2019年10月6日(日)「ジョン・ウィック:パラベラム」

JOHN WICK: CHAPTER 3 - PARABELLUM・2019・米・2時間11分

日本語字幕:丸ゴシック体下、松崎広幸/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Arri ALEXA、IMAX、ドルビーVISION)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・サラウンド7.1も)

(米R指定、日R15+指定)

監督:チャド・スタエルスキ
脚本:デレク・コルスタッド、
   シェイ・ハッテン、
   クリス・コリンズ、
   マーク・エイブラムス
撮影:ダン・ローストセン
出演:キアヌ・リーヴス、
   ハル・ベリー、
   イアン・マクシェーン、
   マーク・ダカスコス、
   ローレンス・フィッシュバーン、
   アンジェリカ・ヒューストン、ほか

公式サイト
http://johnwick.jp
(全国の劇場リストもあり)

裏社会の聖域とされるコンチネンタル・ホテルで殺人を犯したジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)は、全世界の殺し屋に抹殺命令が下り、1400万ドルの賞金がかけられる。さらに、裏社会の主席連合、ハイ・テーブルから裁定人(エイジア・ケイト・ディロン)がコンチネンタル・ホテルに派遣されてきて、直接指揮を取り、日本人の殺し屋ゼロ(マーク・ダカスコス)にジョン・ウィックの処刑を命じる。そしてジョン・ウィックに手を貸した者にも厳しい処罰が下される。


74点

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 ただひたすら、アクションがスゴイ。驚きとしか言い様がない。それも映画の間中ほぼ全編がアクション。息つく暇さえないほど。これは撮影は相当大変だったはずだ。そこに見る価値がある。IMDbでは7.6点の高評価。

 ただ、それと相反するように、ほとんど内容がないように感じた。監督はインタビューで、見どころはストーリーだなどといっていたが、ほぼストーリーはないに等しいのでは。そして残念なのは、日本人役のマーク・ダカスコスの日本語。あまりにたどたどしく、良く聞き取れない。もっとアクション並みにトレーニングを積むか、いっそのこと吹替にすれば良かったのに。重要な役で、アクションが良い分、余計に酷い日本語が目立ってしまっている。なにしろ、マーク・ダカスコスが日本語を話すたびに、場内では頻繁に苦笑いが起こっていたのだ。せっかくの緊張感あふれるシーンでも、一気に興ざめする。監督の責任じゃないかなあ。

 言うまでもなく、実弾で訓練に励んだというキアヌ・リーヴスは素晴らしい。俳優の鑑。そして、今回キアヌ・リーヴスなみに良かったのがハル・ベリー。彼女も実弾トレーニングを重ね、本物の技を体得している。犬も使った戦いは見事としか言いようがない。アカデミー賞女優でもここまでやるかと。「007/ダイ・アナザー・デイ」(Die Another Day・2002・英/米)でアクションができるのはわかっていたが、演出に助けられている部分も多々あったわけで、それが本作では自力がスゴイ。そして大女優のアンジェリカ・ヒューストンも、アクションはないが良い味を出している。

 格闘アクション満載で、R15+指定なので、かなり残酷なシーンも多い。ガラスなどは割れまくり。デジタル技術の進歩でガラスが直接目玉に刺さったりという絵が、実にリアルに描かれている。ヤクザ的な指詰めシーンもワンカットでぐさりと。苦手な人は注意が必要。

 銃は、たくさん出てくる。ミュージアムにはコルトM1851ネービー、M1860アーミー、レミントンM1875アーミー(シリンダーを取り換えたりするのは分かりにくいが、「続夕陽のガンマン」(The Good, the Bad and the Ugly・1966・伊/西/独)へのオマージュという話も)。基本はグロックで、ジョン・ウィックはSIG MPX、ベネリM2ショットガン(リロード・テクニックが素晴らしい)、STI 2011カスタムも使う。カサブランカのソフィアもグロックがメインだが、護身用のSIG P365でジョンを撃ち、愛犬の防弾ベストに入れておく。コンチネンタル・ホテルのコンシェルジュはH&KのP30とベネリM4スーパー90を使用。ジョンはドクターのところで、ボンド・アームズのデリンジャーも使う。コンチネンタル・ホテルの支配人はコルトM1903ポケットのシルバーを使用。ほかに、CZスコーピオンや、定番のMP5も登場。

 パラベラムとは、銃の世界では9mmパラベラム弾を指すことが多いが、もともとはラテン語の「Si Vis Pacem, Para Bellum」(汝平和を欲さば、戦への備えをせよ)の後半部分「戦への備えをせよ」。

 公開3日目の2回目、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は17〜18分前に開場。若い人から中高年まで幅広く、意外と女子も多い。ガン・アクションなのに? 最終的には男女比はほぼ半々。407席の98%くらいが埋まり、10席×2列のプレミアム席も1席を残して埋まった。すごいなあ。

 CM・予告の途中で半暗になり、マナーのあと暗くなって、まぶしい足元注意から映画泥棒で本編へ。

 フル・サイズの本編は、日本の独自編集らしい前作までの要約映像からスタート。何か、ビデオを家で見ているみたいでちょっと興ざめだったなあ……。

 ロビーから各スクリーンへ行く途中の通路に、ターミネーターのT800の実物大模型が展示してあった。金属のように見えたけど、めっきなんだろうなあ。それにしてもカッコいい。見る価値あり。


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