2020年12月19日(土)「ワンダーウーマン1984」

WONDER WOMAN 1984・2020・米/英/西・2時間31分

日本語字幕:手描き風書体下、アンゼたかし/IMAX(IMDbではIMAX=1.43、デジタルIMAX=1.90、その他=2.39、フィルム:35mm、65mm、Arriflexカメラ、Panavisionレンズ)/ドルビー(IMDbではドルビーATMOS)

(米PG-13指定)(日本語吹替版、IMAX版、ドルビー・シネマ、4D上映、スクリーンXもあり)

監督・製作:パティ・ジェンキンス
原案:パティ・ジェンキンス、ジェフ・ジョンズ
脚本:パティ・ジェンキンス、ジェフ・ジョンズ、
   デイヴ・キャラハム
撮影:マシュー・ジェンセン
出演:ガル・ガドット、
   クリステン・ウィグ、
   ペドロ・パスカル、
   クリス・パイン、ほか

公式サイト
https://wwws.warnerbros.co.jp/wonderwoman/index.htmlm
(全国の劇場リストもあり)

スミソニアン博物館に、地味でドジな眼鏡っ子で、宝石学や地質学の専門家、バーバラ・ミネルバ博士(クリステン・ウィグ)がやって来る。最初の仕事はFBIの依頼で、真贋不明の古代の遺物らしきものの鑑定を行うこと。そこに美人で明るく人気者の先輩研究員ダイアナ博士(ガル・ガドット)が興味を持って見に来る。するとある怪しげな遺物の台座に「触って1つだけ願えば実現する」というようなことが書かれていることがわかる。冗談半分でダイアナは亡くなった恋人スティーブのことを願い、バーバラは「ダイアナになりたい」と願う。そんな時、スミソニアンの支援者で、TV・CMでお馴染みの石油会社の社長、マックス・ロード(ペドロ・パスカル)がプライベートな見学ツアーを希望し、新人のバーバラが案内することに。実は、マックスは例の怪しげな遺物を以前から探しており、それを見つけると持ち帰ってしまう。


72点

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 151分だが長さを感じさせない。次々と連鎖的に事件が起こって行くジェットコースター・ムービー。実に映画的なファンタジー大作。とにかく主演のガル・ガドットがきれい。見どころはそこと、派手なSFXかな。

 ただ映画的展開とファンタジーの部分を重視したあまり、どうにも科学的な設定というか、リアリティという部分はかなり犠牲になっている。論理的でないというか筋が通っていないというか。それって都合よすぎるんじゃないの?と。願いは1つだけと言っていながら、いくつも願ったり、願いが叶っているのに、取り消せばなかったことになるなんてどうにも納得が行かない。何もなしに空飛んじゃうし、魔法みたいのを使ってジェット機を見えなくするし、まるで魔法使いというか、何でも出来るじゃん。オールマイティ。それに、いくらパイロットとは言え、第一次世界大戦時のプロペラ機技能で現在のジェット機を操縦できるものなの? だいたい燃料が入ってる? もうあちこち気になって……。ファンタジーの感情的にはそれでいいんだろうけど。

 各所にいろんな映画やエンタメへのオマージュが散り張られているようで、冒頭のアイアンマン・レースのような競技は「シルク・ドゥ・ソレイユ」的な部分と、TVの「サスケ」的な部分があった気がする。

 ちなみに、大スクリーンでガル・ガドットがアップになると、耳のピアスの穴が気になったのだが、1984年当時はこれはアリなのだろうか。ほかの映画でも、時々こういうことがあるけど、俳優さんはおしゃれでも気を遣った方が良いのではないかと、余計なお世話的心配までしてしまう。

 笑いの要素も多く、布団がブトンになったり、おしゃれアイテムでウエスト・ポーチが出てきたりして笑わせてくれた。

 銃は、ショッピング・モールの犯罪者たちがS&Wのチーフスと小型オート(imfdbによるとS&WのM469らしい)、警官がミリタリー&ポリスの4インチらしいリボルバー。アラブの石油王のガードはAK。装甲車両にはM2重機関銃、MG42(MG3)マシンガンなども装備。ホワイトハウスのガードは1911オートやS&WのM19らしいリボルバー。中東あたりの兵士が構えているのはPKかPKMマシンガン、オートマチック・グレネード・ランチャーはアメリカ軍のMk.19あたりか。

 ただ、基本的には誰も殺さないというコンセプトなのか、派手なアクションの割りには面倒くさい展開になっていたようで、そこがアクション作品としてはキレが悪くなっていたかもしれない。うむむ。

 エンド・ロールのあとのラスト、TV版「ワンダーウーマン」(Wonder Woman・1975-1979・米)でダイアナ・プリンスを演じたリンダ・カーターが特別出演で出てくる。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日はちょっと早めの22〜23分前に開場。観客層は割と若い人から中高年まで幅広く、男女比は7対3くらいでやっぱり男性が多め。最終的にはフル499席に4割くらいの入り。9席×2列のプレミアム席も半分が埋まった。9時からの回としては優秀ではないだろうか。

 シネマ・チャンネルのあと半暗になって、CM・予告と続いて、暗くなって、ATMOSのスピーカーのライトも消え、ATMOSのデモ、TCXスクリーンのデモ、まぶしい足元注意、フル・サイズの映画泥棒、映倫と続いて、本編へ。

 また今回も下の4Dスクリーンの振動が伝わってきて不快だった。予告の段階からだからなあ……。


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