2019年9月7日(土)「SHADOW/影武者」

影・2018・中/香・1時間56分

日本語字幕:丸ゴシック体下、樋口裕子/シネスコ・サイズ(2.35、デジタル)/音響表記なし(IMDbではドルビー・デジタル、dts:X、ドルビーAMOS、ドルビー・サラウンド7.1)

(香IIB指定、日PG12指定)

監督・脚本:チャン・イーモウ
脚本:(IMDbではリー・ウェイも)
撮影:チャオ・シャオティン
出演:ダン・チャオ、
   スン・リー、
   チェン・カイ、ほか

公式サイト
http://shadow-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

領土の境(ジン)州を炎国に奪われた沛(ペイ)国の重臣、トトク(ダン・チャオ)は、和平を求める若き王(チェン・カイ)に無断で、一度は重傷を負わされた炎国の将軍ヤン・ツァン(フー・ユン)に1対1の対決を申し込む。これが国王の怒りを買い、無位無官にして追放される。すると主従関係がなくなったら何をしようと自由と対決に向かうものの、実はトトクはヤンに負わされた傷が元で病になった本物のトトクの影武者だった。一方、若き王は和平を強固なものとするため、妹のチンピン(グアン・シャオトン)をヤン将軍の息子ピン(ウー・レオ)に嫁がせようとしていた。


76点

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 血みどろの宮廷、陰謀、裏切り、美男と美女の愛憎物語。やはりチェン・カイコー作品だった。過去の「国王の紋章」(満城尽帯黄金甲・2007・香/中)などと同じような内容。ストーリーに関しては特にどうということはないが、とにかく絵が素晴らしい。もうほとんど墨絵の世界。それが実写で動く。本当にアートの世界。見事だ。

 際立つのは顔の肌色と血の赤。毛筆の書を書いた絹のスクリーンのようなものを何枚も立てた舞台セットもカッコいい。そんなセットばかりか衣装までモノトーンで、あえて顔に照明を当て、肌色を強調している。そして天気はずっと雨。空は曇天でモノトーン、遠くの山も雨にかすみ、靄がかかって、こちらも墨絵そのまま。武器である剣も黒と白の世界だ。特に傘型の武器がカッコいい。血はリアルでどす黒く、傷口が開くところまでデジタルで表現した。これが怖い。

 陰と陽、それを白と黒で表現したということか。陰陽のマーク、太極図が大きくフィーチャーされている。枯山水みたいな表現もスゴイ。

 公開2日目の初回、品川の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は15分前くらいに開場。ファミリー層が多い劇場なので、PG12指定のような作品だと、それほど混まないので助かる。観客層はほぼ中高年。若い人は1人か2人。最終的に117席に13人くらいの入り。女性は5人ほど。朝早かったこともあるが、これはちょっと寂しいかも。11席×1列のプレミアム席も空いたまま。

 スクリーンはフル・サイズ、ビスタで開いており、場内が明るくてよく見えないCM・予告の後、半暗になってようやく見やすくなった。そして映画泥棒から暗くなって本編へ。本編は映写機の上下マスクで上映。


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