2020年9月26日(土)「ウルフズ・コール」

LE CHANT DU LOUP・2019・仏・1時間55分

日本語字幕:丸ゴシック体下、大城哲郎/シネスコ・サイズ(IMDbでは2.39)/ドルビーAtmos(公式サイトでは5.1ch)

(日PG12指定)

監督・脚本:アントナン・ボードリー
撮影:ピエール・コッテロー
出演:フランソワ・シヴィル、
   オマール・シー、
   マチュー・カソヴィッツ、
   レダ・カテブ、ほか

公式サイト
http://klockworx-v.com/wolfscall/
(全国の劇場リストもあり)

フランス海軍の潜水艦チタン号の乗組員シャンテレッド(フランソワ・シヴィル)は、耳の良さを活かしたソナー要員をつとめ、その分析力で皆から一目置かれ、ドルシ副艦長(オマール・シー)やグランシャン艦長(レダ・カテブ)の信任も厚かった。しかし、シリアでの特殊部隊の回収任務で正体不明の艦船の分析を誤り重大な危機を招いてしまう。艦長の気転で難を逃れ帰還したものの、シャンテレッドは、その時聞いたソナーの音を忘れられないでいた。そんな時、海軍大将(マチュー・カソヴィッツ)に呼び出されたグランシャンはあらたに原子力潜水艦レフローヤブル号の艦長に任命され、ドルシはチタン号の艦長に任命される。

73点

前へ一覧へ次へ
 最初ハリウッドのようなB級アクションを予想していたのだが、違った。良い方に裏切られた。予告の感じから、てっきり、超能力者並に優れた聴覚をもった1人の男の活躍で、第三次世界大戦の危機から人類を救うというお話かと思った。ところが、そこはフランス映画。一筋縄では行かない。もっと主人公はひねくれていて、物語もひとひねりもふたひねりもされていた。それゆえ、単純に痛快とか爽快というわけには行かないが、心に残る感動がある。ちょっぴり大人向けというか……。

 ただ、主人公であるだろうシャンテレッドのキャラクターが、ヒーロー・タイプではないにしても、ちょっと情けない感じなのが惜しい。感情移入しにくい。ダメでもがんばっている感じがあれば応援できるのに、いかんせんすぐ逃げるタイプで…… なんかなあ。出演者でボクが見たことがあるのは、副艦長を演じた「最強のふたり」(Intouchables・2011・仏)や「インフェルノ」(Inferno・2016・米/ハンガリー)のオマール・シーと、海軍大将を演じた「アメリ」(Le fabuleux destin d'Amélie Poulain・2001・仏/独)や「ミュンヘン」(Munich・2005・仏/加/米)などに出ているマチュー・カソヴィッツくらいかなあ。

 監督・脚本のアントナン・ボードリーという人はTV出身の人らしく、映画は本作が初めてのよう。ラストのハラハラ感はなかなか良かった。

 銃は、冒頭の特殊部隊がSIG サウンド・サプレッサー付きHK416らしいカービンと、SG551らしいカービンを使用。M4もあったかも。シリア兵はAK。陸のフランスの警備兵はFAMAS。潜水艦内で、核ミサイル発射の回路基板と一緒に金庫に入れられているハンドガンはグロック。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は10分前くらいに開場。ほとんど中高年のオヤジで、ここはアニメとオヤジの劇場化しているような雰囲気が。若い人も少しはいた。最初17〜18人いて、女性は2人。最終的には137席の全席解禁に3.5割くらいの入りだったろうか。まあ戦争映画だし、有名スターも出ていないし、こんなものか。

 スクリーンはビスタで開いていて、CM・予告の途中でほぼ暗くなり、見やすくなって、Tジョイ20周年からスクリーンの上下が狭まってシネスコ・サイズになり小さくなったなあと思ったら、映画泥棒、映倫と続いて暗くなり、本編へ。

 それにしても、ギリギリまででっかいスマホを操作しているヤツがいて、まぶしいっての。じゃま。


前へ一覧へ次へ