ビスタ・サイズ(撮影機材表記なし)/音響表記なし
(バリアフリー上映、一部日本語字幕付き上映もあり)
監督:中田秀夫 原作:『事故物件怪談 怖い間取り』 松原タニシ(二見書房) 脚本:ブラジリテー・アン・山田 撮影:花村也寸志 出演:亀梨和也、奈緒、 瀬戸康史、江口のりこ 木下ほうか、真魚、ほか |
結成10年目のお笑いコンビ「ジョナサンズ」の2人、山野ヤマメ(やまのやまめ、亀梨和也)と中井大佐(なかい???、瀬戸康史)は舞台でもネタがウケず、解散することに。中井はTVの放送作家を目指すことになり、京阪TVのプロデューサー松尾(まつお、木下ほうか)に、ピン芸人としてヤマメを紹介する。するとひょんなことから事故物件に住んで心霊現象が撮影できたらコーナーを作ってやるということに。ヤマメは仕事が欲しい一心で、物件探しを始める。
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うむむ、印象としては「予告」の方が怖かったような。本編でズバリの映像を見てしまうと、逆に怖くないような。つまり、よくわからないものとか、あやふやなものとか、正体がわからないから怖いと。それがたぶんデジタルの鮮明な映像で見せられると、いかにも作り物のようで怖さが半減しているのでは。だからあやふやな予告は、本編が見られないのではないかと思えるほど怖かった。 ただ設定は怖い。状況が怖いし、いつ出てもおかしくない怖さ。それと、ドラマ部分がリアルで説得力があり、状況がよく伝わってくる。この辺が中田監督のうまさか。とにかく視聴率至上主義のテレビ業界が怖い。P(プロデューサー)が思いつきで、事故物件に住んでみろと言い、何か撮れたら新コーナーを作ってやると。売れない芸人に限らず、TVに出たいと思っている人なら危険を顧みず飛びつくだろう。どこどこから飛び降りろとか、極端な話、銀行強盗をして来いとか、そういうのと一緒。それがまかり通る。 一方で、ところどころ笑えるのもグッド。怖い状況というのは、笑える状況と紙一重なのかも。ただ、昭和の特撮TVみたいな銀色の顔の悪魔的な存在ってどうなんだろう。霊の上に位置する存在? 西洋人、キリスト教徒といった人たちには怖いのだろうけれど、日本人的にはちっとも怖くない。霊の方がよっぽど怖いのに、台無しにしていないか? それに、原作のタイトルでもあるが、間取りはちっとも怖くない。いたって普通。そして、タイトル前が長い! メインの3人を演じた亀梨和也、奈緒、瀬戸康史はとても良かった気がする。そして松尾Pを演じた木下ほうかも業界人らしい嫌らしさが良く出ていて、グッド。ただ、顔見せ的なゲストとか友情出演的な人たちは、ほんとにそこだけで、うまい下手とかより、浮いている感じがして興ざめだった。いい味を出していたのは不動産屋の事故物件担当(?)横水を演じた江口のりこ。とぼけたクールな感じが良かった。そういえば「仮面病棟」(2020・日)でも看護師役でいい味を出していたっけ。この人は注目かも。 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は22〜23分前に開場。若い人から中高年まで幅広く、男女比はほぼ半々。下は父親に連れられた小学生らしい女の子。最終的には407席のコロナ座りに95%くらいの入り。さすが話題作。10席×2列のプレミアム席もコロナ座りで半分くらい埋まった。 シネマ・チャンネルからCM・予告、ドラえもんマナー、さらに予告と続き、マナーのあと暗くなって足元注意、映画泥棒、映倫があって、ようやく映写機の左右マスクで本編へ。 |