2020年12月5日(土)「サイレント・トーキョー」

2020・製作:Silent Tokyo Film Partners/製作幹事:電通 東映・1時間39分

シネスコ・サイズ(IMDbでは2.35、レンズ、Phantom Flex4KとSony CineAlta Venice)/音声表記なし(IMDbではドルビー・デジタル)

(『HELLO! MOVIE』方式による視覚障害者用音声ガイド、聴覚障害者用日本語字幕付き、一部日本語字幕付き上映もあり)

監督:波多野貴文
原作:『サイレント・トーキョー
   And so this is Xmas』(河出文庫)
   秦 建日子
脚本:山浦雅大
撮影:山田康介
出演:石田ゆり子、中村倫也、
   西島秀俊、佐藤浩市、
   広瀬アリス、ほか

公式サイト
https://silent-tokyo.com
(全国の劇場リストもあり)

12月24日、東京。TV局の報道部に恵比寿のツリーに爆弾を仕掛けたという電話があり、真偽不明のまま、先輩ディレクターとバイトADの来栖公太(くるすこうた、井之脇 海)が現場に駆けつける。するとツリー横のベンチに座った主婦、山口アイコ(やまぐちあいこ、石田ゆり子)が犯人に監視されているからと、カメラを回わさせるとディレクターをベンチに座らせる。ベンチ裏に爆弾が仕掛けられていて、立ち上がると爆発するという。さらに来栖の手首に爆弾ブレスレットをはめ、犯人の指示で、館内放送で人々に逃げるように言わなければならないと、2人で守衛室に向かう。ところが守衛室で事情を説明していると最初の爆発が起きる。


74点

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 思ったよりハラハラドキドキ、楽しめた。たぶん犯人の1人はすぐにわかるが、単独犯なのか、複数犯なのかわからず、最後まで怪しい人物がいっぱい。そこが面白かった。キャストも豪華だし。

 ただ、人物が多いためにそれぞれの実物の描き込みが少なく、心情などはわかりにくかった。ちょい役なのに有名キャストだと、もちろんうまくて良いのだが、もっと意味があるのかと思ってしまう。それが、たった1シーンだけの出演だったり…… 狙ったミス・リードだろうか? また犯人の動機の部分は、もっと強烈なエピソードでないと納得できないというか、理解しにくいかと。特に自衛隊パートは、訓練も実戦もちょっと弱い感じ。そのあとの「学校」の部分も理解しづらかった。だいたい生活費はどうやって稼いだんだ。

 東京の観光名所を次々と爆破して行く展開は映画っぽく、スケールが大きくお金も掛かっている。特に渋谷のシーンは本当に渋谷で撮影したように見えて素晴らしかった。合成などの特殊効果も自然。爆発も迫力があった。

 気になったのは、割と叫ぶ人が多く、狙いなのか、とても気に障った。イライラさせられる。叫ぶ必要のないところなのに、ヒステリーちっくな過剰反応じゃないかと。そして人が爆発で飛び散ったり、足から骨が出ていたり、血がスローでほとばしったりと、かなりの残酷表現もあるが映倫の指定はG。たばこもよく吸ってたなあ。

 銃は、刑事や警官たちが、たぶんS&W M360Jサクラを使う。ただ、構えた時に「スチャ」なんていう音がするのは昔の映画の影響がまだ残っているのか。こんなに音がしたら、歩くたびにスチャスチャとうるさくてしようがないでしょ。

 監督はTVの「SP(エスピー)警視庁警備部警護課第四係」(2007・日)の演出から劇場版の監督も務めた波多野貴文。なるほどアクションも行けるわけだ。脚本はTVで活躍する「ルーズヴェルト・ゲーム」(2014・日)などの山浦雅大。劇場作品ではSFハード・アクションの「亜人」(2017・日)を書いている。この辺も納得かなと。

 公開2日目の初回、日本橋の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は13〜14分前に開場。観客層はやっぱり中高年で、男女比は半々くらい。最終的には226席フルに7.5割くらいの入り。9席あったプレミアム席も6席が埋まった。なかなか好調のよう。

 CM・予告の途中でマスクの注意が出て半暗になり、マナーの後、暗くなって足元注意からフル・スクリーンの大きな映画泥棒、映倫があって、スクリーン・フルであまり画質の良くない東映マーク。東宝の劇場で観ると違和感があるなあ。そして本編へ。


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