2019年10月15日(火)「クロール-凶暴領域-」

CRAWL・2019・米/セルビア/加・1時間27分

日本語字幕:手描き風書体下、風間綾平/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Arri ALEXA)/ドルビー・デジタル

(米R指定、日PG12指定)(4D上映もあり)

監督:アレクサンドル・アジャ
脚本:マイケル・ラスムッセン、
   ショーン・ラスムッセン
撮影:マキシム・アレクサンドル
出演:カヤ・スコデラーリオ、
   バリー・ペッパー、ほか

公式サイト
http://crawlmovie.jp
(全国の劇場リストもあり)

フロリダ大学競泳チームの女性メンバー、ヘイリー(カヤ・スコデラーリオ)は州外に住む姉のベス(モーフィッド・クラーク)からの電話で、カテゴリー5の最大クラスのハリケーンが迫る中、父のデイヴ(バリー・ペッパー)と連絡が付かなくなったと聞かされる。風雨が強くなる中、ヘイリーが向かうと父の住む地区はすでに警察によって封鎖され、進入できない。しかし制止を無視して家へ向かうと、父の姿が見当たらなかった。


74点

前へ一覧へ次へ
 B級映画に良くあるパターン。助けに来る人がやられるとか。しかし、なかなか怖くて、ホラーに近いパニック映画、ディザスター映画というかサバイバル映画。思いがけずドキドキした。B級的に楽しめた。ただ、主人公のキャラが、戦う主人公、強い性格のタフなヤツでなければならないためだろう、いつも挑戦的というかケンカ腰で、どうにも好きになれない。そこが最大の難点か。感情移入しにくい。いろんな局面で、決して諦めず、がんばっているのに……。IMDbでは6.3点と微妙なライン。

 それにしても、最近は災害と同時にもう1つの物語が展開することが多い気がする。たとえば1月に公開された「ワイルド・ストーム」(The Hurricane Heist・2018・米)もハリケーン+紙幣強奪だった。デンゼル・ワシントンの「イコライザー2」(The Equalizer 2・2018・米)のラストはハリケーンの中での対決だったし。

 ずっと水に浸かっている感じで、撮影は大変だったんだろうなと。ほぼカヤ・スコデラーリオとバリー・ペッパーの2人芝居。TVムービー並みの87分なので、低予算のお手軽なヤツかと思ったら、かなり本格的で、ワニなんて本物のように見えた。意外と87分は短くない。加えて、多くのワニに同時襲撃されて人体が四散するなど、びっくりの残酷シーンもあり、血も相当出る。苦手な人は要注意。

 台風19号に襲われた日本と重なる部分が多々あって心が痛かったが、アメリカのフロリダなどでは、洪水になると水や泥だけでなく、ワニまで出てくると。これは恐ろしい。ほとんど「ジョーズ」(Jaws・1975・米)の世界。これがやりたかったんじゃないかなあ。

 主演のカヤ・スコデラーリオは、どこかで見たなあと思ったら、「メイズ・ランナー」(The Maze Runner・2014・米/英)に出ていた人。やっぱりキツイ役だった。その後「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」(Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales・2017・米)にも、ジャック・スパローと一緒に処刑されそうになる天文学者の役で出ている。

 監督のアレクサンドル・アジャは、あの強烈なフランスのバイオレンス・ホラー「ハイテンション」(Haute tension・2003・仏/伊/ルーマニア)を撮った人。やっぱり女性が強かったっけ。ほかにキーファー・サザーランドの韓国ホラーのリメイク「ミラーズ」(Mirrors・2008・米/ルーマニア/独)も撮っていて、最近ボクが見た作品だとショッキングな悲しいミステリー「ルイの9番目の人生」(The 9th Life of Louis Drax・2016・加)もそう。

 銃は、警察官がグロックを持っている。これをワニの口の中で連射。びっくりしたが、ワニのリアクションがないのが残念。効かないのだろうか。

 タイトルのクロールは、ワニなんかの這うだと思っていたら、水泳のクロールも掛けたものだったんだ。なるほど。

 公開5日目の平日の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日はお昼くらいでも空いているのではないかと思ったら、意外と若い人が多く混んでいた。しかもカップルで。大学生だろうか。15分前くらいに開場となり、場内へ。このスクリーンは高齢者が多く、最初15人ほどいて、若い男性は1人か2人、女性は若い人が1人に、高が2人。最終的には128席に35人くらい。うち女性は6〜7人。平日はこんなものだろう。ちょっと寂しい気もするが、ゆったり見られて嬉しい。

 シネマ・チャンネルから、半暗になってCM・予告のあと、暗くなって足元注意から映画泥棒で、フル・スクリーンの本編へ。


前へ一覧へ次へ