2020年12月15日(火)「新解釈・三國志」

2020・日本テレビ放送網、東宝、アミューズ、読売テレビ放送、バップ、KDDI、ジェイアール東日本企画、クレデウス、クリエイティブオフィスキュー、GYAO、札幌テレビ放送、宮城テレビ放送、静岡第一テレビ、中京テレビ放送、広島テレビ放送、福岡放送・1時間53分

ビスタ・サイズ(DCP)/音響表記なし

(『HELLO! MOVIE』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド、聴覚障害者用日本語字幕付き、一部日本語字幕付き上映もあり)

監督・脚本:福田雄一
撮影:鈴木靖之
出演:大泉 洋、橋本さとし、
   高橋 努、ムロツヨシ、
   西田敏行、賀来賢人、
   岩田剛典、小栗旬、ほか

公式サイト
https://shinkaishaku-sangokushi.com
(全国の劇場リストもあり)

日本人歴史学者、蘇我宗光(そがむねみつ、西田敏行)が、独自解釈の『三國志』の講義をする。中国、戦乱の世、酒の席で平和のための持論をぶち上げた劉備(りゅうび、大泉 洋)は、しらふに戻って否定するも、感化された関羽(かんう、橋本さとし)と張飛(ちょうひ、高橋 努)から強引に義兄弟の契りを結ばされ、嫌々リーダーに祭り上げられると、同じく感化されて付いてきた義勇軍を率いて、反乱を起こした黄巾(こうきん、山田孝之)の成敗に向かう。


71点

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 うーん、これはコメディ版「レッドクリフ」かなあ。「三國志」なんだけどむしろ「赤壁の戦い」。しかも主人公は劉備=大泉洋というより孔明=ムロツヨシかなあ。

 ほぼ全編ギャグというか、ふざけている感じで、たとえば大泉洋とかムロツヨシとか出演者のファンでないと辛いかも。ボクには113分が長く、眠かったぁ。すべてがギャグだと笑えなくなる。最初からギャグのテンションが高く、観客は付いていくのが精いっぱいなのだが、ようやく慣れてくるとギャグばっかりで、しまいには疲れる。もう少しまじめなドラマ的な部分がないと113分は辛いかなあ。つまりはバランスの問題かと。「銀魂」的で、「キングダム」的なところもちょっとはあったかも。孔明の家とか、「キングダム」の少年2人が暮らした農家にソックリな感じが。

 またラストのエンディング曲は、重めで暗い感じなので、カッコ良いけど本作には合わなかったかなあと。チャンチャンとオチがついた後で聞くと、もっと明るい軽い感じのものでないと……。

 巨人っていう設定の呂布が大きく見えなかったのは狙いか、ボクの勘違いか? 良かったのは「関羽チャン」を演じた橋本さとし。劇団☆新感線の人で、まじめな感じとまじめに演じているのが逆に面白かった。ボクが見た作品だと「七つの会議」(2018・日)に出ていたそう。どの人だろう。そして曹操の将軍・夏侯惇を演じた阿部進之介。この人もひたすらまじめな感じが良かった。「キングダム」(2019・日)にバジオウ役で出ていたそう。また味があって存在感アリアリだったのは、赤壁の戦いで孫権の最高司令官・周瑜の補佐を務めた軍師、魯粛を演じた半海一晃。こんなユニークな人、今までどこにいたんだろう。本作にビタはまり。

 監督・脚本は福田雄一。「HK/変態仮面」(2013・日)とか、「銀魂」(2017・日)、「斉木楠男のΨ難」(2017・日)、「聖☆おにいさん」(2018・日)などのコメディ系で知られる人。キャストは過去に仕事をした人が多い感じ。ボクが見たのは「銀魂」くらいだが、あんな感じだったら良かったのに。

 それにしても、たびたび下の4Dスクリーンの振動が伝わって来て、不快だった。

 公開5日目の初回、全席指定で前日にネットで座席を確保。当日は20分前くらいにビルが開いて、トイレに行ってきたら開場していた。平日なのでガラガラかと思ったら、意外と劇場には人がいる。本作の観客層は若い人から中高年まで幅広い。火曜なので美容師の人たちが多いのかも。最終的には499席に35人くらいの入り。平日朝一はこんなものだろう。男女比は6対4くらいでやや男性が多め。9席×2列あったプレミアム席は1人座った。

 CM・予告の途中で半暗になり、マナーのあと暗くなって、足元注意の、枠付きの映画泥棒、枠付きの映倫と続いて映写機の左右マスクで本編へ。


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