2019年8月10日(土)「ライオン・キング」

THE LION KING・2019・米・1時間59分(IMDbでは118分)

日本語字幕:手描き風書体下、黄色、稲田嵯裕里/ビスタ・サイズ(1.85、デジタル、Arri ALEXA、ドルビー・ビジョン、IMAX)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、ドルビー・サラウンド7.1、dts:X、IMAX 6-Track、IMAX 12-Trackも)

(米PG指定)(日本語吹替版、IMAX版、ATMOS上映、4D上映もあり)

監督・製作:ジョン・ファヴロー
脚本:ジェフ・ナサンソン
撮影:キャレブ・デシャネル
声の出演:ドナルド・グローヴァー、
   ジェームズ・アール・ジョーンズ、
   キウェテル・イジョフォー、
   ビヨンセ、ほか

公式サイト
https://www.disney.co.jp/movie/lionking2019.html
(全国の劇場リストもあり)

多くの動物が平和に暮らすアフリカの王国、プライドランド。その国王、ライオンのムファサ(声:ジェームズ・アール・ジョーンズ)に、跡取りとなる息子シンバ(声:JD・マックラリー)が生まれ、お披露目される。ムファサはすぐに帝王学をシンバに教え始めるが、密かに王の座を狙うムファサの弟、スカー(声:キウェテル・イジョフォー)の謀略によってムファサは命を落とし、シンバは王国を追放されてしまう。


76点

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 これはもうほぼ実写。風景まで3D-CGだなんて信じられないほど。動物たちの毛並み、雨や雷などの自然現象、水…… まるで実写。動物たちの動きも、ここまでリアルに描いているのに、動きに違和感がない。作った感じがみじんもないとは。これだけでも見る価値がある。できるだけ大きなスクリーンで見た方が良い。それでもちっともデジタル臭さを感じない。ついに、ここまで来たか!

 ストーリー的にはまったくアニメ版と同じなので、そのままの展開。結末はわかっているのに感動する。1つには、この実写のような子ライオンに感情移入できるからだろう。ただ、その分、アニメのような大げさな表現は出来なくなっている。とはいえ、アニメほど強引な展開になっておらず、疑問なく、ちゃんと納得して見ることが出来る点も良い。イボイノシシとミーアキャットの弥次喜多的(C3POとR2D2的=「隠し砦の三悪人」の太平と又七的)コンビもちゃんと笑わせてくれる。名曲もたくさん。

 ほぼ実写で、動物たちが人間の言葉を話して演技する。しかもミュージカル!なんて、どこにも現実味はない。これが気になっていたのだが、見たらそんな不安は吹き飛んで、じっくりとライオン・キングの世界に入り込んで、楽しめた。もう1つの心配は、大ヒットしたアニメを意識しすぎで、カット割りまで同じようにしてCGに置き換えただけみたいになっていないかというものだったが(予告はそんなシーンがあった)、監督がインタビューで「CGに置き換えただけみたいにしたくなかった」とハッキリ言っていたとおり、一部オマージュ的にそっくりに撮ったカットもあったが、3D-CGならではの手法も取り入れた、実写の撮り方で作られていて、良かった。とすると、撮影監督は、画角や明るさ、被写界深度、パンの速度などを決めていったのだろうか。

 感覚的には「ベイブ」(Babe・1995・豪)に近いだろうか。あちらはしゃべる豚が主人公とは言え、実写がベースでそれに3D-CGで手を加えていったものだが、雰囲気は似ている。アレが受け入れられたら本作も問題なく受け入れられるはず。

 公開2日目の通常字幕版初回はちょっと遅いスタートで、4DやIMAXの方を優先しているようで、気に入らない感じ。2日前にネットで確保し、当日は13〜14分前に開場。若い人から中高年まで幅広く、若い人が多いのが目立つ。下は母に連れられた小学校低学年の男の子。字幕は大丈夫なんだろうか。男女比は4.5対5.5くらいで、やや女性が多かった。最終的には580席はほぼすべて、95%くらいが埋まった。さすが話題作。着いた時点、40〜50分前では初回のみが空席ありで、それ以降の回は残席わずかの表示だったけど。

 スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、CM・予告の途中で半暗になり、映画泥棒がありって…… そうか、ついに丸の内の劇場もドルビー・シネマになるのか。新宿はどうなるんだろう。で、映写機のマスクにフィルムのマスクが見切れて、二重のマスクのビスタで本編へ。スクリーンのマスクでクッキリと締めて上映して欲しかったなあ。

 1つ気になったのは、場内の予告が、ロビーの予告より遅れていることが多いこと。ロビーの方が新しかったり、長かったりする。ただロビーは音を抑えてあるので、わかりにくいし、周りが明るいのでやや見えにくい(場内も明るいことが多く見やすいとは言えないが)ということはあるものの、お金を払っている人には予告もちゃんと見せて欲しいなあ、と。


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