2019年11月23日(土)「ゾンビランド:ダブルタップ」

ZOMBIELAND: DOUBLE TAP・2019・米/加・1時間39分

日本語字幕:丸ゴシック体下、表記なし/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、Arri、IMDbではドルビーVISION)/ドルビー・サラウンド7.1

(米R指定、日R15+指定)(日本語吹替版、4D上映もあり)

監督:ルーベン・フライシャー
脚本:レット・リース、
   ポール・ワーニック、
   デヴィッド・キャラハム
撮影:チョン・ジョンフン
出演:ウディ・ハレルソン、
   ジェシー・アイゼンバーグ、
   エマ・ストーン、
   アビゲイル・ブレスリン、
   ゾーイ・ドゥイッチ、
   ロザリオ・ドーソン、ほか

公式サイト
https://www.zombie-land.jp
(全国の劇場リストもあり)

ゾンビであふれる世界で、わずかに残った人間は密かに隠れ住みながら生き延びていた。そしてゾンビの中にも、動きの遅いホーマーや、なかなか死なないタフなT-800、動きが速く音もなく忍び寄るニンジャなどの新種が現れていた。そんな中、タラハシー(ウディ・ハレルソン)、コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)、ウィチタ(エマ・ストーン)、リトルロック(アビゲイル・ブレスリン)の4人は、ゾンビの入り込んでいないホワイトハウスにたどり着き、そこに住むことにする。ところが、男たちの束縛を嫌った女性陣は2人で車に乗り出て行ってしまう。そんな時、残された2人の前に、フリーザーの中で生き延びたという人間の若い女性マディソン(ゾーイ・ドゥイッチ)が現れる。


74点

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 日本でもR15+指定というだけあって、なかなかの残酷表現。冒頭からスローモーションで銃を撃ちまくり。相手は死人なので、まったく罪悪感なしで、何をやってもOKという感じ。死者に対するリスペクトは一切不要。むしろ頭を吹っ飛ばして、永久に葬ってやった方が、人類にとっても、本人にとっても良いという、まことに都合の良い存在。それにしても、たぶん実際にはできないと思うけれど、頭を踏みつぶすなんて。そして、ゲロるところをしっかり見せるなんて。

 前作同様、痛快ではあるけれど、今回はあまり内容がなく、ロード・ムービーではありながら、ロード・ムービーのための旅のような感じで、感動などはなく、見終わっても何も残らない。このへんが前作との違いか。たぶんセリフが面白いようなので、英語がわかるともっと笑えるのだろうが、日本人的にはそこが1つのハードルになっている感じ。前作は、言葉の面白さ以外でも笑わせてくれたような気がするが。本作は数回パラパラと笑い声が上がっていた程度。

 驚いたのは前作から10年も経つと、少女は大人になるんだなあ、ということ。男たちはあまり変わった感じはしないが、エマ・ストーンは「ラ・ラ・ランド」(La La Land・2016・米/香)でオスカーをとって、31歳になって、「リトル・ミス・サンシャイン」(Little Miss Sunshine・2006・米)でオスカー候補になったアビゲイル・ブレスリンは前作以降パッとした作品に恵まれないようだが、23歳になって(ちょっとポッチャリした?)すっかり大人。そして2人とも、大女優なのに、特にエマ・ストーンは選び放題だろうに、あえてこういうゲテモノ系にも出てくれるんだという驚きも。

 今回光っていたのは、ピンクのぶりっ子、マディソンを演じたゾーイ・ドゥイッチ。オバカな感じが実に見事。しかもゾンビ化した時の特殊メイクがまた見事で、演技のうまさとも相まって、怖いほどのリアリティだった。なんと母は、あの傑作SF「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(Back to the Future・1985・米)のヒロイン、ロレインを演じたリー・トンプソン。血なんだなあ。これまでTVから徐々に映画に出るようになったようだが、作品に恵まれなかった模様。今後は注目かも。

 銃は、タラハシーがM92ランダル・カスタムとベレッタ92、コロンバスがモスバーグ500ショットガンとシルバーのパイソン2.5インチ、ウィチタがHちひらそのグレネード・ランチャー付きM4カスタムと シルバーのP226、リトルロックがMP5とPPK。彼らが乗る車両にはM134ミニガンを搭載。タラハシーがリトルロックにプレゼントするのが、シルバーの彫刻入り、パール・グリップ付きM1911オート。ハウンドドック・ホテルりネバダがSAAの4-3/4インチ、といったところ。

 予告では、ホワイトハウスで葉巻きをくわえたタラハシーに、ウィチタがクリントのオモチャかもというカットがあったが、本編ではなくなっていた。下品すぎるという判断か、ヤバいという判断か。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は20分前くらいに開場。若い人から中高年まで、割と幅広く、女性が1/4ほど。最終的には117席に8.5割くらいの入り。朝一なのでこんなものか。

 それにしても、塩味のポップコーンのしょっぱいこと。一番小さなサイズでも1日分の塩分が取れたようなしょっぱさ。血圧が上がっていなければいいが。確かに、やけどするほど熱いホット・コーヒーはうまくなったけど、カフェ・オレは相変わらずかなあ。

 シネマ・チャンネルのあと半暗になって、CM・予告から、マナーがあって暗くなり、映写機のマスクが左右に広がって、白黒反転して欲しいまぶしい足元注意、映画泥棒ときて本編へ。

 冒頭のコロンムビアの女神のロゴからギャグあり。そしてラストのクレジットあとにもビル・マーレーのギャグがある。見逃さぬよう。


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