2019年1月25日(土)「キャッツ」

CATS・2019・英/米・1時間49分(IMDbでは110分)

日本語字幕:手描き風書体下、石田泰子/シネスコ・サイズ(表記無し、2.39、デジタル、IMDbではArri ALEXA 65)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタルも)

(英U指定、米PG指定)(日本語吹替版、IMAX版もあり)

監督・製作:トム・フーパー
原作・製作総指揮:アンドリュー・ロイド・ウェーバー
   (ミュージカル)
脚本:リー・ホール、
   トム・フーパー
撮影:クリストファー・ロス
出演:フランチェスカ・ヘイワード、
   ジェニファー・ハドソン、
   イドリス・エルバ、
   イアン・マッケラン、
   テイラー・スウィフト、
   ジュディ・デンチ、ほか

公式サイト
https://cats-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

イギリス、ロンドン。ある夜、雌の白猫ヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード)がゴミ捨て場に捨てられる。しかし、そこにはたくさんのジェリクルと呼ばれる猫たちがいて、今夜、生まれ変わることができる猫が1匹だけ選ばれる日だと、特別な舞踏会が行われる会場へとヴィクトリアを誘っていく。


71点

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 うーむ、これは……。まず、冒頭からシネスコなのに手持ちカメラで動かしすぎ。目が回る。ちっともカメラに落ち着きがない。そのため、最初からまったく話が入ってこない。気持ちが悪い。さらに、猫の世界を描くファンタジーだからなのか、普通にしゃべるセリフを使わず、もちろんナレーションなども使わず、ほぼ歌でつないでいくスタイルなので、よほどのミュージカル好きでないと付いていけないのではないか。ボクはダメだった。ぜんぜん詞の内容が入ってこない。基本は普通の話し言葉のセリフでの会話で、ここぞということろ、感情が盛り上がったところで歌というのならすんなり入ってくると思うのだが……。だから、感情も伝わってこず、なんの話なんだか。IMDbでは、2万3千人以上が投票して驚きの2.8点の低評価!

 感動したのは、ラストのラスト、ジュディ・デンチ演じる長老猫デュトロミーがカメラに向かって、「猫は気高い生き物なの」と猫との付き合い方を語りかけるシーン。どんどん話し掛けて良いけれど、まず信頼を得なければ……とか何とか。そうだなあと。ゴロゴロいって寄ってきてくれたら、本当に嬉しいもんなあ。とても納得。でも、これはストーリーとは関係ないじゃん!

 美術は素晴らしい。リアルというより舞台の延長という感じだが、きれい。絵画的。手が掛かっている。そしてCG使いまくりで、シーンのつなぎ目がスムーズ。カットなく室内からそのまま屋外になったりする。また、たぶん登場人物などもほぼCGのよう。猫の動く耳、ヒゲ、尻尾、そして滑らかな毛並みを表現するのに、スーツ(着ぐるみ)やメイクではできなかったのだろう。モーション・キャプチャーだろうから、動きは超自然でスムーズ。ワイヤー・ワークの感じまで修正されずにそのまま使われている感じ。確かに作った感は薄い。そのためラストのクレジットのデジタル・アーティストの多いこと。延々続く。贅沢な映画。この辺は見所だと思う。

 気が付いたのは、この猫メイクというか、CGだから猫化か、合う人と合わない人がいるらしいこと。すごくかわいくなる人と、ならない人がいる。主人公のヴィクトリアを演じたフランチェスカ・ヘイワードはピッタリはまってとてもかわいくセクシーになっている。バレエは出過ぎの感じがしたが。テイラー・スウィフトなんかは逆に魅力が引っ込んでしまった感じ。ジュディ・デンチやイアン・マッケランなどは違和感なし。いろいろだ。

 気球が遠ざかっていくエンディングは、まるで「天空の城ラピュタ」(1986・日)のエンディングのようだった。

 公開2日目のATMOS上映版、初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は20分前くらいにビルが開いて、15分前くらいに開場。トイレへ行って、チラシを見て……すぐに時間切れとなった。前評判が伝わっていたのか、意外に観客は少なかった。年齢的には若い人から中高年まで幅広く、男女比は3対7くらいで女性の方が多かった。最終的には499席に3割くらいの入り。9席×2列のプレミアムは5席ほどが埋まった。公開早々、この入りでは厳しいかも。

 シネマ・チャンネルのあと半暗になり、CM・予告から暗くなってTCXのデモ、ドルビーATMOSのデモ、足元注意、映画泥棒と続き、本編へ。

 もう予告の段階から4Dスクリーンの振動が伝わってきて、不快だった。かなり長い間で、嫌だなあと。どうにかしてよ!


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