥棒で本編へ。


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