2019年11月18日(月)「残された者-北の極地-」

ARCTIC・2018・アイスランド・1時間37分(IMDbでは98分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、チオキ真理/シネスコ・サイズ(表記なし、IMDbでは2.35、レンズ、デジタル、Arri)/音響表記なし(公式サイトでは5.1ch、IMDbではドルビー・デジタル)

(アイスランド12指定、米PG-13指定)

監督:ジョー・ペナ
脚本:ジョー・ペナ、
   ライアン・モリソン
撮影:トーマス・ウルン・トーマソン
出演:マッツ・ミケルセン、
   マリア・テルマ、ほか

公式サイト
http://www.arctic-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

北極地帯に不時着した飛行機で1人生き残った男、オボァガード(マッツ・ミケルセン)は、壊れた機体をシェルターにして、毎日雪原にSOSの文字を書き直し、魚を釣り、決まった時間に救難信号を発信し、救助隊を待ち続けていた。そんなある日、救難信号に反応があり、救助ヘリがやって来るが天候が急変して墜落、パイロットは死亡、助手席にいた女性(マリア・テルマ)が重傷を負う。救助に向かったオボァガードは女性を救出し応急手当てをするも、言葉が通じない。そして運び出した食料や機材の中に地図を見つけ、近くに某国の観測基地があることを知ると、彼女を担架に乗せ、歩いてそこを目指す決心をする。


74点

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 ほぼ独り芝居のサバイバル映画。緊張感がずっと持続し、感情も良く伝わってくる。だから落ち込む。IMDbでは6.8点の高評価。ただボクは合わなかった。見るなら精神的にタフな人で、元気な時限定かなと。お金を払ってネガティブな感情になりたい人用かも。最初の30分くらいはセリフもなし。だから状況も良くわからない。そこからストレス。見ようか迷っていたのだが、水道の工事で1日水が止まるというので、家を空けることにした次第。うむむ。

 サバイバル映画とは良いながら、印象としては絶望を描いたに等しい。バランスが極めて悪い。与えられたストレスに対して、得られるカタルシスはほんのわずか。感覚的には99.9%のストレスに対して、カタルシスはほんの一瞬で0.1%くらい。つまりボクにとっては極端にストレスのたまる映画だった。脚本と監督を担当したジョー・ペナという人は異常なほどのサドなのではないかと思ったほど。それにしても、嵐になるような日に救助ヘリを飛ばすだろうか。いくら天候は急変するかもしれないとは言え、ご都合主義過ぎないか。

 環境としては、極寒ということで、冬山でも一緒なのかもしれない。極地を舞台にした映画だと「南極日誌」(Namgeuk-ilgi・2005・韓)という映画もあり(本作は北極だが)、ああいう面白い方向に行けないのかと。すべてエンターテインメントで楽しければ良いというわけではないが……。なんでも、最初は火星かの設定だったのが、北極になったとか何とか。主人公をいじめられるところなら、どこでも良かったのだろう。

 公開11日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は20分前くらいに開場。観客は平日ということもあり、基本、引退した高齢者か、比較的時間が自由になりやすい大学生といった感じだが、本作は1週間以上たっていることにあってか、226席にオヤジが5人くらい。まあこんなものでしょう。この人数のために上映して、掃除して、いろいろ映画館も大変だなあと。

 スクリーンはビスタで開いており、10分前くらいから曲が流れて、CM・予告へ。スクリーン回りは暗いので、場内が明るくても見やすかった。途中でほぼ暗くなって、最後にスクリーンの両サイドが左右に広がりシネスコ・サイズになって暗くなり、映画泥棒で本編へ。




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