2020年10月18日(日)「スパイの妻 劇場版」

WIFE OF A SPY・2020・NHK/NHKエンタープライズ/Incline/CIエンタテインメント・1時間55分

ビスタ・サイズ(NHKでは8K)/音響表記なし(ドルビー・デジタル?)


監督:黒沢 清
脚本:濱口竜介、野原 位、
   黒沢 清
出演:蒼井 優、高橋一生、
   東出昌広、ほか

公式サイト
https://wos.bitters.co.jp
(全国の劇場リストもあり)

1940年、神戸。貿易会社の社長、福原優作(ふくはらゆうさく、高橋一生)は、妻の聡子(さとこ、蒼井 優)とともに大きなお屋敷で、執事やお手伝いさんと暮らしていた。やがてアメリカとの戦争の気配が濃厚となり、優作は物資を求め、甥で社員の竹下文男(たけしたふみお、坂東龍汰)を伴って満州へと出張する。ところが、帰国すると文男は小説家になると言って会社を辞めることに。さらに聡子は、幼なじみの憲兵隊分隊長、津森泰治(東出昌広)から呼び出され、優作が満州から連れ帰った女性、草壁弘子(くさかべひろこ、玄理)が亡くなったが何か知らないかと問いただされる。


71点

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 うむむ……。115分が長く感じる映画。冗長な印象も。衝撃的ではあるものの、暗く、落ち込むような内容。元気な時でないと、ガックリくる。

 音はサラウンドで良く回っていた気がするが、画質は統一感がなく、途中でセピア的になったり、フィルム調の仕上げのためか、時代感を出すためか、解像度もいまひとつ。

 突然、親しげな人が出てきたりいなくなったりするのは、TV版を再編集して劇場版としたからだろうか。とすれば冗長な感じも、色調の変化も、唐突な展開も、低予算な印象も納得が行く。

 低予算ゆえか、起きたことを映像ではなくセリフで語ってしまうのは、いかがなものかと。映画なんだから映像で語って欲しかった。だからちょっと映画らしさが希薄な感じも。

 ストーリーは展開が遅いものの、衝撃的ではある。人体実験うんぬんより、妻や夫の行動が。さらに深読みもできるような感じで、すべてが2人の壮大な仕掛けとも……  いや、それは作り過ぎか。でもそうなればハッピーエンド的な…… ありえないか。

 黒沢清監督らしいホラーのテイストはあちこちに見られる。雰囲気としては同じ黒沢監督の「回路」(2000・日)や「CUREキュア」(1997・日)と似ている。やっぱりかなりダーク。

 銃は、軍がたぶん三八式歩兵銃。パテ9mmの自主映画では1911オートか。ほかにFN M1910や二十六年式リボルバーもあったような。銃器特殊効果はビッグショット。

 公開2日目は舞台挨拶かあるということでパスし、比較的混まないと思われる公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は22〜23分前に開場。中高年がほとんどで。メインは高齢者。最初14〜15人いて、女性は3人ほど。最終的には232席のフル座席に3.5〜4割ほどの入り。

 スクリーンはシネスコで開いていて、CM・予告から暗くなって、マナーのあと映写機の左右マスクで本編へ。なぜ? スクリーンの幕でマスクしてくれた方が画面が締まっていいんだけどなあ。


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