2019年10月14日(月)「ジョーカー」

JOKER・2019・米/加・2時間02分

日本語字幕:丸ゴシック体下、アンゼたかし/ビスタ・サイズ(1.85、デジタル、Arri ALEXA、IMAX、ドルビーVISION(IMDbではタイトルは35mmフィルム))/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、DATASAT、SDDSも)

(米R指定、日R15+指定)(IMAX版もあり)

監督・製作:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス、
   スコット・シルヴァー
撮影:ローレンス・シャー
出演:ホアキン・フェニックス、
   ロバート・デ・ニーロ、
   ザジー・ビーツ、
   フランセス・コンロイ、ほか

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/
(全国の劇場リストもあり)

ゴッサム・シティでは市のやり方に不満を持つ人も多く、街は荒れ、暴力事件も頻発していた。病気で高齢の母を抱え、派遣ピエロをしながらコメディアンを目指すアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は、自身も精神病から復帰したばかりで、たくさんの投薬を受けていた。しかし市の緊縮財政から支援が打ち切られてしまう。そんなとき、同僚のピエロから護身用にと拳銃を半ば強引に押しつけられる。そしてその拳銃を小道具に使おうと、小児科病棟へ持って行ったことからクビにされてしまう。


75点

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 うーむ、暗い。思いっきりネガティブな映画。落ちる。IMDbでは8.9点の超高評価! ヴェネツィア映画祭金獅子賞受賞! いろんな映画があって良いと思うけれど、ボクは合わなかった。精神的に弱っている人は、見ない方が良いと思う。最も元気のいい時に見た方がいいかも。

 映画の出来としてはレベルが高いと思うが、お金を払ってこんな気分になるというのはどうなのか。内容も暗いし、映像も暗いし(雨の日が多いし、電車は地下鉄とかで空がない)、一部ちょっとコントラプンクトが使われているが、曲も徹底的に暗い。こんなにネガティブを描いてどんでん返しも、解決もなく、何の意味があるのだろう。大変な苦難はわかった。しかし見たいのはそれをどう解決したか、あるいはそれを克服したか、あるいはそれをどう受け入れて生きていこうとしたか。戦う姿とか勇気の物語。現実にはそんなものはないのかもしれないけれど、そうでなければ見る意味がない気がしてしまった。

 悲惨な生い立ちと、悲惨な現状。人生は悲劇だと。だからといって、確かに悪い奴らだけど、人を殺していいのかと。バットマンのスピンオフとはいえ、バットマン無しのDCコミックはなあ。とは言っても、ホアキン・フェフェニックスの演技はうますぎ。竹中の笑いながら怒る人じゃないが、笑いながら泣くシーンなど実に悲しく見事。うまいから感情がよく伝わってくる。だから主人公と同じような気持ちになって、落ちる。

 時代感を出すためか、のっけから古いスタイルのタイトルやクレジットの見せ方。黄色文字は昔良くあった。エンディングも同様。ロールにせず、1枚画面での見せ方。こだわっているのだが。本編ではタバコもすぱすぱ。

 監督はトッド・フィリップス。たしか裏アカデミーのラズベリー賞を受賞した「スタスキー&ハッチ(未)」(Starsky & Hutch・2004・米)の監督。日本では劇場公開さえされなかった。その後オバカ映画「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(The Hangover・2009・米/独)シリーズも監督している。「スタ……」は見ていないが、「ハング……」はなあ。

 銃は、同僚からもらって使うのがS&WのM36チーフスペシャル。imfdbでは第3世代のコルト・ディテクティブとしているが、そうかなあ? 5連発で、シリンダーのロックもあったと思う。ただ、連射するシーンなど発射数が5発以上になっていた(7発くらい撃っている)が…… どす黒い血が噴き出し、かなり怖い。そしてそれより凶器として使うハサミのほうが怖かったが。刑事もM36。3インチくらいあったような気も。

 公開11日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は着いた時点で全回が完売の表示。前日が台風の影響で閉館していて、その翌日の祝日とは言え凄いなあ。しかも一番キャパの大きなスクリーン。20分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かったが、意外なことに高は少なかった印象。珍しい。逆に若い人がギリギリで増えて行った。男女比は半々くらい。最終的には499席は本当にほぼすべて埋まり、9席×2列のプレミアム席も全て埋まった。

 CM・予告、マナーから、暗くなってTCXのデモ、まぶしい足元注意の映画泥棒で、映写機の左右マスクで本編へ。スクリーンが締まらないなあ……。

 ちなみに、40〜50分前くらいに到着した時点で、多くの作品が全回とも完売か残席わずかの赤表示と黄表示。3本の作品だけがほぼ全回、通常表示で、人気がないのかなあ。それは「クロール」と「最高の人生の見つけ方」と「空の青さを知る人よ」の3本。うむむ、どうなんだろう。

 今回も振動が伝わってきて、不快だった。


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